リーグ戦におけるスリーポイント本数ではランキング2位。持ち味である高いシュート力で存在感を見せた。
また、ガード選手が豊富な中央大だがその主力選手に怪我が相次ぐ苦しいリーグ戦でもあった。そんな中で石口は安定したプレータイムを得て試合を引っ張ったが、シュート以外の幅広いプレーが見られたのが印象的だ。元々3×3のアンダー代表として活動するなど経験は抱負だが、怪我人がいたからこそこれまで以上の役割を果たす必要があったことが大きい。また今年から外部のコーチによる指導も大きな刺激になっており、己に何が足りないのか、課題が可視化されたことで何を強化するかが明確になった。見えた課題をクリアしつつ、武器であるシュートをいかに磨くか、まだまだ模索が続く。
怪我人が続き、これまで以上の奮闘でチームを引っ張った前半戦
─長いリーグ戦はガードの選手が怪我で抜けることが多い中で、石口選手はずっと出続けた2ヶ月だったと思います。振り返ってどうでしたか。
「中央大は怪我人がすごく多くて、チームとしても困っていた2ヶ月でした。でも個人的には今回はこの機会を自分の成長に変えられたのが大きいかなと思います」
─確かに得意のスリーポイント以外のプレーにも、かなりいろいろなプレーをしていた印象があります。プレー幅は意識して広げたのでしょうか?
「スキルトレーニングとかをチームでやっていて、そういう面が出たというのはあります。それと同時に、主要な人たちが怪我した分、自分に仕事が回ってきたことでそういう幅の広いプレーをしていったという面もあります」

─チームとしてもOBでテクニカルコーチをされている清水さんの所属する、KOA BASKETBALL ACADEMY(以下KOA)のサポートを受けていると聞いています。その指導は影響があったのでしょうか。
「そうですね。それまではそういうトレーニングをあまりしていなかったんです。だから逆に自分の課題がわからなかったっていうのが結構大きくて、主に宏記さん(清水TC)になりますが、KOAの方々が来てくれて教えてもらって、自分の弱点はこの辺だというのが見えてきました。そうしたトレーニングをやっていて上達したというか、今まで自分では分からなかったところが明確になったという感覚が大きいです。そのおかげで試合でも選択肢が増えて、いろいろできるようになったのかなという感じですね」
─プロのコーチに教わることで意識なども変わるものですか?
「意識はもともとないとダメだと思うんですけど、プロの指導で意識に技術が追いついてくるというのが大きいと思います。技術的にどうすればいいのか自分は今まで分からなかったので、そうした部分の答えをちゃんと出してくれて、ちゃんとバスケットに向き合わせてくれる。そういうコーチングであったり、そういう場所を作ってくれているのがKOAの方々だと思っています」

「シュートについてはもっともっと考えていきたい」
─今の中央大は3年生が中心選手に多いチームではありますが、その分責任感も増しているのでしょうか。
「3年生が試合にはたくさん出ているので、学年のミーティングでも自分たちが責任を持ってチームを勝たせなきゃいけないという話をよくしています。そして4年生は4年生で本当に人間性の高い人たちばかりで、すごくついていきたい気持ちになる存在です。上下関係なく過ごしているし、親しみやすくていい人たちなので、よりチームが一丸となるきっかけを作ってくれているのは4年生の性格とか雰囲気づくりのおかげなのかなと思います」
─では、来年4年生になったときに、その雰囲気を受け継いでよくする役割もありますね。
「そうですね、そのいい文化をこう引き継いでいかないといけないと思います」
─インカレに向けてはどのような部分を高めていきたいですか?
「個人的には去年よりスリーポイントのアテンプトが増えて、シュートについての考えもある程度固まってきたので、それをどう結果として出して、インカレでも成果につなげるのかというところに集中したいです。シュートについてはもっと考えていきたいです」
─今でもシュートは入っているイメージですが…。
「でもリーグ戦でいうと中盤のあたりの方が入っていたというか、感覚は良かったイメージです。その感覚を持続できるようにしたいですし、そういうものをどうやったら習得できるのかっていうのは、もっと考えていきたいと思っています」

※インタビューは第21戦終了時に行いました。
石口 直(いしぐち すぐる)
180cm/76kg/SG
東海大諏訪高


