【2022関東リーグ1部】「きついけれど、充実している4年目は幸せ」キャプテン、3x3U23代表等、さまざまな役割を背負い戦った2ヶ月半/#42益子拓己(拓殖大・4年・主将・SF)

2022関東リーグ

プレッシャーと戦いながらチームを率い、成長も見えたリーグ戦

9勝17敗、10位でリーグ戦を終えた拓殖大。満足いくという結果ではないだろうが、昨年12試合・2勝10敗(11位)から比べれば大幅に白星を増やし、また順位を上げたリーグ戦となった。明治大と入れ替え戦進出の当落上にあったが、第25戦に直接対決で下し、2年連続で入れ替え戦やチャレンジマッチに進んできた状況を断ち切った。今年は昨年よりも出場する選手が大幅に増え、また若手の台頭が目立つシーズンになった。こうしたチームにあって、「若いチームを引っ張らなくてはいけない」と認識していた主将の#42益子が、リーダーシップを発揮し、チームを牽引した。過去最長の1部リーグ戦は、それだけでも体力的に削られたが、さらに益子はリーグ戦中に3×3のU23代表として、ルーマニアにも遠征するという過酷なスケジュールを強いられた。それでも個人としてのパフォーマンスではその影響を感じさせず、コートの上ではチームを鼓舞し、得意のシュートを決め続けて存在感を示した。

─序盤は波のある状態でしたが、後半に行くにつれてチームの調子が上がっていったように思えるリーグ戦でした。

「自分も含めてですが、個々の選手たちに自信がついたリーグ戦になりました。自分が打つべきところ、やるべきところの徹底が次第にできてきて、与えられたプレータイムの中で、個々のやるべきことが明確になってきつつあります。そういう意味では成長してきたリーグ戦だったといえます」

─試合に出る選手も昨年に比べて多彩でした。勝った試合では下級生にも勢いが見えました。

「最初は試合慣れしていない選手が多く、なかなかリングにアタックできないとか、雰囲気に飲まれたりということがありました。下級生の多いチームですし、そこに我慢しながら自分が声掛けをして支えていくつもりでした。そうすればみんな力のある選手なので、結果が出るというのはわかっていました。自分はそれを信じてやり続けるだけでしたね」

─益子選手はリーグ途中で3x3代表(FIBA 3×3 U23ワールドカップ2022@ルーマニア 10/5〜10/9)として海外遠征に行くという、過酷なスケジュールで大変だったと思います。

「本当にかなりきつかったです(笑)。体力的にも精神的にも。チームも無問題というわけではないし、練習も自分が1、2週間抜ける状態になりました。いろんなことを考えました。雰囲気が良くないときや悪くなったとき、誰が代わりにリーダーシップを取るだろう、どうやって乗り越えるだろう、そしてその上で自分の身体が保つかというプレッシャーもあったし、本当に不安はたくさんありました。幸い、3×3のあとはそこまで調子が落ちずにシュートも決めていけたのは良かったんですが」

─確かに益子選手が欠場した10/8・9の2試合は連敗で、日大戦では特に大差となってしまいました。

「早稲田大戦(72-71)と日大戦(94-67)はビデオで見ましたが、やはりそうなってしまうか…という印象で、確かに良くなかったです。しかし、自分が長期間いなかったことで、個々の意識が上がったのは確かです。周囲にも自分がやらなくてはならないという責任感みたいなものが、あの時期についてきたと感じているので、全てが駄目だったということはないと思っています」

多くの役割や責任を前向きに背負い、最後まで挑み続ける

春はまだチームとしてまとまりきれておらず、波があると語っていた。しかし秋はその波がまだあるとしても、試合を重ねるごとに良い面が見え、多様な選手の活躍も見えた。そして益子も春からハッスルし、チームを引っ張ってきた。高校でやめるつもりだったバスケットを、関東1部のチームに来て続け、最終学年ではキャプテンを任せてもらっているという責任感がそこにはある。「勝てるチーム作りをするとともに、拓大のバスケットを楽しいと思ってもたえたら」そんな思いで1年間やってきた。そして一方で、昨年のインカレで1回戦負けに終わった悔しさもずっと抱えてきた。それを晴らすために、これから最後の戦いに向かう。

─この長いリーグ戦でチームとして得られたことはなんですか?

「一番をあげると、チーム力です。今シーズンの最初はチーム力というより、個人が点になっていました。みんな実力はあるので点は取れますが、流れが悪いときにどうしても耐えきれないで、崩れてしまっていました。でもリーグ戦ではタフな試合になっても勝ちきれて、プレーの合わせで点を取るというように、孤立して一人で点を取るというケースも減りました」

─個人としてはここまでリーグ戦をやってきて、やりたいことはどこまでできている感覚ですか?

「個人としては出来すぎているぐらいです。もちろん、プレー面でもう少し決めたい、決めきりたいというのはありますが、今年は求められていることがとてもたくさんあります。チームの中心として点数を取らなければいけないし、アシストもしないといけない。ディフェンスも相手のエースにつかないといけない。リーダーとして、下級生にハッスルするところも見せ、徹底してやるべきことをやる姿勢を40分見せなければならない。ただ、そういった役割を任せられるのは好きなので、好きにやらせてもらっていて、自分がやりたいことについては十分できている状態だと思います。この4年目というのはきついけれど、充実しています。それはすごく幸せに感じています」

─やり遂げたといえる境地までいきたいですね。

「それを感じるとしたら、インカレの優勝以外はないですね。これだけたくさんのことを任せてもらっているので、責任は大きく感じますが、そのためにも優勝するしかないと思っています。インカレについては昨年の悔しさを忘れていないですし、リベンジしたい思いもあります。トーナメントからここまでの経験をインカレにつなげたいと思います」

#42益子 拓己(ますこ たくみ)/4年/SF/183cm/71kg/祐誠
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