しっかりした試合を、と臨んだインカレで京都産業大相手に一時リード
試合の中盤から面白いように静岡産業大のゾーンがハマり、
何度も京都産業大からターンオーバーを奪うことに成功した。
24-11という１クォーターのビハインドから一転、
２クォーターはディフェンスから29得点もの猛攻を見せて逆転。
３クォーターまでは接戦となり食らいついた。
普段から突き詰めてきたというゾーンが、
十分通用するものだと、インカレの舞台で証明する展開だった。
主将の＃２石部（４年・PG）も
自分たちのバスケットで相手を脅かすことができたことには
悔しいながらも晴れ晴れとした顔も見せた。
― 試合を振り返っていかがですか。
「去年は近畿大相手に全然試合にならなかったので、今年はまずしっかりゲームをしたいな、ということを考えていました。入りは良くなかったんですが、2クォーター目から立て直すことができて、前半リードすることができました。でもそういうゲームだっただけに、やっぱり悔しいです。前半自分が活躍できたのは良かったですけど、後半は思うように点数が取れなかったりしたので、後半自分がそこで活躍できていれば、勝てるゲームをできたかなと思います」
― ゾーンはかなり効き目があったかと思います。
「ゾーンはいつも使っていて、チームとしても伝統的な感じですね。今の４年生は２年生くらいから主力として試合に出ていたので、３年間ぐらいやり慣れていたし、練習もかなりしたので、それではまったんだと思います」
― 今日は水谷選手（＃３）のシュートもかなりよかったですね。
「いつもとても頼りにしています。大学に入るまでこういう選手とやったことがありませんでした。自分はパスが得意なので、彼のような選手がいてくれて本当に楽しかったです」
― 2年連続の出場となりましたが、インカレという舞台を体験してどうでしたか。
「去年は観客が入れなくて、静かな会場だったんですが、今年は観客がOKで応援もかなり来てくれたので、会場の雰囲気も作ってくれて、とてもやりやすく楽しくできました。やっぱり観客がいると全然違いますね。いいプレーをした時に盛り上がるので、そこがとても嬉しいです」
限られた環境でも、できることをコツコツと
今季は夏の間に十分な練習が積めなかったチームが多いが、
静岡産業大もそれは同様だ。
体育館は夜のみの使用となり、昼間は別の形で
力をつけることに集中してきた。
そんな状況でも、またそんな状況だからこそ得られたものは
次世代の財産にもなっていくにに違いない。
― 地方大でのバスケの大変さは。
「うちは名門というところから選手が来るチームではないので、環境が整っているとはいえません。でもその分、効率重視でやっています。今年は大学の体育館がワクチン接種会場にもなって、使える時間がかなり限られてしまいました。その分トレーニングをやったり、 ビデオを見てバスケIQを磨いたりしていこうとしてきました。練習はなかなかできなかったんですけれども、そういう部分では成長できたし良かったかなと思います」
― 今年のチームはどんなチームでしたか。また、後輩に向けては。
「小さいのでとにかくディフェンスを頑張って走って、速攻を出すというのを、今年の目標 としてやりはじめました。そこでもどんどんスリーを狙っていって、それがもう少し決まれば今日はもうちょっといいゲームになったのかなと思います。でも自分たちがやりたいことはでもできたのかなと思います。自分たちがずっと主力で出ていた分、下級生たちはあまり試合に絡めていません。でも個々で力のある選手が自分たちの代よりも多いと思うので、努力してもらうしかないですね。頑張ってもらいたいです」
― 大学の４年間はどんな４年間でしたか？
「自分は地元の大学でプレーすることができました。大学ではプレイヤーを辞めて学生コーチをやろうかと思っていたんですが、松角監督に誘ってもらい、選手として続けてきました。でもやるからにはこういういい舞台でプレーしたいなと思っていたので、４年間このインカレを目指して頑張れました。自分たちは大きな選手もいないので戦術も駆使しないといけないし、その分得られたものも多いと思います。かなりバスケットを学べた4年間でした」
