【2025関東入れ替え戦/REPORT】山梨学院大が1部復帰、神奈川大は残留、筑波大と国士舘大は運命の第3戦へ/第2戦(2025.11.5)

2025関東リーグ
山梨学院大が1部昇格。試合後は恒例の整列しての礼でコートに挨拶した。

入れ替え戦2日目、初日に勝利したチームには王手がかかり、負けたチームはプレッシャーのかかる2戦目、1部入れ替え戦では山梨学院大専修大に2勝し、1年での1部復帰を決めた。神奈川大江戸川大との競り合いを制し残留。筑波大国士舘大に勝利し1勝1敗とした。

2部入れ替え戦は順天堂大、駒澤大、立教大がそれぞれ2連勝。2部残留を決めた。

【1部入れ替え戦】(確定)
神奈川大学  1部残留
山梨学院大学 1部昇格
専修大学   2部降格
江戸川大学  2部残留

【2部入れ替え戦】(確定)
順天堂大学  2部残留
駒澤大学   2部残留
立教大学   2部残留
埼玉工業大学 3部残留
杏林大学   3部残留
國學院大學  3部残留

山梨学院大が2勝、1年で1部復帰を決める

2部・山梨学院大が王手をかけた2戦目、立ち上がりは#98スヴェトリシック(3年・C)の高さを生かして0-10の入り。専修大はオフェンスが重い。開始5分を過ぎ、専修大は#18清水(4年・SG)のフリースローでようやく1点が入り、ゾーンからリバウンドを押さえて得点につなげるが、山梨学院大は#28山銅(1年・SF・明徳義塾)、#5中村(3年・PG)のスリーポイントが決まり10-23。

山梨学院大は#98スヴェトリシックが大黒柱として存在感を発揮。

2Qも専修大のオフェンスはなかなかリズムに乗れない。しかし山梨学院大はベンチメンバー主体になったところでターンオーバーが続いてしまう。#14菅野(2年・PG)と#98スヴェトリシックをコートに戻した山梨学院大が再び流れを取り戻すが、専修大は#10加藤(3年・G)が渾身のルーズボールも見せる。終盤には#14菅野の速攻からのバスケットカウントも決まった山梨学院大が23-42と差をつけ前半終了。

3Q、専修大は約5分間無得点。その間に山梨学院大は得点を重ね37-70。4Q、大量リードを得た山梨学院大が優位には変わりないが、専修大は#38笠木(2年・F)のスリーポイントや#47古山(1年・G・桐光学園)のレイアップなど、勢いが出てくる。さらに#5後藤(4年・F)の速攻や#松野(4年・SG)のスリーポイントも決まり点差を縮めた。その後も専修大はスリーポイントを沈めて粘っていく。山梨学院大はベンチメンバーを出場させつつタイムアップのときを迎え、72-90。1年での1部復帰を決めた。

専修大は4年生がこの日も奮闘。#31松野は最後まで打ち続けた。

立ち上がりから専修大の得点が伸びず、その間に山梨学院大が余裕を持って試合を進める展開になった。専修大は過去何度も入れ替え戦で1部の座を死守してきたが、ついに降格。2部からの再出発となる。

抱きしめられるキャプテンの#0藤崎。下級生たちを支えてチームをまとめた。

筑波大が国士舘大に雪辱し、勝敗はタイに

筑波大国士館大の2戦目は互いに激しいディフェンスをかいくぐる攻防になった。筑波大は立ち上がりから#1福田(4年・F)、#13岩下(4年・PG)のスリーポイントが決まり、守ってはインサイドには簡単には入らせない。しかし#13岩下が1Qから2ファウルとなってしまう。それでも積極性のあるオフェンスを続けていくが、互いに決めきれずターンオーバーが続き13-8の筑波大リード。

国士舘大は#78関が内外で奮闘。

2Q、互いに決めきれずミスも続く中、国士館大は#7町田(2年・PG)、#31岡崎(2年・SG)、#78関(3年・PF)のスリーポイントで差を縮める。筑波大は2ポイントで我慢していくが、ここで#3黄(4年・SG)が奮闘。次々に得点に絡み再び差を広げると開始5分で9点のリードに成功した。国士館大はタイムアウトで流れを切りたいが、#3黄のスリーポイントが決まり、国士館大のゾーンにも#0髙田(1年・SF・福大大濠)がスリーポイントを入れて破る。さらに終了間際に再三のオフェンスリバウンドから#13岩下がスリーポイントを沈めて前半は38-28と筑波大がリードを広げた。

3Q、互いに守り合う激しい展開で点差自体は大きく動かない。筑波大は詰め寄られてもフリースローや#0髙田のスリーポイントで逃げる。国士館大もフリースローを得て粘るが51-41。4Q、開始1分半、再び昨日同様得点板のエラーで試合が中断。再開後は筑波大#0髙田、国士舘大#7町田のスリーポイントの応酬で譲らない。その後筑波大はゾーンの守りに停滞してしまうが、ディフェンスを踏ん張り国士館大にもゴールを決めさせない。最後まで国士館大は粘るが差は詰まらず64-56で試合終了。筑波大の勝利で1勝1敗、試合は第3戦にもつれ込んだ。

筑波大は全員が奮闘。

筑波大は立ち上がりからスリーポイントの確率が良く、リードして試合に入れた。インサイドでも#15ボンゴを1点に押さえて守りきった。国士舘大はいま一歩乗れず、ロースコアに抑え込まれた。

競り合いを制した神奈川大が2連勝で1部残留

神奈川大江戸川大の戦いは、立ち上がりは神奈川大のシュートが入らず、江戸川大は#5梶谷(3年・G)の3連続シュートが決まり#1アデツツ(3年・F)のブロックも飛び出した。神奈川大は#3山本(4年・PG)、#11石田(3年・SG)のスリーに#3山本の速攻からのバスケットカウントで追い付き競り合いになり15-16。2Q、神奈川大は簡単にはゴールが割れないが開始4分、#3山本の2本のスリーポイントで逆転。そこからシーソーゲームになる。互いに守られてタフショットが続く中、最後に江戸川大は#11髙木(4年・PG)がレイアップを決めて30-31とリードして前半終了。

最後まで攻めた江戸川大#5梶谷。

3Qも競り合いは続き、一進一退。しかし#1アデツツの高さが生きた江戸川大がわずかにリードし、42-43と1点上回って4Qへ。勝負の4Q、神奈川大は序盤に#3山本のスリーポイントが決まり逆転。江戸川大も#3東城(2年・SF)がスリーを返すが、さらに#3山本が返し、このQも互いの負けられない気持ちがぶつかりあう。1点を争う展開の中、神奈川大は#11石田のレイアップとスティールで引き離すきっかけを作る。追う江戸川大は#5梶谷、#3東城のスリーポイントで残り4分同点に追いついた。振り出しに戻った勝負を決めたのは神奈川大#2今野(4年・PG)。2連続でシュートが決まり、4点のリードにする。残り1分、江戸川大は#3東城のスリーポイントが決まり1点差に迫る。しかし再び#2今野がジャンパーを沈めて58-55。江戸川大は最後のチャンスにかけるもシュートは決まらずタイムアップ。神奈川大が連勝で1部残留となった。

神奈川大は#2今野が最後に勝負を決めた。

神奈川大は#3山本が22点と奮闘。#2今野はトータル10点のうち、残り4分の間に6点を決め、チームを勝利に導いた。

江戸川大は#5梶谷が20点と気を吐き、#3東城のスリーポイントで粘ったがあと一歩及ばず。


【PLAYERS INTERVIEW】「全員が点を取れるバスケットを目指してきて結果が出た」#5中村千颯(山梨学院大・3年・PG)

昨年はリーグ戦でなかなか勝てず苦しんだが、今季は快調に勝ち進み、大きな不安のなく勝ち上がった。1年のときから主力としてでてきた中村は3年目。ゲームキャプテンとして試合をリードした。その裏には試合に出ていない4年生の支えもあるが、チーム全員で掴んだ1部復帰。安堵の顔を見せた。

─1部昇格おめでとうございます。気持ちは。

「素もう本当に安心というか、嬉しい、率直に一部に上がれてよかったです」

─チームキャプテンの藤崎選手(#0)に代わり、試合ではキャプテン的な立場だったそうですね。

「自分が1年生からもうずっと主力として出させてもらっていて、今までの先輩たちのキャプテンの姿とか、メンタリティというのはずっと学んでいました。藤崎さんがチームキャプテンとしてチームをまとめるっていうのを常にやってくれていたので、自分は本当にゲームのことだけを考えて、ゲームの中で、自分がキャプテンとしてできるようにしていこうというだけでした」

─リーグ戦はそんなに不安なく試合をしているかなと思いましたが、メンバーは大きく変わらないものの去年は苦しみました。そこから大きく変わった点というのは?

「去年はガード陣がボールを持ちすぎていて、動かないバスケット、バスケット自体が動いてなくて、そこでガード陣のタイムショットで終わるみたいな感じのことが多かったんです。それではだめだというのは去年痛いほどわかったので、今年は全員が点を取れるバスケット、ボールを苦フローして動かして、その中でノーマークを作って展開するっていうふうなバスケットに変えたことで、今日の勝利にも結びついた感じですね」

─そのスタイルチェンジはうまくスライドできたのでしょうか?

「そうですね。全員でこうボールを出そうという意識を新チーム始まってからずっと言い続けてきました。それがうまく結果に出たかなと思います」

─入れ替え戦も落ち着いていました。自信を持ってやってきた結果なんですね。インカレに出られるということになりますが、目標は。

「最初はグループ予選から始まると思うんですけど、自分たちが今までしてきたバスケットを貫き通して、いけるところまで目指していきたいです」

─下級生主体なので、来年1部できるというのはいいことだと思います。そういう意味で来年も含めて大きな目標はどのようなところに置きますか?

「まずインカレベスト4というのは目標です。来年、自分の最後の学年でもう一度、1部でやれるので、そこでびびらずにチャレンジャーとして立ち向かって、少しでも結果を出せるようにしていきたいと思います」

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