【2025インカレ/REPORT】日本経済大が壁を突破し初の8強、日本体育大も昨年の壁を超えてベスト8へ(2025.12.4)

2025インカレ
対青山学院大戦でチームを救った日本体育大#21月岡がもみくちゃにされた。

インカレはベスト8決定へと進み、日本経済大(九州2位)明治大(関東7位)に逆転勝利でベスト8進出を決めた。また、天理大(関西1位)名古屋学院大(東海1位)に勝利し、2011年以来のベスト8に入った。

関東勢は早稲田大(関東1位)、東海大(関東2位)、白鷗大(関東3位)、日本体育大(関東4位)、日本大(関東5位)、大東文化大(関東6位)の6チームが初戦を突破した。

昨年は名古屋学院大がベスト4に入り、4シードの一枠が東海学連に移った。今年はこのブロックで関東の3チームが撃破され、勝ち上がったのが日本経済大と天理大。両者の勝った方がベスト4となるため、来年も枠はこのどちらかの地区が保持する。

天理大は名古屋学院大を破った。#20駒田が23得点。

下位や地方チームが食らいついての接戦続きに

この日はゲームの立ち上がりからは予期せぬ展開の試合が連発した。この日初戦のチームは特に固さも見え、追い込まれるシーンが多かった。


神奈川大はスタートダッシュに成功するも早稲田大が逆転

第1シード・早稲田大(関東1位)神奈川大(関東10位)は1Qに神奈川大がスリーポイントを連発。対する早稲田大はシュートタッチが悪く、前半からファウルも続いて波に乗れず19-29と出遅れた。神奈川大のオフェンスは好調でスリーポイントやゴール下、ペリメーターなどほとんどのショットがネットに吸い込まれ一時は差が20点ほどに開いた。しかし早稲田大はスリーポイントが入らない代わりに#5堀(4年・F)がアタックしてペイント内で稼いでいくと一気に差を縮め、前半終了時は41-47の6点差に。3Q、神奈川大のシュートが落ちてくると早稲田大はリバウンドからオフェンスに転じ、ようやくスリーポイントが決まってきて逆転に成功すると、その後は早稲田大らしい展開で試合が進んだ。神奈川大は後半に伸びず83-72

前半は調子の上がらなかった早稲田大#18 岩屋も後半には合わせてきた。

神奈川大#3山本「入りはアグレッシブにできてよかったんですが、それを40分続けることは難しい。早稲田は90点取るチームなのでディフェンスで70点台に押さえたかったですができませんでした」と、いい部分もあったがすべてはうまくいかなかったことを敗因に挙げる。後輩へ「来年も厳しいとは思うけれど、今シーズンのようにならないように準備することも大事だし、チームの層を厚くしていって、ラストのこのインカレで結果を出せるように頑張ってほしい」とメッセージを送った。

#3山本は17得点もパフォーマンスには納得がいかなかったという。次はドラフトが控える。

東海大は京都産業大に追いつかれるが最後は振り切る

第2シードの東海大は1Qから好調に得点して17-30といいスタートを切るが、その後は京都産業大(関西2位)のが#10ヒシグバータル(4年・C)、#12太田(2年・SG)らの踏ん張りで盛り返し、4Qには追いつき、競り合いとなる。残り数分までどちらに転ぶかわからない展開が続くが、東海大は終盤個人技での得点が続いて抜け出すと、90-102で引き離した。初戦であり、普段対戦しない他連盟のチームとの対戦は「予測しないところでシュートを打ってくるような難しさがある」東海大・入野監督。慌てて焦るということはなかったが、改めて気を引き締め直すような初戦となった。

東海ぢは最後は個人能力の高さで突破した。#2轟も2桁得点。

日本体育大は青山学院大に追いつかれ延長で逃げ切る

勝負どころのスリーポイントを決めて雄叫びをあげる日本体育大#21月岡。

第4シード・日本体育大(関東4位)青山学院大(関東8位)に31-16とダブルスコアに近い立ち上がりを見せて余裕を見せたが、2Q以降の展開は互角。4Q半ばまでは10点以上の差をつけていたが、青山学院大があきらめずに攻め続けて差をじわじわ縮めると一気に僅差の競り合いとなった。青山学院大は#3新井(4年・PG)を起点に#12広瀬(3年・SF)、#23加藤(4年・C)らが奮起すると最終盤で逆転に成功する。しかし日本体育大は#21月岡(4年・PG)のスリーポイントで同点にする意地を見せ、試合は延長へ。その延長は開始すぐ#10早田(4年・PF)がゴール下に入って決めると、日本体育大優位となる。青山学院大はタフショットやミスが続いて引き離され、104-98。日本体育大を追い詰めたが勝利は叶わず。

昨年はベスト16で敗退した日本体育大。延長に持ち込むシュートを決めた#21月岡は「正直負けたらどうしようと考えた」という。しかし「ここで引退となったらまた不甲斐ない結果で終わってしまう」と強気を崩さなかった。「自分が打てなきゃ勝ち切れない」と最後のシュートは自ら打つことを選択。それが見事決まって勝利を引き寄せた。

敗れた青山学院大の竹田監督「勝てた試合」と悔しい表情を見せたが、昨年より一歩前進のベスト16。来季も挑戦は続く。足がつりながらも最後まで出場した#3新井は負けはしたが息詰まる熱戦ができたことに「それでも楽しかった」と試合後は柔らかい表情を見せた。

青山学院大#3新井は33得点の奮闘。

日本経済大は2日連続の逆転劇でチーム初のベスト8へ

トーナメント初戦で中央大を破った日本経済大(九州2位)は、明治大(関東7位)とも接戦を演じた。序盤から大きく差がつくことがなく試合が進み、立ち上がりはロースコア。明治大は#5針間(4年・SG)を中心に、日本経済大は全員が試合に絡んでいく。前半を28-30で折り返すが日本経済大は3Qに失速。明治大が46-37と9点リードで4Qに入った。しかし4Q半ばから日本経済大は#11大庭(2年・PG)が積極的なアタックでゴールをねじ込んでいくと、リバウンド争いでも優位に立つ。日本経済大は#8今泉(4年・SG)のスティールや#1プライス(4年・SF)のオフェンスリバウンドからの得点で逆転に成功。明治大は#5針間が最後のオフェンスでサイドラインを割ってしまう痛いミスが出て、61-63。日本経済大は2日連続での逆転劇となった。

4Qで爆発した#11大庭「チームが苦しい時は点を取りにいくように」と監督からの指示があるという。それに負けないように4年の#8今泉や#1プライスも続いて逆転に成功したが、「新人インカレで優勝したことで、4年生も2年生を信じてくれている」とチーム全体での信頼がプレーに自信をもたらしていることが伝わる。片桐監督は監督就任以来初のベスト8に泣いてしまったというが、「次のチームのスカウティングをしっかりしていきたい」と、先を見ている。九州のチームがベスト8に入るのは2009年の鹿屋体育大(7位)以来。

終盤ペイントを切り咲いた日本経済大#11大庭。
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