【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】自分らしさを生かしつつ「チームの力を120%に」/#3新井翔太(青山学院大・4年・PG)

2025関東リーグ

全中で優勝し、高校では東京都の強豪・実践学園でもエースガードとして活躍してきた。華麗なパスや1対1は見どころ抜群で、怯まない姿勢やビッグプレーを決めれば雄叫びをあげるなど、目の離せない選手でもある。

大学では特に1、2年ではチームの成績不振があり、個人としても思ったような活躍を見られない時期が続いた。3年目になって2部リーグで次第に存在感を発揮すると、最終学年の今季は1部復帰を果たし、エースガードとして試合をコントロールしてきた。自分らしさを再び大事にしはじめたというプレーは一見の価値ありだ。

3年ぶりの1部は手探りの部分も多かった様子が伺えるが、それでもかすかに見えているものはあるという。それを掴みきることができるのか、インカレでの個としてもチームとしても注目したい。


どうすれば勝てるのか、探り続けた2ヶ月

─最終学年1部に帰ってきてのリーグ戦となりました。この時点であと1試合を残しますが、どのような2ヶ月でしたか?

「1巡目は結構自分たちの色を探す試合が多くて、何をしたら勝てるかというのが、最初はちょっと見つからない状態でした。でもやっていくうちにいろんな課題ができたので逆に何をすればいいのかというのが見えてきて、1巡目に5勝できました。逆に2巡目は最初こそ5試合で3勝したんですけど、そこから勝てていません。自分たちの色を見つけたけど、それを進化というか、より濃くできなかったのがこの2巡目で勝てない理由かなと思っています。自分はスタートかつメインでやらせてもらっているけど、どうしてもまだ見つけられなくて。ただ、残り2試合となってからの大東文化大との試合では、最後こそ点差が離れてしまいましたが、見つけられるきっかのきっかけの試合だったなというのは感じます。最終戦も東海大で強敵ですが、不器用ながらに自分たちの新しい色を見せたいなと思っています」

─きっかけのきっかけというのは何か気づいたことがあったのでしょうか?

「試合をするとどうしても課題が出てきてしまいます。これ、課題だねっていうのを克服していくうちに、少しずつですけど自分たちが何を変えていければ、チームのためになるのかっていうのが見えてきていたのが少しはあったかなと。ただ、やっぱりそれを出しきれなかったのが敗因ではあります」

─個人の話に移りますが、高校時代は新井選手主体のチームでのびのびした様子が伺えましたが、大学ではプレータイムが伸びていない時期もありました。大学での4年間でどういう成長や変化がありましたか。

「高校で自由にやらせてもやらせてもらった分、1、2年目は大学のセットプレーの本質やディフェンスの強度等に慣れることができていませんでした。そんなときに昨年から竹さん(竹田謙監督・ヘッドコーチ)が新しく入ってきてくださったことによって変わってきました。考えてみると、自分の色っていうのはやはり型にはまらない、クリエイティビティのあるところだと思います。それを消してしまって本当にこれでいいのかな?と思ってきたのが実は1、2年の時はあったんです。それを竹田さんもわかってくれて、去年から少しずつ取り戻してきて、このリーグ戦では新しい自由さというか、そういうのを取り入れてきたつもりです。そしてさらにチームのためにも、少し自分も変化しないといけないなと思っているところでもあります」

─竹田さんは細かくアドバイスをしてくださるんですか?

「個人に対して言ってくれることはあるんですけど、縛るような感じではありません。『これ、こうしたいんじゃない?』と導いてくれる感じで、基本は自由にやらせてもらえています」


2部の「絶対に負けられない」世界で得られたものは計り知れない

─新井選手はこうしてしゃべっているととても穏やかですが、コート上で本当に強気といいますか、性格が違うんじゃないかなっていうぐらいテンションが高かったりします。コートに立つとああなるのですか?

「昔からよく、ボールを持ったら性格が変わるね、ということは言われてきました。試合中は相手を倒すためにというのもあるし、自分がメインプレイヤーとしてどうみんなを盛り上げられるか、自分たちの120%の力をどう出せるかみたいなみたいなことを意識しているので、そのせいでそう見えるのかなと思います」

きっかけになりそうだったという大東文化大戦。チームとしていい時間帯もあった。

─ある程度、意図的に行っているんですね。

「高校とは違って、大学では自分だけが120%出しても勝てません。何をやればチームを引き上げられるかなと試合中はよく考えていますし、それがああいうテンションやパフォーマンスにつながる感じですね」

─話を伺うと、大学に来てからいろいろ気づけたり、きっかけになるようなことが得られた時間だったのかなとも思えます。

「本当にそうですね。いろんな経験をしました。2部にも落ちて、あのときはショックというより、自分のバスケ人生はどうなるのかな?みたいなことも結構考えました。確かに4年間、1部でできた方がもちろんよかったんですけど、2部に落ちて、2部のチームと試合をしてみると、どのチームも1部にチームを上げたい、上がりたいっていうのを本当に強く持っていて、気迫を強く感じました。12チームのうち3チームしか入れ替え戦にはいけない。だからこそ絶対やってやるという気持ちから得られるエネルギーってやはり凄まじかったです。だから自分のことに囚われてバスケ人生をどうしようとか考えている暇はなかったですね。確かに苦労はしましたけどそこで得られたものの大きさは計り知れません。だからこそ青山学院大に来てよかったと今は思います」

─勝利すること以外の気づきのあった4年間ですね。残すはインカレ、きっかけが手応えや形になるといいですね。

「そのとおりですね、頑張ります」

※インタビューは第21戦終了時に行いました。


新井翔太(あらい しょうた)
172cm/74kg/PG
実践学園高

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