【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】「チャンスは絶対に来る」信じて努力を重ねたピュアシューター/#7堀田尚秀(早稲田大・4年・SG)

2025関東リーグ

試合の幕開けを飾ることが多い堀田のスリーポイント。チームにとってはこのリーグ戦ではバロメーターの一つとなっている。ランキングではトップ争いをし、40%以上の確率を維持しているが、堀田に打たせるために周囲がボールを回して機会を作り、また堀田が決めることでマークが分散し、他の選手が動きやすくもなるといういい循環が生まれている。マークされて打てない時間帯もあるが、そんなときは「得意ではない」と言いつつディフェンスでなんとか貢献しようとする意識が見える。

2年時には関東の新人戦でスリーポイント王に輝き、そのシュート力の高さには定評があった。しかし同ポジション、またスリーポイントの上手い選手がチームに揃っている状況で、ここまではプレータイムを得られていない時期もあった。この春もベンチを温める時間は長かったが、メンバーが3×3の大会で不在の間にアピールできたことでリーグ戦は出番獲得につながった。「やることをしっかりやり続ける」ことで己を磨いた結果が、今大きく花開いている。「チャンスは絶対に来る」という堀田。しかしそれを掴み、結果につなげる地道な精神と努力があったからこそ、今の活躍がある。


自分がやってやろうという意識で打っている

─第19戦、2位東海大戦は優勝に近づくためにとても大事な一戦でしたが、試合開始から緊張しているふうでもなくいつも通りシュートが決まっていきました。

「あまり緊張するタイプではないのと、役割的にも自分が打つことでチームにとっていい循環が生まれるというか、仕事だと自分の中でも自覚しているので、思い切り打ちきろうということだけを考えていました」

─試合の序盤の堀田選手のシュートがチームの流れを作っていることが多いと思いますが、入れることはかなり意識していますか?

「いい意味でも悪い意味でも自分がやってやろうという意識は持ってやっていますね。それが気持ちよく入っている感じです。自分自身問題なくやれるぞとずっと思っていましたが、リーグ戦でここまで40%(19 戦終了時点)を超える確率でスリーポイントを打てているのはみんなのきっかけ作りのおかげです。キャッチ&シュートのスタイルは味方のアシストがないと生まれないシュートなので感謝しています」

─打つ形を作るためには、やはり長く一緒にプレーしている面々が多いのは大きいですね。

「下山(#0)や岩屋(#18)や堀(#5)もそうですけど、みんながコートを切ってくれて、収縮した中で自分が打つという形がうまくいっています。みんなが1人目のディフェンダーをしっかり抜いてくれているおかげです」

─しかも打てないときはディフェンスでも頑張っているのが印象的です。

「ディフェンスはあまり得意な部分ではないんですけどね。身体能力がなくてジャンプや走る速さというのは、多分大学の中でも多分ワーストになりますが、自分のシュートが入らないときは絶対あります。そんなときに守ることはしようという自覚が生まれたのが、結構大きなポイントだったかもしれません」

─副キャプテンということですが、そこでは何を意識していますか?

「先輩、後輩関係なく仲がいいのがチームとしていい雰囲気につながっていると思います。そんなにたいしたことは言わないんですが、練習の中で雰囲気がゆるくなってしまう部分はやはり多いので、そういう時には声かけとかを考えています。試合だと最初岩屋が出てない時間は自分が引っ張ろうという意識を持って、試合の中でも声かけは絶対するようにしています」

─練習がゆるくなっているっていうのはどういうときに起こるのでしょうか?

「あまり休みがない中で疲れもあるので、週の初めなどは気合いが入ってない部分はみんなどこかしらにあります。そういうことが多分2巡目の神奈川大戦の負け(第14戦)とかにつながったなと感じたので、特にあの日以降は、練習を締めるようには意識しています」


このスタイルでやり切ることをチーム全員が信じて貫いている

─このメンバーでやってきて、3年とか4年目になりますが、どこが良くなって今勝てていると思いますか?

「ふりきったという部分が一番大きいと思います。うちはサイズがないのでその分テンポを上げる部分にフォーカスして、かなりふりきったオフェンス重視のバスケットスタイルを確立できたのが大きいです。他チームには留学生がいるので、確実に2点を取るというよりは、僕たちが走ってしっかり全員がスリーポイントを打って、それがうまくはまって相手にビッグマンがいても追いつけないような速度で得点を取れているのが理由だと思います」

─早稲田大は過去3年もオフェンスが強みではあったと思いますが、今年ふりきったというのはこれまでとどう違うのでしょうか?

「これまではこうしたチームの方針を多分、みんなが完全に信頼できていなかったところがあったんだと思います。一昨年、2部に降格したときは監督やチーム内も含めてコミュニケーション不足というかズレが大きかったなと感じます。今年はどの方向に向いてもこのスタイルでやろうというのをチーム全員で貫いているのが、真の意味で一丸になれた理由だと思います」

─監督の倉石さんからはどのようなことを求められていますか?

「とにかくテンポを上げろということと、思い切りシュートを打てというところですね。ミスしてもいいから、外してもいいからいって。もしミスしてもしっかり戻るという単純なことですけど、そういう部分について多く話されています」

─そうやってチームがまとまれて勝っている今はどのような気持ちですか?

「嬉しいですが、1巡目はずっとびっくりが続いていました。でも自分たちでもやれるんだっていうのは証明できていると思いますし、1試合1試合重ねることに自信もついてきました。最初は『いや、優勝〜?』みたいに、絶対優勝しようというふうにはみんな自信を持って言えてはいなかったんですが、リーグ戦を重ねるごとに、本当に優勝しようという意識も芽生えていい感じでまとまっています」

─残りのシーズン、大学バスケも残り少なくなってきました。4年生としてどういうことをチームに残したいとか、後輩に伝えたいなと思っていますか。

「自分は4年間スタメンで出ることがほぼありませんでした。でも今はスタメンになって、堀や岩屋といった1年からスタメンで出ていたメンバーが逆にベンチからという状況になっています。自分が出られているという嬉しさもあるし同時にスタメンであるからには自分がやらなくてはいけないという緊張感にもつながっています。後輩たちには自分のように3年間あまり出られていない状態だったとしても、チャンスは絶対来るよということは伝えたいです。冷静に自分のやることをしっかりやりきれば結果はついてくると思います。そういう姿勢が大事だと言いたいです」

─堀田選手はシュート力の高さは文句ないと思うのですが、それでも出られない試合も結構ありましたね。

「このシーズンも春のトーナメントは0分の試合が多くて、どうしたらいいかと思っていました。でも3×3の大会で岩屋や堀が抜けたタイミングでの練習試合とかで自分の調子が良くて、それがきっかけになってリーグ戦の出番につながりました」

─チャンスが来たときに掴んで、力を発揮することも大切ですね。最後まで頑張ってください。

※インタビューは第19戦終了時に行いました。


堀田 尚秀(ほった なおひで)
184cm/70kg/SG
東山高

【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】「大きいのは共通認識があること」チームを支えるマルチプレイヤー/#6三浦健一(早稲田大・3年・F)

【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】「追われる中でも自分たちのバスケットを」首位独走も一戦一戦に危機感/#5堀 陽稀(早稲田大・4年・F)

タイトルとURLをコピーしました