今年の明治大は内外から得点が取れる選手が多く、チームで戦っていくという意識が強い。そんな中でも針間はスコアリーダーとして目立つ試合も多く、アウトサイドから強いフィジカルを生かしたドライブなど、さまざまなシチュエーションで得点を取っている。クラッチタイムには決めきるという責任感がそこにはある。
先々までバスケットを続けるためには大学期に何を身につけておくべきか、そんなことも冷静に考えながらチーム内で役割が変化するたびにそこにも対応してきた。目指す理想像にたどり着くためにこの先も歩みは続く。
全員が決められるチーム、その中でもクラッチタイムには責任を持つ
─明治大は春からいい雰囲気でシーズンに入れていて、千葉選手も春からディフェンスを改善したのが大きいという話でした。春からの継続をリーグ戦からもさらに意識していった形でしたか。
「スプリングからもそうなんですけど、スコアが伸びている時間帯、点差を広げたり、あるいは離れている、その他点差があっても追いつくことができる試合は、しっかりディフェンスして、リバウンドを取ってからブレークを出せています。そういう意味でリーグ戦でもよりディフェンスに磨きをかけてっていうところは、みんなで意識してやってきたリーグ戦になりました」
─明治大は例年シュートがうまい選手がたくさんいて、攻撃の方が目立つといえば目立つところもあったかと思います。ただリーグ戦ではここしばらく苦戦もあって、そこは今季はどう考えていましたか?
「やっぱり試合のクラッチの時間には、去年なら平松さん(現B1 FE名古屋)がやってくれてはいたんですけど、チームのサイズも小さかったですし、自分もうまくできてないところがありました。今年はそういったクラッチの場面でも、自分とか森田(#23)がハンドラーをして、相手が止めに来たら塚田(#91)とか武藤(#60)とかが外で待っていて、スリーポイントを狙えます。そういった意味で、全員がどの時間帯でも、相手に対して脅威与えられるチームではあったのかなとは思います」
─確かに今年は点を取るポイントが多くて、誰でも点を取れるというチームですね。
「その中でも最後に決めきるのはやっぱり自分の役割だとは思っているので、あとはインカレでもそういう勝負どころはしっかりやっていきたいと思っています」

ロールプレイヤー、ハンドラーなどさまざまな役割を経験してきた4年間
─確かに得点面では針間選手が目立つ試合は多いですし、早稲田の優勝がかかった試合(第20戦)でも33得点で本当に意地が見えました。そんな早稲田が今年は優勝しましたが、従来とは違うセオリーのチームですが、誰でも点を取るというのは明治大とも近いところがあります。
「大学のバスケっていうのは、ある程度のスタイルが決まっているというか、どのチームも似ているところはあって、その中でスペシャルな選手を軸にする感じだと思います。でも本当に早稲田はそういった意味でいうと逆に型がない。本当に誰でも軸になれるというのは、早稲田の本当の強さだと思います。自分たちも早稲田のようにファイブアウトのようなスタイルをやる選択肢もありました。でも去年から自分たちがやってきたことを続けていくことが大切だし、将来も含めていろんな方向性を相談しながら、明治は明治としてチームを作ってやってきたという感じですね」

─サイズがそこまでなかったり外のシュートに強みがあったり一見すると近いけれど、チーム個々で方向性が違うのがわかりますね。
プロが近い場所にある大学生世代はいろいろ考える時期だと思いますが、針間選手にとって大学でバスケットをして良かったところは?
「大学全体でいうと、ディフェンス強度がすごく高くて、高校までだったら簡単にできていたことをなかなかさせてもらえない世界でした。そんな中で幅を広げてきたことです。明治でいうと1、 2年生の頃はどちらかというとロールプレーヤーみたいな感じでしたし、ハンドラーだけじゃないプレーもさせてもらってチームのためにやるっていう役割も経験することができました。そこから3年生4年生と上がっていく中で、ハンドラーもやって自分が点を取るっていう、そういった役割を今はさせてもらっています。本当にいろいろ学ぶことができたなと思っています」
─確かに、下級生の頃の針間選手はアグレッシブさもあるけれど、ロールプレイヤーらしいプレーも多かったですね。
「デフェンスは本当に高校の頃から自信を持ってやっていたので、1年のころは、特にディフェンスにフォーカスしていました」
─チームづくりもそうだし、どういうバスケしていくかもチームで話し合いながらやるというのも大学生ならではですね。将来はどんなプレーヤーになっていきたいと思っているのでしょうか?
「自分が個人的にあるのは、ツーウェイな選手です。プレイヤーのタイプって3&D(スリーポイントとディフェンス)とか今はいろいろありますが、自分の思うツーウェイはオフェンスにもしっかり絡んでやるし、ディフェンスもハイレベルで強度を上げて、オフェンスもディフェンスもやっていくようなスタイルのことで、そこを目指したいです。今のBリーグでいうと小酒部選手(現B1東京)に近いかな。彼は本当に両方ともハイレベルでやっていてすごいですが、ああいうどちらも高いレベルでこなせるプレイヤーになっていきたいし、そのためにこの先も頑張ります」

※インタビューは第21戦終了時に行いました。
針間大知(はりま だいち)
186cm/89kg/SG
福岡大附属大濠高



