【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】誰にも負けない体力とスピードでゲームを引っ張る早稲田のエンジン/#0下山瑛司(早稲田大・3年・PG)

2025関東リーグ

攻守できっかけを生み出す司令塔・下山は豊富な運動量でオフェンスではボールを前へと進ませ、またディフェンスでは相手のパスに超反応してターンオーバーを奪う。交代は少なく主力が長時間プレーするのが早稲田大の戦い方だが、平均プレータイムは約38分で、チームのみならずリーグトップ。毎試合フル出場に近い形でコートを駆け続けている。体力は「試合が止まっている間に回復する」といい、驚くべきタフさだ。

主力全員がそれぞれに重要な役目を持っている早稲田大だが、同期の三浦も「あいつが要」という。それは長時間スピードを落とさず展開をリードすることで、得点を量産するチームの起点となり続けているからだ。しかも昨年よりもスピードアップを意識しているという部分が、早稲田の大量得点を支える理由の一つであることは間違いないだろう。


仲間を信じ、リラックスして試合に臨む

─リーグ終盤は2位の東海大戦を含め、優勝のためには残り試合がすごく大事な試合だったんですが、緊張はありましたか?

「緊張は全くないです。東海大戦の前日もすごく寝られたし、コンディションも良かったです。緊張することもないかなと。緊張するのも馬鹿らしいなと思っているので。周りの頼れる4人がいてくれるし、自分1人でやっている訳でもないので、そこは仲間を信じているのでぜんぜん緊張はしていません」

─本当に今年のメンバーは安定感があって素晴らしいですが、下山選手の運動量とスピードはチームの要ですね。下級生の頃から疲れたところを見たことがないですが、体力はいつからこんなに豊富だったのでしょうか。

「もともと走るのは好きで、短距離というより長距離が得意でした。小さい頃から外を走り回っていたというのもあるし、高校バスケでも走ってきたっていうのがあるので、体力は誰にも負けないかなと思っています」

─長距離はどのくらいの距離が得意だったんですか?

「中学の時は陸上部がなかったんですが、大会のときに集められるという感じだったんです。自分は足が早かったのでバスケをしながら陸上の方もやらせてもらっていました。市の陸上大会とか県の陸上大会とかで3000mの競技に出させてもらって、県大会には出られるくらいのところにはいました。ただ、県大会は怪我で出られなくて、結果を残せなかったんですけど。でもバスケと陸上の両方をやらせてもらった中学校の環境が自分にとっては良かったと思います」

─その体力は陸上の持久走が元にあるんですね。だから今も40分間試合しても、あまり疲れた様子がないのでしょうか。チームの他のメンバーも下山選手だけは疲れていないと言っていました。

「本当ですか(笑)。でもすぐ体力は戻りますね。一瞬疲れたなと思うことはあるにはあるんですけど、試合が止まった短い間に休んで戻るという感じです。そこだけは自信があります」

─すごいですね(笑)。春は岩屋選手(#18)がスタメンでベンチからという形でした。秋は逆に下山選手がスタメンです。

「倉石さんからも早い展開を意識してやれと言ってくれているので、自分が出たときは周りとしては多分きついと思うんですけど、自分のペースに合わせて速い展開でやっています。頼(岩屋)が出ている時間帯は、ゲームメーク力が自分よりあるし、得点力もあるので周りも落ち着いてできているなと感じます」

上下の垣根がなく、先輩の岩屋とも名前で呼び合う。

─下山選手がスタメンの理由はスタートからどんどん自分も周囲も走るためなんですね。後から岩屋選手が出てくるのは頼もしいですが、下山選手もシュートが悪いわけでもないので、何でもできる印象です。

「でもやっぱりシュートが入らない日は入りません。毎試合、1本、2本は外のシュートを必ず入れるガードというのは相手にとって脅威になるはずなので、そこを目指して頑張って行きたいなとは思っています」

─今年こうして勝てているのはどこが一番大きいと思いますか?

「大きく変わったところはやっぱり自分が引っ張っていくことで、スピードのある展開がさらに速くなっているところだと感じます。それが今の早稲田らしさっていうところではないかなと」

─去年までもスピードはあったように思いますが、確かにさらにテンポップしている感じもします。それは意識的に引き上げているんですね。

「周りが走ってくれるので、できていますね。自分としては自分のペースでやれるところがすごくやりやすいし、相手も多分、走りっこしているのは疲れると思います。うちはみんな体力があるので、そこが強みといえるのかもしれません」

─そうやってテンポアップした次に出てくるのが岩屋選手というのも相手には嫌でしょうね。

「自分の方はそこでちょっと一息つけるみたいなところあります。自分のあとに頼や城戸(#4)が控えていてくれるし、しっかりディフェンスをしてくれるので、そこの層の厚さも強さにつながっているのかな」


大学の授業で学んだ身体の使い方も活きている

─チームとしては2部に落ちたりうまくいかない年もあったわけですが、3年間やってきて自分の成長として実感できているところはありますか。

「大学1年と3年で1部を経験していますが、やはり一度2部を挟んで1部の試合で感じるのは、フィジカルのところで多少のぶつかり合いでは体幹のぶれがなくなってきているなというところです。体重も結構増やしたんですが、最大限に増やしたというよりは自分のスピードに耐えられる重さで、なおかつ当たり負けないように増量や筋トレをしています。そこがうまくマッチしていると思うし、試合でも感じる変わった部分です」

─中部第一から早稲田というのは過去になかったと思いますが、何が魅力でしたか?

「1部でプレーできるというところと、勉強も高校時代に頑張っていたのでスポーツに関して専門的なところで自分の体についても学びたいと思っていました。高校の監督にも早稲田はどうだと勧められて、自分としてもバスケと勉強を両方できるのはいいなと思ったのが進学の理由です」

─実際、早稲田大学で学んでみてどうですか?

「スポーツの実習とかで陸上とかもあるんですが、走り方とか体の使い方を学んだり、他にもバイオメカニクスとか、スポーツの中でもいろんな分野があって、それが学べているのは自分の体の使い方にもつながっていて、すごいいい知識になっていると思います。そういうのも掛け合わせながらやっていくことでレベルを上げていけている気がします」

─それは大学に来て学んでいる価値がありますね。バスケとしてはまだ残りのリーグ戦とインカレもありますが意気込みを。

「リーグ戦は残りを全部勝って早稲田らしさを出して、インカレ優勝に向けていい一歩を踏み出したいです。最後まで頑張っていきます」

※インタビューは第19戦終了時に行いました。


下山瑛司(しもやま えいじ)
168cm/64kg/PG
中部第一高

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