【2025インカレ/INTERVIEW】「天理大の4年間で成長できた」学んだものを糧にプロに挑戦/#20駒田彬人(天理大・4年・PG)

2025インカレ

「悔しいけれど、悔いはない」。
敗れた悔しさと、4年間やりきったという思いが凝縮された一言が最後に出てきた。

地道なディフェンスの強化で今年は関西1位を獲得。インカレでは国士舘大を撃破したあとは昨年4位の名古屋学院大を破ってベスト8進出を果たした。次の関門、ベスト4では日本経済大に後半に逆転負けを喫し悔しい敗退となったが、関西のチームの存在感を示したのは間違いない。また、応援席のスポーツマンシップにあふれた姿も印象に残った。

個人的にはリーグ戦で消化不良だった分をインカレで爆発させたという。3試合の平均は18.6点。ルーキーのオルワペルミと合わせてオフェンスを牽引する姿が印象に残ったが、ドラフト前にいいアピールになったのは間違いない。次なるステージでの飛躍を誓って4年間の大学バスケットを終えた。


キャプテンとして最後までやりきるという強い気持ち

─準々決勝、日本経済大に悔しい試合だったと思います。振り返って。

「1年間、ベスト4以上とか日本一目指してやってきた中で、本当に今年はチャンスがあって。自信もあったので正直ここで終わってしまって受け止めきれないというか、悔しい気持ちでいっぱいです。負けたのは本当にちょっとの差かなと思うんですけど、やっぱり前半は結構自分たちのディフェンスも効いていて、自分たちのペースで試合運びできていたんですが、後半に入ってちょっと勝ちが見えてきたりという中で、自分たちのプレーができなくなってしまいました。ボールが止まって相手に一気に流れを持っていかれたので、そこはもう経験の差というか。勝負際で自分たちのバスケットを40分間しきなかったというのが本当に悔しいところです」

─それでも最後まで本当に積極的に攻めました。23得点です。

「正直、インカレまでは自分のプレーを7割ぐらいしか出せていなかったんです。キャプテンになって春からチームのことばかり考えて、自分のプレーにフォーカスしきれない部分がありました。リーグ戦も周りのみんなに助けてもらってという場面が多かったんですが、やはり最後のインカレはキャプテンだし自分がやらなければと思ったし、自分はドラフトに志望届をだしていてアピールの場にもなるので、最後までやりきろうと思って積極的にいきました」

─ドラフトも見据えてというところだったんですね。2戦目以降は特に攻める姿勢が目立っていたし、スコアリーダーとして存在感が強かったです。プロを目指すことはいつ決めましたか?

「なりたいな、という気持ちはずっとありました。でも高校は工業高校だったので高卒で就職する人が大半で、正直進学もそこまで考えていなかったんです。でも天理大から声かけてもらって進学して、1年生から Aチームで出させてもらって、自分が意外と通用するというか、上のステージでもやっていけるんじゃないかっていう中で、ちょっとずつプロを意識するようになりました。新たにドラフトという制度ができて、それも自分たちの代から始まるのはいい機会なので挑戦しようと思って志望しました」


4年間かけて成長してきたチームはベスト8という成果にたどり着いた

─高校時代はどんなプレイヤーだったのでしょうか?

「とりあえずディフェンスで守って速攻を出してみたいな感じで、ハーフコートオフェンスがどうこうというよりも、走って走ってというようなチームでした。身長もない小さなチームだったので。だから大学に入ってからだいぶ自分のプレーも変わったと思います。でも意外とディフェンスは得意だったので、そこは天理のスタイルにもフィットできました。今年からはジェリー(#77オルワペルミ ジェレマイア選手の愛称)も入ってきてくれて、トランジションもついてきてくれるし、高校時代に培った自分のボールプッシュはもちろん、ハーフコートにも対応してバランスの取れたチームになっていました」

#77オルワペルミへの絶妙なアリウープパスは会場も沸いた。

─では天理大に来ての4年間は大きな成長の実感があるのでは。

「もちろん良くない年もあったしあっという間だったんですけど、間違いなく自分が一番成長できる環境にいられました。ヘッドコーチもプロレベルのことを教えてくれて、レベルの高い内容に練習で触れることができました。プロを目指している中でそこにつながるいいステップアップの時間になったと思います」

─駒田選手の入学時は長年チームを率いてこられた二杉茂前監督が亡くなられ、新たに歩みだした年でもありますね。

「自分の進学が決まって入学前の2月に亡くなられたので、自分は教わっていません。今のチームは自分たちが1年のときにヘッドコーチの修さん(岡田監督)とスタートして、4年かけて一緒に頑張って築き上げてきたものです。インカレは満足いく終わりではないですけど、でもこの舞台で関東のチームを倒し、ベスト8という成果をあげて、チームとして多少なりとも結果に結びついてきた部分があります。来年からも皆には頑張って欲しいし、自分もこの先プロに挑戦して頑張っていきたいです」

岡田監督(左端)は天理大OB。bjリーグやBリーグのさまざまなチームでコーチングフタッフとして活動したのちに天理大の監督に就任。

─でも素晴らしいチームでした。ディフェンスも良くて、またチームの応援も今日の試合後、応援席のみんなが日本経済大に拍手を送って、何度も「優勝しろよ」と大きな声がかかっていました。

「本当に最高のチームです。Bチームもみんな東京まで来て一生懸命応援してくれました。だから悔しさはあるけど、やってきたことへの悔いはないです。そして日経さんには本当に優勝してほしいなと思います」

試合後、挨拶にきた日本経済大に対して口々に「優勝しろよ」と声をかけた応援席。相手への心からのリスペクトが感じられる光景だった。。

駒田彬人(こまだ あきと)
174cm/69kg
津工業高


国士舘大を破ったあとのインタビューはこちら↓

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