【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】大事なのは「諦めない」こと。どんなときも自分たちのスタイルをやり通すだけ/#3塚本智裕(大東文化大・4年・PG)

2025関東リーグ

スキルとセンスの高さは目をみはるものがあり、代表経験も抱負で今シーズンの大学界の顔となるガードの1人といえる。今リーグ戦は大会中に怪我を負いしばらくチームを離脱するアクシデントもあった。しかし復帰後からはこれまでと変わりないプレーで鮮やかにゴールを決めてチームを引っ張った。

チームとしては競り合いを落としたり連敗が続くなど、思い通りにいかない部分もあったが、チーム内でコミュニケーションを重ねて改善に取り組み、終盤には好転の兆しを見せた。「諦めない」ということを後輩には伝えたいというが、まさに諦めずに地道に取り組んだことが少しずつ実になったリーグ戦といえる。残す大会はインカレのみ。過去3年間超えることができなかったベスト8の壁を破れるかに注目が集まる。


連敗脱出のために貫いたコミュニケーションとディフェンスのスタイル

─リーグ戦全体を振り返っていかがですか。

「大会結果は6位だったんですが、最初の入りが悪くて連敗続きで、入れ替え戦の枠に入るか入らないかというところを彷徨うことになりました。自分たちも何が正解なのかわからなくて何度も話し合いました」

─どう切り替えていったのでしょうか?

「僕たちがやるべきことっていうのはもともと分かってたので、それをただコートで体現して、それを全員が共通認識を持ってやるだけだっていうので気持ちを決めた感じです。そうやって練習したりとかしているうちに、いい感じで波に乗れて勝ち進んで、最後は連勝できたので、チームとしては本当にこのリーグを通してステップアップしたなと思います」

─負けが続いていた時は、どうしていいかわからない感じだったんですか?

「そうですね、何が自分たちに足りないんだろうっていうのを話していたけれど、あまり解決しないまま、また次の試合に臨んでいるっていう状態が結構ありました。特に上位のチームには勝てていなくて、どうしたら勝てるのかっていうのはすごく話し合って、練習でもコミュニケーションをみんなで取り合いながらやっていました」

─いろいろ苦心した様子が見えますが、終盤のいくつかの試合はすごく勢いのあるいい形の試合もあったと思います。そこは少し何か光が見えてきた感じですか?

「途中から、もう自分たちが強みのディフェンスからのオフェンスにつなげることに集中していました。ペッズダウンしないで40分間、いい時間帯も悪い時間帯も全員しゃべり続けるっていうところがうちのモットーでもあるので、そこも体現しようとしていました」

─自分たちのやることをやろう、とはっきり悟ってやり始めたのはどの試合のタイミングですか?

「1巡目の終わりぐらいでそこに気づいて、じゃあやることをやって2巡目に入ろうっていう時に筑波大に負けてしまいました(第12戦・74-75)。まさに2巡目の最初の試合ですね。1点差でもったいないというか、絶対勝てるゲームというかあの負けがなければ、最終結果も随分変わってきたのかなという試合でした。そこでこのままじゃダメだっていうので本当に皆で変わろうとしていきました」

筑波大との2巡目の戦いは16得点で奮闘したが惜しくも敗れた。

能力ある後輩たちには思い切りやってもらいたい

─塚本選手はリーグ戦中に怪我して手術をされたそうですが、パフォーマンスはほとんど落ちなかったようにも思います。

「1巡目の最初、筑波戦のあとの練習で鼻を骨折してしまいました。そのせいで序盤は自分としてもコンディション不足なところがありました。チームの結果も出ていないし2巡目からはもうやるしかないので、そこはもう気持ち切り替えてやろうかなという感じだったと思います」

─そういう中で、今回は下級生の頑張りも見えたリーグ戦だったのかなと思いますが、プレーぶりはどう見ていましたか?

「下級生には自信を持ってやってもらいたくて、僕たち3、4年生がサポートするので、『お前らは自信を持って、どんどんアタックして欲しい』と言っていたんです。それはもう後輩たちも分かっていることだし、やはりスプリングトーナメントの時から本当に能力もあるし、個性も強い選手たちだと感じていました。高校時代もトップでやってきて自信を持っているプレーヤーたちばかりなので、そこは別に僕たちはあまり心配することがなくて、本当にサポートするだけでした。本当に後輩たちの活躍は助かっています」

─そうした下級生ののびのびした部分もありつつ、4年生が頑張っている姿も見える試合は内容も良かったですね。

「途中ぐらいからもっともっと4年生が引っ張っていこうというのは同期と話していました。声掛けのところもそうですし、プレーの部分もそうですし、決めきらないといけない場面とか、大事な場面というのは、4年生が責任を持ってやろうというのは決めていたのでそれが出せた試合は良かったです」

─残りの大学シーズンも少なくなりましたが、後輩に伝えていきたいものはどんなことでしょうか?

「やり続けることですかね。プレーはいいときも悪いときもありますけど、諦めちゃだめだと思います。お客さんもファンの人も見ている中で、自分たちが諦めた姿を見せるというのはだめだと思うし、もし負けていたとしてもやり続ければ最後に逆転のチャンスが来るかもしれません。試合がどうなるか決まっていないし、結果は誰にも分かりません。だから諦めないでやるということを伝えたいですね」

─最後に、インカレに関しての抱負をお願いします。

「僕はインカレ日本一になっていません。大東文化大は入学してからの4年間、ベスト8のチームだといわれてきました。だからここでしっかり日本一目指して頑張るしかありません。キャプテンとしてもっともっと責任を持って後輩たちには、いい景色を見せられるように頑張りたいと思います」

※インタビューは第22戦終了時に行いました。


塚本智裕(つかもと ともひろ)
179cm/80kg/PG
北陸学院高


タイトルとURLをコピーしました