【2025関東入れ替え戦/REPORT】国士舘大が筑波大を破り2022年以来の1部復帰を決める/第3戦(2025.11.6)

2025関東リーグ
国士舘大が1部昇格で歓喜に沸いた。

入れ替え戦3日目、1〜3部のうち唯一3戦目にもつれ込んだ1部入れ替え戦、筑波大国士舘大戦は多くの応援団や観客が見守る中で熱戦が展開され、国士舘大が勝利。2勝1敗で1部昇格を決めた。

国士舘大は2022年の入れ替え戦で降格が決まり、2023年は入れ替え戦で敗退。2年ぶりに掴んだチャンスをものにした。筑波大は2008年以来の2部となった。

【1部入れ替え戦】(確定)
国士舘大学  1部昇格
筑波大学   2部降格

立ち上がりから勢いが勝った国士舘大が3戦目を制し1部昇格

勝った方が1部という筑波大国士館大の3戦目。ゲームは国士館大が優位に進めた。

国士館大は#15ボンゴ(4年・PF)のスリーポイントで幕を開け、筑波大は#1福田(4年・F)の得点で追い付く。国士館大は#88比嘉(3年・PG)が早々に2ファウルとなりベンチへ下がるが、筑波大も同様に早い段階からファウルが溜まっていく。国士館大は#35中村(4年・PF)のスリーポイントが決まりリズムが出てくるとディフェンスでも奮闘。#88比嘉に交代した#36岡村(3年・SG)がディフェンスで筑波大のガード起点の攻撃を消し、シュートもねじ込み6-17。

国士舘大は#35中村をはじめここぞというとことでスリーポイントが決まった。

2Q、筑波大は#2森田(2年・PF)のスリーポイントが決まるが、国士館大は#15ボンゴの高さが生きてゴール下で優位な展開が続き、#35中村のバスケットカウントも決まった。筑波大は#5岡川(4年・C)がオフェンスリバウンドからゴール下を決めてチームを盛り上げるが、全体では得点は伸びず我慢の展開は続く。国士館大も10点以上のリードには簡単にはならず前半は22-33。

3Q、国士館大は前半ファウルトラブルだった#88比嘉が乗ってきてスリーポイント、ジャンパーを決める。筑波大は#13岩下(4年・PG)がようやくスリーポイントを決めるがその後は内外ともシュートを阻まれて追い上げることができない。国士館大は#35中村、#11宮本(4年・PG)のスリーポイントでつなぎ35-48。

大学でも二度目の前十字断裂という大怪我に泣き、このリーグ戦中も骨折から短期間で復帰を遂げて奮闘した筑波大#13岩下。
怪我に泣いた4年間だった。

4Q、筑波大はシュートが決められない。焦りからかボールの細かな処理でミスが続き、ディフェンスにも阻まれターンオーバーが続いた。国士館大は10点からじわじわ差を広げると最後にはベンチの4年生をコートに送り出し、#52堀(4年・PF)が見事にレイアップを決めると大歓声が上がった。最終スコアは50-67。国士舘大が2022年以来の1部昇格を決めた。

国士舘大の気持ちが勝った。2戦目の敗因はリバウンドという部分を修正し、さらには#15ボンゴや#11宮本、#35中村など4年生が得点を牽引。夏の間はひたすら強化してきたというディフェンスでは筑波大の攻撃をことごとく防いでロースコアゲームを制した。4年生が1年生のときチームは2部に落ち、翌年は入れ替え戦で敗退した。昨年は2部リーグ9位に低迷するも今季2位で再びチャンスを得た。あきらめずに挑んできた末に掴んだ1部への切符だった。

最後は4年生たちがコートでタイムアップを迎えた。

筑波大は2戦目のような強さを出せないというよりは出させてもらえなかった。チャンスを得ながらもミスをしたのは焦りだけではなく、国士舘大のディフェンスプレッシャーの強さも影響している。打開のために個での動きが多くなり、チームで対応した国士舘大との差が出てしまった。

チームとしてはここでシーズン終了となるが、どんなチームにも浮き沈みはある。あきらめずにやり続けることで再びの活路を開きたい。


【PLAYERS INTERVIEW】「4年生が見せようとやってきた」チームがまとまるために追求した4年生としての姿勢/#11宮本龍世(国士舘大・4年・PG)

主将としてアグレッシブなプレーで前半からチームをもり立てた。昨年は前年度の主力が抜け、若いメンバー主体のチームで苦戦。そこから奮起して今季の4年生が中心となって、チームがまとまり、背中を見せることで下級生を引っ張ってきた。次はインカレで下から旋風を巻き起こせるかにも注目だ。

─1部昇格おめでとうございます。今のお気持ちは。

「率直にもうめちゃくちゃ嬉しいです」

─1勝1敗になって3戦目というところで、どの辺を反省してきました。

「昨日の敗戦は本当にディフェンスリバウンドのところが取れなくて、敗因が相手のセカンドチャンスからのスリーポイントでした。今日は本当にディフェンスリバンドところだけはやろうと、相手はサイズもあって力もすごいので、リバウンドで圧倒すれば絶対にゲーム1のときみたいに勝てるっていうのを、監督の松島さんからも言われました。そのとおりにリバウンドのところだけ徹底して頑張って、みんながやってくれたので勝ったと思います」

─昨シーズンは予想外に成績が悪くて(2部9位)、どのような課題があったのでしょうか。

「一昨年に入れ替え戦で負けてしまって、1部に昇格できませんでした。次の代は主力の4年生が1人で、頑張ってくださっていたんですけど、やはり4年生が少ないことでチームがまとまりきれませんでした。それを経験したからこそ、今年の4年生はチームを引っ張る意識が強くありました。今季は自分も含め、中村(#35)もジロン(#15ボンゴ)も4年生が結構試合に絡むことが多く、チームを1部に上げてインカレに行こうと4年生がしっかりまとめてきました。多分、4年生が本当にまとまったおかげで2部でも接戦やビッグゲームに何度も勝ってもこられました。4年生が本当に成長したことが大きいです」

─今年もリーグ序盤は少し負けていましたが、後半にぐんぐん順位を上げてきました。

「最初は拓殖大に負けて、江戸川大に負けてと敗戦から始まったんですけど、よくバックしたと思います」

─調子が上がったきっかけは何だったのでしょうか?

「リーグ戦中、4年生がしっかりしようと言っているにもかかわらず、その4年生がだめなところを態度やプレーに出してしまったりすることがありました。だから何回も4年生だけでミーティングをして、4年生が一番声を出すとか、試合ではミスをしたやつが一番最初に戻るとか、4年生が背中で見せようよと言ってきたんです。2巡目からはそれを体現していて、10勝1敗で2位まで上がることができました」

─4年生が頑張ってきたことが伝わります。この3戦でも4年生がしっかり活躍して、さらにそこに3年生、2年生がすごく頑張るという、全体で頑張れる姿が印象的でした。

「まずは4年生が見せないと後輩たちも頑張ってくれないと思うので、それを4年生が体現してくれたかなと思います」

─そして、インカレに出られますね。

「本当にもうこの勢いで予選(グループリーグ)を通過して、メインコートで勝ちたいなと思います。決勝はここ(大田区)なら、今日勝ったし縁起もいいですね。去年2部にた早稲田が1部優勝しましたが、自分たちも昨年彼らと戦えていたんだからやれるという気持ちがあります。松島さんも頑張ってくれているので、自分たちもその波に乗って頑張りたいと思います」

昇格を決め、松島監督と抱き合った。
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