チームのインサイドの要の一人として、下級生の頃から主力を担ってきた。新人戦の優勝をはじめ、アンダー代表にもたびたび名を連ねてきた今年を代表する選手の1人だ。チームを盛り上げるようなパフォーマンスも見どころの一つだった。
2年の夏に前十字靭帯断裂の怪我を負い復帰までには時間がかかったが、その裏ではやめるかどうかの迷いがあったという。しかしコンディションが戻ってきたという手応えを得た4年目のリーグ終盤戦では目立つ試合も多く、次はプロという更に高い壁に向かいさらなるチャレンジが続く。
この先はBリーグでも通用する選手へ、新たなステージに向けて
─ベスト8での敗退になりました。
「悔しいですし、最後は自分の力不足で負けたなっていうのをすごく感じました」
─2年前に膝の怪我があって、リハビリ期間も長かったので目一杯頑張れた4年間ではなかったと思います。最終学年となる今年のコンディション自体はどうだったのでしょうか?
「前十字の断裂からいろんな部分の筋力の不足が起こって、怪我が続いてずっと苦しんできました。でも今年のリーグ戦でやっと自分の体が安定したというのは感じました。そこからちょっとずつですが、やっと自分の100%に近づいてきたなという感じで、インカレでは何の不安もなく100%でやれていたと思います」

─リーグ戦のどのあたりからできているというか、コンディションが戻ってきたなという感覚だったのでしょう?
「リーグ戦では一度だけ歯を折って休んだんですが、それ以外は怪我なしで終われました。トレーニングは結構頑張っていたので、筋力が戻ってきたなという感覚もあって、リーグが終わる頃になってああ、コンディションも大丈夫なんだなと実感できたというところです」
─昨年の復帰後も痛みと戦っていましたしリハビリも苦しかったと思いますが、どういうふうに乗り越えましたか?
「正直、怪我をした時はバスケットをやめようという気持ちもあったんです。自分にとっては人生で初めての大怪我だったので。でも自分の家族が支えてくれました。チームメイトが励ましてくれたことはもちろん大きいんですが、何よりも家族の支えがあったおかげで復帰できたと思います。最後は自分の好きなバスケットを大学の最後までちゃんとやって終えられました。それは家族のおかげだと自分は思っています。やめないで続けなさいって言ってくれました。この次はもっと体を鍛えて、この先Bリーグでやっていけるように頑張っていきたいです」
─Bリーグのドラフトに志望されていますが、どんなプレイヤーになりたいと思っていますか?
「自分が目標にしていくのは吉井さん(現B1三遠)みたいなプレースタイルです。ハンドラーというよりは人を生かしながら自分もシュートを打っていくようなプレイヤーになりたいですね。そのほかにも吉井さんは泥臭くリバウンドやディフェンスをされる選手なので、そういうことができるプレーヤーを目指しています。Bリーグではもっと相手も強くなるので、外国籍選手を守れるようにする身体と、スリーポイントの確率やディフェンスの強度をもっと上げていくことで戦っていくことを目指します」
─次のチャレンジが成功するよう祈っています。頑張ってください。
「ありがとうございます」

田中 流嘉洲(たなか るーかす)
194cm/94kg
中部大第一高


