昨年度、鮮烈なデビューを果たし、日本大のゴール下の守護神として活躍している#12コンゴロー(2年・C)。リーグ戦全26試合に出場し、得点王とリバウンド王のダブル受賞を果たした。
昨年はチームとしてリーグ2位、今年度は上位に差がない中、最終的に5位でリーグを終えた。優勝候補の一角だったが、リーグ戦は苦難の中で進んだ。1巡目にチームに怪我人が相次ぎ、多い日には本来のメンバーの半分近くが欠場しながらの試合が続いた。しかしそれでも前半は最終戦12節まで1位の座を長く保って奮闘。その一因は、彼のパフォーマンスに拠るところが大きい。最終的にはリーグ最終盤での負けが響いての5位だが、出来得る限りの奮闘で食らいついたことは間違いない。
欠場者が相次ぐ中で全試合に出場したコンゴローは、自分の存在意義をよく理解していた。
「自分はチームの中でも一番身長が高く、パワーがあります。いろんなメンバーが怪我で抜けている中でも、自分は自分の仕事をして、チームを助けないといけないと思っていて、そこで1巡目は頑張りました。2巡目はいろいろなチームがリベンジをしてくるような状態で、どこも強くなっています。まだ怪我人もいるし、だからこそ自分がチームのために頑張らないといけない。厳しさを感じつつもやっています」
リーグ戦の感触を聞くと長い戦いのハードさが伝わってくる。コンゴロー自身、コンディションが完全ではなさそうな試合もあったが、欠場することはなかった。自身がチームの柱として、戦い続けようとする意志がそこにはあった。ただし、14チームの2巡総当り、合計26試合というリーグ戦は、昨年11試合しかなかった状況とはまるで違う。さらに今年は2年生の主力にとっては過酷なシーズンでもある。
「自分は2年生ですが、この学年は3月からたくさんの大会があって(3月の新人戦・5月のトーナメント・6月の新人戦・7月の新人インカレ)、プレータイムも長くて、そこには厳しさがあります。でもそれを乗り越えて頑張らないといけないと感じています」
今季はコロナ禍で延期になった2021年の新人戦が3月に行われて以降、ほぼ休みなく公式戦が続き、日本大はことごとく上位に食い込んできたが、その分こなした試合数はかなり多い。コロナ禍でまったく試合ができなかった時期に比べたら幸せではあるが、ハードな日程を乗り越えていく、タフな身体と精神力が求められるシーズンになっている。
また、日本大にとってはこの秋はチーム状況もこれまでと異なる。エースガードの#3米須(2年・PG)が7月の新人インカレで負傷し、今季はもう出場することができない。日本大は彼のコントロールによって大きな変化を遂げたチームだったが、米須がいない今はポイントガードらしいポイントガードがいない中で戦っている。
「パスの能力が高い米須がいないので、以前のように走って、ゴールして、というプレーは難しくなっています。でも自分がゴール下とリバウンドを頑張って、それを続けていけば自分たちのプレーができるのかなとも思っています。怪我人がたくさん出て、その中でもここまで勝ててきているのは、そういうプレーをしっかりしてきたからだとも思います」
2年生になり、コートで積極的に話すシーンも増えてきた。城間監督も「成長が見える」といい、コート上での笑顔も今年は多い。
「昨年は初めて会う先輩ばかりで、まだ慣れていなくてコミュニケーションも少ししか取れていませんでした。先輩も自分のことがわからなかったと思います。でも強くプレーして自分をわかってもらって、今は楽しんでやれています。コミュニケーションは好きだし、大事です。ちゃんと話をしてディフェンスの時も喋らないといけません。喋らないのはいけないことです」
そして今リーグ、コンゴローが個人的に目標にしていたのは得点王とリバウンド王だった。前半はトップをキープしていたものの、2巡目に入ってチームに黒星がチラホラ出始めると、わからなくなった。日本体育大の#35ムトンボ(2年・C)も後半に入って怪我から復帰すると猛然と追い上げてきていたし、他の留学生たちもランキング上位は油断ならない相手ばかりだった。
「1巡目は得点王やリバウンド王を目指していました。今は諦めているわけではないけど、残りはすべて難しいゲームです。でもビッグダイブとか1対1とかローポスト、リバウンドのゴール下をしっかりやりたいです。負けたくないです」
コンゴローの言うとおり、リーグの終盤戦は難しい戦いで1〜5位が団子状態となり、日本大は上位同士の対決で惜しい試合が続いた。しかし「最後まで頑張りたい」というコンゴローの言葉通り、強く戦う姿勢はあった。その結果、個人的に目指していたという得点王とリバウンド王を獲得したのは、頑張り抜いたからこその栄冠だ。
次には今年の大一番、インカレが控える。3月から始まった長いシーズンの経験を糧に、今度はチームとして頂点を狙いたい。