【2025関東リーグ戦1部/PLAYERS INTERVIEW】プレーはもちろん、それ以外でも必要な役割を考えてきた4年間/#14高田和幸(早稲田大・4年・SG)

2025関東リーグ

リーグ戦ではスタメン、かつゲームキャプテンを務めた。チームの強みでもあるスリーポイントを持ち味とするが、それ以外でもその場に応じてオフェンス、ディフェンスで柔軟な立ち位置で試合の中で動いていた。

能力が高い選手が揃っているだけではチームは成立せず、チームスポーツだからこそ選手、スタッフ、上級生、下級生のすべてがまとまり、コート内外で一つの方向を向いていかなければならない。そしてそれをまとめる4年生の力こそが学生スポーツでは重要だ。高田の話からは4年生が時間をかけてそうしたことを学び、ここまで成長してきた様子がうかがえる。この取り組みの先には学生が最大の目標とするインカレがある。そこでどのような締めくくりを迎えるのか、ラストまで見逃せない。


チームにどう貢献できるかを考えながらやっていた

─優勝おめでとうございます。今のお気持ちは。

「ここ数試合のプレーとしてはあまり貢献できなかったんですけど、それ以外の部分でチームを引っ張る意識を持ってこういう結果に結びついてくれたので、本当に嬉しいです」

優勝の瞬間、満面の笑顔に。

─優勝決定の明治大戦は複数人がファウルトラブルであわやという状況でしたが、三浦選手(#6)がファウルアウトになり高田選手がカバーする形になりました。

「3人がファウル4つで誰かに退場が出たら僕だなとは思っていたので準備をしていました。オフェンスのファーストオプションは他にもいるので、ディフェンスでとにかく頑張ろうと。明治大の針間(#5)が厄介で、そこをあまり止められた実感はなかったですけど、強くいく意識を見せてチームが盛り上がってくれたらなという感じでした」

─針間選手も30点オーバーの奮闘でしたからね。でもそういう意味では高田選手はスタメンでもありますが、いざというとき支えてくれるロールプレーヤーという印象もあります。

「高校の頃からあまり主力で出るようなことはなかったので、自分が試合に出るために何が必要かっていうのを考えながら高校も大学もバスケをしてきました。大学に来ると星川さん(現B1長崎)だったり、それこそ岩屋(#18)や堀(#5)がチームを引っ張ってくれるので、そこじゃない部分でどれだけ貢献できるかっていうのはずっと考えながらやってきています。その一つがディエンスだったりファウルの使い方であったり、チームにどう声かけをするかだったりというところでした。それがやっと4年生の今になっていい形で導き出されたかなと感じています」


人間力が磨かれ、同期の全員がチームをまとめる姿勢を持てた

─ここまでやってきて、大学バスケのステージはどんな場所だなと感じますか?

「高校と違って自主性が重んじられる場所ですね。うちの大学は上から強く言われるというよりも、選手が考えてやる傾向が強くて、特に去年と今年はそこがより強くなっていました。そんな中で4年生としてチームをまとめる姿勢が同期のみんなに強くあったから、去年の1部昇格と今年のリーグ優勝という結果を残せたと思っています。やはり早稲田らしいというか、しっかり考えて行動できる人間が多くいると思っているので、そういうところですごく人間力が磨かれるのが大学バスケだなと感じています。1年の頃なんかはうまくいかなかったですが、この学年は本当に能力の高い選手が集まっていたこともよかったです」

─確かにシュートが上手くて能力は高いものの、リーグでは勝てない時期もありました。当時は下級生だったこともあると思いますが、何が課題だったと思っていますか?

「本当に若いという部分そのものです。考え方が幼かったですね。僕と堀田(#7)はどちらかというと自分にそこまで自信がないからこそ、ダメだったら何がいけないのかを反省していくタイプ。岩屋や堀(#5)は下級生の頃は自分が良かったらいいし、ダメな時はチームに対しての姿勢があまり良くないみたいな。1、2年生の頃はそんなところが課題でした」

─下級生だとまだ周りもなかなか見えにくい時期です。全員が同じ方向を向くのが難しかったんですね。今はどう変わりましたか?

「学年が上がるごとにそういった課題に対してみんなすごく自覚を持つようになりました。岩屋もキャプテンとしてプレー以外でもすごく引っ張ってくれるようになったし、本当に下級生の頃から試合に出ていたこの4人がそういう姿勢を見せることによって、今の下級生もついてきてくれている実感が今はあります。だからこそ4年間の集大成として、優勝という結果が出たかなと思います」

─そういう成長が実感できるのは学生バスケらしさといえますね。今の主力の特徴としては洛南や東山といった京都の高校出身の選手が多いですね。高田選手は洛南ですが、洛南のバスケの基本が通じ合うところは早稲田でも活かされているのでしょうか?

「洛南出身は4人いますし東山の2人もバスケIQが高いので、やりたいことを言わなくても共有できています。チームで決めごとは一切なくて、いろんな攻め方をその時、その時で判断してやっていて、何をしてくるかわからないし、それが相手からしても止めづらいところかもしれません。上級生の僕ら4人と三浦(#6・洛南)と下山(#0・中部第一)、城戸(#4・福岡第一)に関してはもうずっと一緒にやってきて、今年はここに洛南から松本(#12)が入ってきてくれました。彼が違和感なく活躍してくれているのは、やはりやっているバスケのベースが同じだからこそマッチしているんだろうというのは感じますね」

─大学バスケ自体は残り少なくなってきましたが、後輩やチームに残したいところは?

「僕らは4人が一気に抜けるので、今の下級生には試合でもっと経験させてあげたかったところですが、プレー以外のところでいうと、チームを支える姿勢は下級生の頃からどんどん見せていってほしいと思います。残りの1ヶ月でそういうことを1、2年生に、3年生には次の4年生としての振る舞い方や考え方っていうのをちゃんと伝えていきたいです」

─そして最後の舞台としてインカレがあります。

「インカレはシードから始まるので、予選から上がってきたチームといきなり試合をするという、今まで経験したことがない難しさがあると思います。でもここでのリーグ優勝だけに終わらずに、1ヶ月でインカレに調子を合わせて、スタートから早稲田らしいバスケを展開してインカレで優勝という結果を出したいと思います」

※インタビューは第20戦終了時に行いました。


高田和幸(たかだ かずゆき)
183cm/76kg/SG
洛南高


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