【2022関東リーグ1部】「4年生としてあるべき姿を見せるのみ」課題の多かったシーズン、もがきながらも目指すはチーム一丸/#7浅井修伍(筑波大・4年・PF)

2022関東リーグ

1年間意識してきたのは、4年生としてやるべきことをやるということ

15勝11敗、6位でリーグ戦を終えた筑波大。今大会では試行錯誤が続いた。#2木林(3年・PF)や#11横地(3年・SF)が順次復帰してきたが、チームとしては彼らを組み込んで十分練習をする時間がなく、リーグ戦はスタメンを入れ替えながらさまざまな可能性を試す2ヶ月半となった。しかしそんな状態でも勝っていかなければならないのがリーグ戦だ。前半戦は黒星先行に苦しみつつ、少しずつギアを上げていくような試合が続いた。

そんな中、#7浅井修伍(4年・PF)の奮闘が目立った。196cmのサイズを活かしたインサイド、柔らかいタッチのアウトサイド、そして本人がフォーカスしなければ、と春から語っていたディフェンスで貢献し、リバウンドに絡んでチームを支えた。

「今年は最上級生です。だからこそ自分が折れてはいけないと強く肝に銘じています。プレータイムも長いので、そこで引っ張らないといけません」

春にはそうした覚悟を語ったが、苦戦が続く秋も、苦しいときにも泥臭い浅井のプレーが何度もチームに活力を与えていた。リーグ戦で話を聞いたときも、春と返答内容は変わらなかった。

「今も何か特別に意識しているというよりは、4年生としてあるべき姿を見せようというだけです。得点は取っていますが、それより他の部分で見せられたらいいなと思っていて、それが頑張っているように見えるのかな、という感覚です。ただ、自分がやるべきことをこの先もやり続けていくだけだと思います」

浅井は春からさまざまな課題がある中で、4年生としてあるべき姿を見せよう、そんな意識で挑んでいた。特にチーム課題として春から顕著だったのが、リバウンドだ。今は強力な留学生が1部に多数在籍している。筑波大は全体的に大きなチームとはいえ、リバウンド確保は簡単ではない試合が続いている。春シーズンは特にそこがウイークポイントとなり、「昨年はリバウンドで半澤さん(B1三遠)や宗一郎さん(井上・B1渋谷)がいてくれましたが、今年はその穴が想像以上に大きい」と、先輩たちの偉大さを噛み締めていた。秋ももちろん、リバウンドは重要課題だった。

「リバウンドに関しては意識的に取り組んでいます。木林や間山(#19)が留学生を抑えてくれますが、やはり負けてしまう部分もあります。だから周囲のカバーは必要です。それができていないとうちのチームが勝つことはできないと思うので、チーム全体でも注力しているところです。でもまだ気が抜けているところもあるし、100%ではないですね。いいときはできるけど、悪いときはできない。その部分をもっと詰めていって、どんなときでもリバウンドに絡み、ボールを取っていかなければ。“誰か”ではなく“チーム全体”でやっていかないといけないことです」

インカレ優勝を知る最後の世代として、後輩たちに財産を残せるか

まだ不安定な部分は感じられるが、リーグ中盤から後半にかけ、絶対に負けてはならない中央大や日本体育大、そして2位となった専修大といったチームを倒していく姿に、ようやく勝つ形が見えてきた。とはいえ、終盤戦では優勝した白鷗大に完敗するなど、越えなければならない壁はまだ高い。

「自分たちより格上のチームに勝てなくて、みんながどうしたらいいのだろうという状況に陥った時間が続きました。後半戦になっていろいろと試しながら試合をこなし、だんだんと自分たちがやるべきことができてきているのかなと思います。格上に勝つには自分たちのやりたいことをどれだけやれるかがすべて。実際、リーグ戦では格上のチームに勝てそうな展開の試合もあったのに、自分たちから崩れて負けてしまった試合が多いんです。だから次は、流れをどう自分たちに持ってこられるか、またそれを継続していくかということの追求が必要です」

大学バスケでチームを形づくるのは4年生だ。今年の4年生について尋ねると、「誰が」というチームではないのが、今年の4年生だという。

「自分たちの代は、もちろんみんな上手いですが、誰かがすごく目立つエースであるとか、そういう存在はいません。だからこそチームでやらないといけないんです。今年のチームの理念は“UNITE”。統一とか団結というような意味ですが、4年生たちは1つの塊にならないといけない、そうなろうという話をしています」

その重要性を4年生たちはよく知っている。この代は1年時にインカレの優勝を経験した。そのときチームを牽引した主将の牧(現B1琉球)、増田(現B1川崎)も、リーグ戦中は苦戦し(5位)、さまざまに悩んだ末のインカレ制覇だった。

「増田さんたちの代を知っていて、優勝という景色を見ているのは、唯一自分たちの代です。彼らも苦しい中で最後はインカレ優勝という結果を残しました。それはすごいことです。だからチームを作るときも彼らの代がどうだったか意識し、参考にしてきました。そして自分たちも最後に、後輩たちにインカレ優勝という結果を残してあげたい。そんなふうに考えてやっています」

3年前、インカレまでの間は「4年生の目の色が違った」ことを、浅井は忘れていない。

「4年生がいかに大事かというのは、自分たちが一番よくわかっています。だからこそ残りの期間は全力で取り組むつもりです」

やるべきことはわかっている。あとは、そこに向かって全力疾走するのみだ。

#7浅井 修伍(あさい しゅうご)/4年/PF/196cm/83kg/福大大濠
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