【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】武器の得点力を活かし、チームに勢いを与えるルーキー/#12松本 秦(早稲田大・1年・F)

2025関東リーグ

9試合を終了し、単独首位に立った早稲田大。チームの軸となるのは1年時から活躍してきた4年生たちだが、ここにアクセントを加えているのがルーキーの松本だ。
3月の東京六大学リーグの時点で存在感を放ち、関東新人戦では準々決勝までほぼフル出場し、1試合に30〜40点を叩き出すスコアラーぶりを見せつけた。新人戦の途中にはFIBA 3×3 ユース・ネーションズリーグU21に日本代表として出場。ここで肘を痛めるアクシデントもあったが、リーグ戦では問題なくプレーし、9試合を終えて平均17.5点、スリーポイントは平均2.7本を決め、個人ランキングでの上位につけ、目標は平均20点とさらに高いところを目指してもいる。
4年生たちが土台を固めていることでのびのびと活躍できている状況があるが、この環境を活かしつつこの先の成長を誓う。


「高校で学んできたものは通用している」

─チームとしてリーグ戦はすごくいい入りです。チームの状況や雰囲気はどう感じていますか?

「リーグの初戦が白鷗大で去年の優勝チームでした。まずそこに勝てたのが自分たちとしては一番大きなことだと思います。2戦目の日本体育大には負けてしまったんですが、それから切り替えて今日までずっと連勝で来られたということは、チームとしてもとても調子がいい状況だと思います」

─中でも松本選手はシュートが好調です。入学前の3月の六大学リーグの時からですが、本当にシュートが入っていますね。

「スリーポイントシュートというのは自分の武器ではあるので、そこは自信を持って自分を信じて打つようにしています。それがいい方向にいっています」

─大学に入って半年近く経ちますが、大学のバスケは体感してみていかがですか?

「洛南高校から早稲田に来て、プレースタイルとはそんなに変わっているとは感じていません。逆に高校でやってきたことがそのまま大学でも通用しているという部分はあります。でもフィジカルの面やハンドリングなど、技術の面でいうとやっぱり2、3年生や4年生と比べると、劣っている部分が多いのかなというふうには思っています。特にフィジカルの部分は試合をやっていて、すごく感じますね」

─ウエイトトレーニングなどは頑張っているのでしょうか?

「今は試合期間中ですけど、週に2、3回はウエイトを入れるようにしています。体重は入学から5キロぐらいは増やしました。そのおかげで当たり負けしなくなってきた感覚はあります。春のトーナメントの頃に比べると自分からコンタクトしてフィニッシュすることも少しは増えたのかなと思いますし、ディフェンスでポストについたときとかでも、簡単に当たり負けするということはなくなったように思います」

─6人で新人戦を戦い抜いたり、3×3のアンダー代表にも選ばれるなど、既にいろんな経験をしている1年目かなと思います。特に新人戦はタフでしたね。

「怪我人が多くて大会を棄権する危機もありましたが、最後はまさかの5人でのプレーでした。自分自身は途中で3×3に参加するので抜けてしまいましたが」

─新人戦からそのまま3×3の大会参加は大変だったかと思います。3×3の経験は現在どう生きていますか?

「そこまで3×3の経験は多くはないですが、ピックのスクリーンの使い方や1対1の駆け引き、そして3×3は2点になるスリーポイントがすごく重要になってきます。そこで思い切って打つという部分に関しては、自分でもその3×3を経験してさらに自信を持てるようになりました」


上級生の覚悟を感じる今シーズン、1年として気負わずチャレンジ

─早稲田大は上級生たちが下級生の頃はなかなか勝てない時期があり、2部にも行くなど苦労してきました。1年生として先輩からなにか感じるものはありますか?

「経験を感じます。試合終盤、4Qの最後とかに4年生がボールを持っていると安心感はすごくありますね。それに普段の練習からでも下級生の気が抜けてしまっているときに、そこで喝を入れるような感じでチームの雰囲気を締めてくれたりします。そんなふうに普段の部分から責任や覚悟を感じることが多いですし、これまでの経験で“このままじゃ負ける”という感覚を味わってきたからこそ、大事なところを締めてくれているのだと思います」

チームは4年生と3年生が主体。全員が高い攻撃力を持つ。

─早稲田大がリーグ戦でこれほど上位にいるのは、ここ数十年ではなかったことなので、本当にいいチーム状況なのだなと思います。

「僕も実はこんなに勝てると思って入ってきていないので、本当にいい意味で驚いています(笑)」

─ここからリーグ戦の個人的な目標は。

「ファイブアウトでもらってのスリーポイントショットなど、クリエイトしてもらっている場面とかがすごく多い状態です。自分で体や技術がない分、クリエイトできていないのは課題です。でもそこをリーグ戦中に改善しつつ、得点の面では今平均20点に届かないくらいのペースなので、20点に乗せていけたらなと思っています。プロを目指しているので、苦手なんですがディフェンスも必要です。でも今は1年なので、このチーム状況や環境を活かしてまずは思い切りよくオフェンスで貢献することを考えていきます」

※インタビューは第7戦終了時に行いました。


松本 秦(まつもと しん)
191cm/86kg/F
洛南高

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