3年目となる今季、リーグ戦では奮闘が目立っていた。
中学でバスケットをはじめ、数百のチームがひしめく高校では東京都ではベスト16に食い込んだ。大東文化大では1年時より試合に絡んできたが、力強いプレーとチームを乗せるキャラクラーで目立つ存在だ。今年は3×3のアンダー代表にも選ばれ、そこで受けた刺激や課題感をもとにさらにレベルアップを目指している。
今年の結果を求めるのはもちろん、来季はチームを引っ張る最上級生になる。将来のことも考えながら今は一歩一歩前に進んでいる。
3×3の経験で見つけた課題に励み、リーグ戦で実践
─リーグ戦は序盤から接戦もありつつ勝ちきれない試合が続いていました。
「クロスゲームに競り勝てない試合が多くて、それは自分たちの試合の入りだったり、ターンオーバーだったり、いろいろ修正しなくてはいけないところがありました。そんな状態だった序盤は、8戦目の日本体育大戦で格上の相手でしたが修正した結果が勝利につながった試合でした(92-82)。キャプテンの塚本さん(#3)がいない中でやることをやって勝てたなという達成感を感じた試合にもなっています」
─負けが続いていたときの修正点は大きくどういったところだったのでしょうか?
「オフェンスだったらドライブをしても無理にシュートにいかないでパスをさばくだったり、最初に点数をポンポン取られて、相手の流れから始まってしまったりという場面が多々ありました。そういうところを練習で取り組んだりして直せたかなと思います。日体大戦はみんな自信を持ってシュートをしようと思っていたし、それもすごく良かったのかなと思います。本当に全員のシュートが気持ちよくって入ったから、全員で勝った、全員でつかんだ勝利だと思います」

─タホリ選手はこのリーグ戦では春よりぐっと存在感が増していますね。
「3年目になって西尾さんにも信頼されてきている部分があると思うので、自分も応えなきゃいけないなと思っていますし、勝たせてもらう側から勝たせる側に立場が回ってきているという実感もあります。いろんな要因がありますけども、一番大きいのは3×3(※)の代表になったことです。3×3だと自分がボールを持つ時間が長く、自分でやらないといけないということがたくさんありました。そのおかげで自分の課題も多く見つかりましたし、その改善について練習で取り組んだことで、自分のなか存在感が出るようになったと思います」
※U21日本代表としてFIBA3x3 ユース・ネーションズリーグ2025-U21-(アジア・パシフィック)に参加し、準優勝。バラダランタホリ選手は15試合で80点のスコアを記録した。
─3×3を経験して見えた課題はどのようなところでしたか?
「自分より大きい相手に対してのシュートのフィニッシュだったり、ファウルのもらい方だったり、一番大きいのは、去年まではほとんど打たなかったスリーポイントを練習で多く取り組んだことです。自信を持って打てるようになったのは、そういうところが大きいですね」

─プレーへの気持ちや幅も広がったというところで、代表に選ばれてよかったですね。
「本当にそう思います」
─また、大東文化大としてはインサイドでも役割が大きいと思いますが、いかがですか?
「確かにそこはかなり意識しています。でもインサイド以外もできないといけないので、そこばかり意識をしてもなと思いながらやってもいます」
─それは将来のことも考えてですか?
「それもありますね。あと1年西尾さんの下で練習して力をつけたいし、プロを目指すとしてもBリーグもあれば3×3の選択肢もあると思うので、いろんな可能性を考えながらやっていこうと思っています」
大東文化大に来て、本当に多くのことを学べている
─出身校の豊島学院はディフェンスを大事にするチームで、この夏は都大会ベスト8に入っていますね。高校時代からディフェンスは意識していたのでしょうか?
「僕のときはベスト16が最高でした。自分は中学生でバスケットをはじめて、中学時代はスキルを教えてもらえるところに行ったり、母が元実業団の選手だったので教えてもらったりしていました。そこから高校に入って、まだスキル的にはめちゃめちゃな状態から自分のベースとなるものを恩師に作ってもらいました。高校時代のディフェンスに関してはどうかな…今の現役の方が頑張っているんじゃないかと思います」
─ディフェンスのチーム出身だから、大学もディフェンスのいい大東文化大を選んだのかと思いました。
「それもありますが、留学生がいるところでプレーしたかったのも理由の一つです。他にもいろんなところから声をかけていただきましたけど、自分の学びたいものに合致しているなと思いました」

─大東文化大に来てどんなところが良かったと思っていますか?
「ディフェンスから走ったりするバスケット面はもちろん、自分が1年の時などは菊地さん(現B1北海道)、ジャヘルさん(現B1川崎)、バット(バトゥマニ クリバリ)など、今のBリーグで活躍している方も含めていろいろな方がいて、学ぶことが多かったです。自分も1年生から試合に出させてもらって、そこでたくさんのことを吸収できたと実感しています。また、西尾さんの存在も大きくて、練習も細かいところまで教えてくれていますが、そういった指導を受けられて大東に来て本当に良かったなと思っています」
─チームとしては下級生も才能ある選手が多く、新しいスタッフも加わってまた少し新しい雰囲気が出てきていますね。ベンチで常に声を出している選手もいるし、活気を感じます。
「本当にそうだし、どんどん雰囲気も変わってきています。そんな中でゲームに出させてもらっていますが、来年4年生となったときは、責任も自分たちにかかってきます。今年のチームは残りわずかですが、今のうちに4年生の脛をかじりながらというと言い方は悪いけど、先輩たちがいることに安心して、自分がやってみたいと思うことに思いきり挑戦してみようと思っています」

※インタビューは第8戦終了時に行いました。
バラダランタホリ玲依(ばらだらんたほり れい)
195cm/108kg/C
豊島学院高


