【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】目指すのはチーム全員での成功「4年生としての自覚を持ち、下級生に寄り添いたい」/#11久朗津 広野(東海大・4年・F)

2025関東リーグ

下級生主体でアグレッシブさが前面に出ている今季の東海大。16試合終了時点でリーグ2位につけている。
そんなチームをまとめるのは4年生の面々だ。Aチームに在籍する4年生は3名。最上級生として何をすべきかを考えながら己の役割を果たしていこうとしている。
最もコートに出る機会が多い久朗津は努力を重ねてAチームに上がってきた一人。リバウンドやディフェンスといった泥臭いプレーが目を引くが、名門の東海大で能力の高い面々に揉まれる中でプラスアルファを考えながら自身をレベルアップしてきた。こうした自身の成長とともに大事にしているのは、下級生たちに影響を与えるチームのメンター的役割についてだ。優勝という短期的な結果だけではなく、先の人生でこの東海大で学んだことが生きればそれも一つの結果。そんな風に捉えながら残りのシーズンにかける。


4年生としてさらなる自覚を持たなければならない

─今季のAチームは4年生が3名となっています。どのようにチームをまとめようと意識していますか?

「シーズン当初、4年生のミーティングで話し合ったのは、今年に試合メインで出るのは1、2、3年生が主体になるだろうと。そうした面々がプレーや発言をしやすい環境作りをしていこうと話していました。ただ、今はその部分があまりうまくいってないところもあると感じるので、そこをもう一度ちゃんと詰めていきたいなと考えています。我々は4年生としての自覚もしっかり出していかなければならないし、同時に来年度を担う3年生たちのサポートもしていかなければならない、そんな状況です」

─勝敗的には順調なようにも見えますが、うまくいかない部分とは?

「上級生としてプレーで見せることが足りていないのはありますね。昨年はJJさん(ハーパー・ジャン・ローレンスJr/現B1渋谷)とか陽成(西田/現B1滋賀)さんなど、プレーで4年生が引っ張ってくれていました。今年は安定的に試合出ているのは自分だけです。だったらその自分がもっと自覚を持っていくことも必要ですし、最後のインカレは4年生の3人がチームを引っ張ることが大切だと思っています」

─久朗津選手はベンチからの登場で確実に仕事をこなしている印象はあります。

「むしろそれしかできることがないので、その部分で仕事するのは当たり前です。東海大はレベルが高いので、任せられた仕事をするというだけだったら試合に出られないと思うので、そのプラスアルファの部分も考えてやっていかないといけません。Aチームに上がって3年目ですが、3年目としてしっかりやってきたもの、積み重ねてきたものを出していけるようにと思ってやっています」


プラスアルファがないと東海大のAチームにはいられない

─大学でも強豪の東海大でAでチームにいるということは大変なことですね。

「Aチームはすべてが平凡だったら入れない場所です。自分の得意なプレーを磨いた上で、そのプラスアルファが必要です。得意なプレーだけだったらBチームから上がれません。プラスアルファになることをしっかりと練習して、チームに何が必要か考えた上で必要な努力を積み重ね続ければ、Aチームに上がることもできるでしょうし、そこで試合にちょっと絡むこともできます。それはすごく大切なことなので、みんなにもよく言っている部分です」

─久朗津選手は何が得意で、さらに何をプラスしたのでしょうか?

「最初はドライブが得意だなと思って入ってきたんですけど、いざやってみると東海大だと通用しませんでした。そこでもともと結構得意だったリバウンドのところに集中して、Bチームの時にリバウンドをずっとやって、ゴール下で決めきるとか、そういうことを突き詰めていたら陸川さんに認めていただきました。でもいざAチームに上がるとリバウンドは取れてもボール運びは通用しませんでした。なのでボール運びもできるようにと練習を積み重ねました。ほかにもドライブのところでフィジカルで負けないとか、バスケット的な部分で何を求められているのかとか、ボール回しやスクリーン、さまざまな知識をプラスしながら今どういう動きを選択すべきかということを判断することも学びました。対戦相手には自分がクローザーではないと思われている部分もあったので、それができるようにというのも練習してきています」

─いかに努力が必要かというのが伝わります。東海大札幌高校出身ですが、やはり本家というか、札幌ではなくここ神奈川の東海大でバスケットをすることは目標にしていたのでしょうか?

「中学校の時から見ていた大学でもありますから。でも高校に行った時はここでやることは想像できていなかったです。高校で東海大に志望を出したときに、監督に『お前はしっかり揉まれてやったほうが成長すると思う』とも言われました。最初はBチームからでしたけど、そこでしっかり上を目指して自分のやるべきことだけにフォーカスしていったら、Aチームに上がれました」

2年次のWUBSでは国際試合にも出場。高麗大との対戦でリバウンドをもぎ取る。

すぐに結果につながらなくても、仲間に寄り添う

─本当に努力の結果なんですね。今は東海大の付属校出身の選手が増えていますが、皆に頑張りが伝わっているといいですね。
そしてシーズンとしてはもうほぼ終盤、4年間の集大成といえる段階に入っていきます。下級生に残したいと思っているものはなんですか?

「自分個人としてはもう少しプレーで引っ張っていくのと、3年生の琉維(#2轟)やルーニー(#10)なんかにはまだまだ成長してもらいたいですね。プレーだけではなく日常生活の部分も含めてもう一段階成長することで、メンタリティや勝負強さがさらに身につきます。そうすれば対戦相手の4年生の圧力にも耐えられるようになると思うし、そのサポートをしたいです」

─そこはコートで選手個々のプレーを見るだけではわからない、常に一緒に過ごす4年生ならではの視点です。乗り越えて欲しい壁があるんですね。

「あとはA・B両方の4年生の人間性というか、考え方という部分にしっかり寄り添って、A・B両方でしっかり成功できるようにやっていきたいなと思っています。優勝などの目標を達成するのは確かにベストなんですけど、結果的に大人になったときに選手おのおのが確かな成功を手にできるような寄り添い方というのでしょうか。今すぐに結果が見えないものなので、いつかわかればいいという考え方でもあるんですが。これは陸川さんからの教えでもあります」

─陸川さんもよくおっしゃっていることですよね。

「陸川さんに教わった時間も長いですから。でも陸さんだけではなく、先輩に教わったことでもあります。自分でも確かにそうだなと思うので、最近はマインドを下級生にフォーカスすることも増えました。そうやって学生バスケットとして必要なことをやっていきたいと思います」

ゴール下で奮闘する姿はずっと変わらない。

※インタビューは第10戦終了時に行いました。


久朗津 広野(くろつ こうや)
191cm/91kg/F
東海大札幌高

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