【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】チームに勢いをつけるピュアシューター/#41石川響太郎(日本体育大・4年・SG)

2025関東リーグ

今の大学界でシューターといえばまずこの選手が浮かぶ。

1年時よりそのシュート力で周囲の度肝を抜き、4年目まで日本体育大の得点源の一人として存在感を放ってきた。豊富な運動量でハイスコアリングゲームを志向する日本体育大にとっては欠かせない選手である、クイックなシュートモーションで一瞬のディフェンスの隙をついて正確無比なシュートを沈めていく。マークされるがゆえに簡単には打てないときもあるが、今季はアウトサイドシュートだけではなく積極的なゴールアタックも見られ、この4年間で積み上げてきたプレーも披露している。

4年間主力としてプレーしてきたが、日本体育大は下級生がいてこそのチームでもあり、チームで勝利を目指すという。悲願のインカレ制覇に向けて最後の踏ん張りが見どころになる。


チーム全体で戦ってこそ勝つことができる

─このリーグ戦は全体の出来としてはどう感じていますか?

「第16戦の日大戦がリーグ戦の中では一番良かったなと感じています(90-71)。その前の早稲田大戦、中央大戦に負けてしまいましたが、自分たちの試合の準備が甘くて、入りは良くても悪くなったときに立て直すことができませんでした。日大戦はそこをチーム全体で修正して、個人でやるのではなく、チームでやる、ベンチも試合に出る人間もしっかりやろうというので全員で試合を行った結果、最初の立ち上がりは悪かったですがいい形で勝つことができました」

─石川選手は日大戦では21点、スリーポイント5/6と見事な働きでした。それだけではなく3年生たちも良かったですし、1Qは20-25と出遅れましたが持ち直してチームで勝ったという試合でした。

「本当にリーグ戦でこの試合が一番良かったかなと思います。この先も悪くなってきたときに自分たちで立て直して勝ちにいけるような修正する力をつけていかないと、インカレで結果は出せないと思っていますし、それができた試合でした」

─3年生(一部は2年生)はその日大戦のみならず、リーグ戦全般で活躍が増えていると思いますがいかがですか?

「自分たち4年生だけの力では勝てないので、3年生の力があってこその自分たちだというところもあります。4年生のプレータイムが長くなるとチームが負けるという負の連鎖もあったりしますが、下級生が下から支えてくれるからこそ自分たちも気持ちよく最後までプレーできます。自分たちは本当に3年生たちを信頼していますし、3年生あってこそのこのチームだと思います」

─でもやはり大学バスケットにおいてはチームの核というのは4年生だと思います。残りのシーズンが短くなってきましたが、後輩たちにはどういうところを見せたい、伝えておきたいと思っていますか。

「やはり結果を出して見せないといけないというのが一番です。インカレでは自分たちは1年目から3年目まで思い通りの結果を出せていません。まずはインカレを優勝してこそです。それが後輩たちにもこれからの日体大のためにもなりますし、そのために自分たち、4年生が引っ張っていかなければいけません」


自分のみならずチームものせるファーストショットの成否

─日本体育大は春から本当にいろんな試合があって、国際試合(WUBS・AUBL)も2大会出場し、試合の数はたくさんこなしてきましたね。

「ただ、主力に怪我などもあって、チームのメンバーが全員揃わない時期や万全ではない試合がありました。このリーグ戦でやっとチーム全体で揃ってバスケットができているという状態です。だからこそもうちょっとチームとしてやっていかないといけないんですが、コンディション問題なども含めて立て直すまでに少し時間がかかってしまい、チームとしても一つの方向に向くことが難しい中でのリーグになりました」

─リーグ直前に中国で開催されたAUBLは西部選手(#7)、コネ選手(#1)が欠場でしたね。海外での試合はいかがでしたか?

「試合以外にも日本との気温差もあったし、ホテルや食事も用意していただいていましたが、食べ物が合わないなどいろんな難しさがありました。日本から食べるものを持って行ったりはしていましたが、それだけでは賄えないところもあるし、万全といえない中で試合をする大変さを経験しました」

WUBS、AUBLではスリーポイントコンテストに出場し、WUBSでは見事優勝。

─国際試合で海外に行くとそうした部分で大変だとよく聞きます。ただ、その中でも試合が続くわけですが、どういうことを大事にしていましたか?

「自分の中では試合の最初のファーストショットというのを気にしています。ファーストショットが入ればその日は調子がいいと自分のモチベーションも上がります。そこは国際試合でも大事にしていたし、このリーグ戦でもかなり意識しています。日大戦でもそれが入ったので、いけると思いました」

─確かに石川選手の最初の1本が決まると、チームもかなりノリますね。
石川選手は大学に来て良かったと思っているところ、成長できたと感じているところはどこでしょうか?

「いろんなことを学びました。試合に入るまでの準備にはじまり、試合に入ってからの自分の調子が悪かったときのモチベーションや、試合に出ているときのモチベーションの保ち方などは大学で学んだ一番大きい部分だと思います。プレーだけではなくて、気持ちだったり身体の保ち方だったり、試合前の準備のやり方など、そういう部分は大学に来て学んだし成長したなという感覚があります」

─高校時代にはそういうものを考える余地はなかったのですか?

「高校時代は自分がチームの中心でずっと試合に出ていたので、それ以外の部分を経験することや考えるという機会があまりありませんでした。大学に来てから自分がチームを下から支えるとかベンチにいる時間が長い試合もあるなど、高校とは環境が変わりました。その中でモチベーションの持っていき方を考えるようになったし、身体をどう保ってパフォーマンスを発揮するかといったことも試行錯誤してきました。そこは未経験な分、難しかったですね。だから試合に出るための準備っていう部分は大学に来たからこそ学べたことだし、自分の中で一番大きく成長したところといえます」

─例えばプロになればずっと出続けるということは少なくなりますし、役割も変わるのでそういう世界へ行くための準備にもなったといえますか。

「そうですね。プロだとメインで試合に出続けるのは本当に一部のトップレーヤーだけだし、それでなくてもプロは短い時間の中でどれだけ結果を残せるかというのが大事だと思うので、その準備にもなったと思います」

─そしてこのあと、日本体育大にとっては最大の目標であるインカレが残り、そして最後には天皇杯の出場も決まっています。プロを目指す上でも最大のアピールができる場所ですね。

「まずはなんとしても結果を出したいですし、またいいパフォーマンスをして多くの人に見てもらえるように最後まで頑張ります」

※インタビューは第16戦終了時に行いました。


石川 響太郎(いしかわ しょうたろう)
180cm/80kg/SG
小林高


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