1年時の新人戦でデビューを飾り、それ以来4年間、日本体育大のメインガードとしてチームの司令塔役をこなしてきた。最初はチームをうまく動かすことに徹していたが、2年目には攻撃にも意欲を見せることで相手ディフェンスに的を絞らせず翻弄していくようになり、代表活動をはじめ日本体育大として国際大会への参加も続いた。今や大学界で国際経験は最も豊富なうちの1人といえる。ディフェンス力には定評があり、WUBSではディフェンスで観客を唸らせる場面もあった。
最後の年、ここまで頂点にたどり着けていない最大の目標、インカレ制覇に向けて仕上げとなるリーグ戦は、最終戦で白鷗大に負けて3位から4位に順位を落として大会を終え、連覇はならず。「課題がたくさん」と最終戦後は言葉少なだったが、この状態からどこまで再度チームのレベルを高めていけるか。最後に覚悟を問われる。
課題がたくさん見つかったリーグ戦
─リーグ戦を4位で終えました。最後の白鷗大戦に負けて悔しいところだとは思いますが全体を振り返って。
「2巡目まで22試合、相当長いリーグ戦でした。このリーグ戦で成長できたらいいねという目標もありつつ、優勝という大きい目標もある中で、やっぱり日体らしいバスケットができる時間帯もあれば、なかなかチームとしてできない時間帯もありました。自分たちはもう4年目で、最後のリーグ戦です。だからこそ気持ちが出ていたし、出ていた分、こういう結果になってしまったことはすごく悔しいです。チームとしても課題が多く見つかったリーグ戦だったなと思います」

─WUBSとAUBLという2つの国際大会も経験しました。こうした場に代表として出場して得られたものはリーグ戦では生かせましたか?
「国際試合を通して、体の当たり方やフィジカルの部分で大きく海外との差を感じたのは大きな経験でした。日本と海外ではまだまだこの差が大きいところもあるのでありがたいです。自分たちはそうした海外との差を経験した分、日本で頑張ろうというところもあってリーグ戦に臨んだんですが、ちょっと不完全燃焼のところはあります」
─今の日本の大学界だとバスケの違いというか、フィジカルで勝つというバスケになっていない部分もあるしそのまま活かすというのは難しいかもしれません。でもこのリーグ戦は3年生が頑張りも見えて、チームでいいところも少し出てきたのではないかなとも思うんですが。
「チームとして自分たちらしいバスケットができている時間はよかったといえます。それぞれが気持ちよくプレーできているなと思いました。でも接戦とか大事なゲームとなると難しいところもあって、そこが全体としての課題かなと。インカレまで時間もないですから、残りの時間はやるべきことを突き詰めていくだけかなと思います」

繰り返す壁の出現に対して成長とアジャストを繰り返していく
─1年生からずっと主力で出ている状況での4年目というのはどのような感覚でプレーしていますか?
「同期とはやはり頂点で同じ景色を見たいとも思いますし、ずっと同じメンバーが長い時間出ているので、あ・うんの呼吸とかがあったり、自分たちなりに分かり合っているからこそ、うまくプレーできているところはメリットとしてあります。その一方、それが逆に相手にアジャストされやすい部分になっているところもあって、自分たちもまだまだ成長しなきゃいけない部分がたくさんあります。リーグ戦が終わった今の状況ではうまく表現しづらいなというところなんですが…」
─ここからまだいくつも課題を乗り越えていかなければ、という状況ですね。
月岡選手が大学で試合に出てきた4年間は全国経験がないところからの関東1部での挑戦であったと思います。この4年間は自分にとってどのような成長や価値を感じますか?
「すごく学びのある時間であることは確かです。自分の心も成長できたし、プレーとしても技術としてもものすごく成長することができています。それだけではなく、学年が上がるにつれて自分のストロングポイントとウィークポイントを少しずつですけど、克服することもできてきたように思います。ただ、やはり先程の話と同じで、自分が新しいことを獲得してもそれにアジャストされて、またそれを越えようとする、それの繰り返しでもあると思います。そういったところの対応力とか判断というところはまだ課題だと思っています」
─この先プロを目指されるとしたら、ずっとこうした挑戦や課題克服の連続にもなっていきますね。
「はい、目指しているので本当にその通りなんですが、まずはリーグ戦で出たチームとしての課題をどうするか、インカレに向けて集中していきたいと思います」

※インタビューは第22戦終了時に行いました。
月岡 煕(つきおか ひかる)
174cm/65kg/PG
昌平高





