回数を増やした合宿の意図は「“代表”としてチームになること」
日・韓大学代表バスケットボール競技大会(李相佰盃)に向けた学生代表は、関東トーナメントの最終日から中1日という日程で四次強化合宿(5月8日〜10日)が行われた。
今年は関東トーナメントが祝日の6日(水)に終了。その週の週末が空いたために例年より1回合宿を追加し、四次合宿が実施された。激闘のトーナメントから時間が経っていないため、コンデイションは調整中という選手もいたが、公開された9日はチームルールを細かく確認しながら軽めの練習となった。
しかし1回分増えた合宿の意図は、どちらかというとチームとしての一体感、日本代表としての責任感を選手に持たせ、日本代表の意識を持った組織として仕上げていくものだと網野HCはいう。

「トーナメントが終わった直後なので疲労感やフィジカル的なところ、メンタル的なところを急にパッと切り替える難しさが選手にはあります。ただ、またこのメンバーで一つになって、日本の代表として一つチームになっていくことが大事なので、そういう時間にしたいなと思っています」
学生代表を指揮するようになってから網野HCの悩みのひとつは合宿の期間が足りないことだった。だからこそ1回分余計に開催できるこの時間を有効に使いたいと考えていた。プレーに関しては合宿を重ねて積み重ねたものは浸透しており、あとは細かい確認を重ねて仕上げに向かう。
学生代表として何を見せるかについてはシンプルだ。
「ハードにプレーすることと、ここに選んだ選手たちはトーナメントで一定以上の成果を出してくれています。そこをちゃんと韓国相手にも出すことです。それが一番大事なことです」
今回の学生代表には複数回選出経験のある選手はもちろん、A代表候補、トーナメントでは敢闘賞の内藤晴樹(白鷗大学)、アシスト王の下山瑛司(早稲田大学)、優秀選手賞の轟琉維(東海大学)、境アリーム(白鷗大学)、松本秦(早稲田大学)など、今年の「大学バスケの顔」として代表にふさわしい選手が名を連ねる。

ここ数年は競り合いを演じてきている日本学生代表と韓国学生代表。実力差は以前より少ないが、勝負に対する気迫や「日韓戦」というものに対する勝利への渇望は韓国の方が上回っていることが多い。それゆえに日本代表としてのプライドを持ち、持っているもの、やってきたことをコートで表現できるかどうかが勝敗の鍵になる。それができていれば結果はついてくるはずだ。四次合宿が有効に作用することに期待したい。
ウィリアムスから大舘へ、追加招集での前向きな姿勢に期待
ひとつ残念だったのは代表に決定していたウィリアムス(白鷗大学)が関東トーナメント決勝で負傷し、出場できなくなったことだ。その代わりとして招集されたのが同じくビッグマンの大舘秀太(東海大九州)。実は全九州のトーナメント(九州大学春季バスケットボール選手権大会)の2ndステージは5月8日(金)〜10日(日)までの開催。大会を欠場してこの代表合宿に急遽参加したが、網野HCもそこには多方面への感謝しかない。
「九州大会を犠牲にしてでも来てくれたこと、東海大九州のチームや元さん(東海大九州監督)に本当に感謝しています。彼も代表に来て高いレベルのものを吸収したいというのはあるだろうし、莉音(ウィリアムス)の分も頑張りたいと言ってくれました。それは素直に嬉しかったです。だからこそ頑張って欲しいですね」

チームは四次合宿終了後数日をはさんで直前合宿を行い、戦いの舞台である北海道へ。日本代表としてのプライドをかけ、40回大会(2017年)以来の李相佰盃奪取を目指す。
「何よりも第1ゲームが大事」武藤俊太朗(明治大学・4年)

今年度の学生代表でキャプテンを務めるのが、李相佰盃3度目の出場となる武藤(明治大学)。高校時代はウインターカップを制覇。2026年度の日本代表候補にも入った。網野HCはこれまでの豊富な経験を活かし、なおかつこれからの日本バスケット界の顔となるような存在になってもらう期待を込めてキャプテンに指名。
武藤個人としては李相佰盃では過去2回、結果を出せなかった悔しさを抱えている。最終学年となる今年、チームでも個人でも“勝利”を手にしたい。
─三度目の李相佰盃出場となります。おそらく、過去2回は良い記憶ではないかもしれませんが、それぞれの振り返りをしてもらっていいでしょうか?
「2年の時が初めての代表で、あの時は最後のシュートを任されたというか、自分が打つわけではなかったんですけど、入れたいところにパスが入らなかったので自分のところにボールが来て、外して負けてしまいました。あれは本当にチームを勝たせられなかったことが悔しい試合でした」
2024年の李相佰盃、2戦目の最後に放った武藤のシュートは惜しくも外れた。
【2024李相佰盃】日本女子、韓国男子が2連勝で優勝決定、男子戦は1点を争う攻防で日本が惜敗(2024.5.18)
─当時は2年生でした。下級生で代表に入ってどのような意識でしたか?
「あの時は上級生より下級生の方が多いチームだったので、ジュニアさん(ハーパーJr. 現B1渋谷)とかがいい雰囲気にしてくれて、下級生に思いっきりプレーできるような雰囲気を作ってくれていました。だからひたすらがむしゃらにプレーするだけでした」
─翌年、つまり昨年の李相佰盃は1戦目の開始直後に負傷がありました。
「僕が足を引いたところに相手の足があって、踏んじゃったっていう…。開始して55秒です。ボールも触れずに終わりました。代表に選んでくださったのに、こんな形で終わってしまって申し訳ないということと、自分がプレーできない中、チームメイトたちが頑張っていたので、そこは良かったんですけど、やっぱり一番一緒に戦いたかったという気持ちでベンチから見ていました」
─この李相佰盃では悔しい瞬間が多かったかもしれませんが、チームとしては激しい競り合いをしてきた過去2回だと思います。網野HCは両者の差はないと常々言っています。では今年、大会に向けてここまでの合宿の手応えは?
「今回の四次合宿ではスプリングトーナメントを挟んだので、チームルールを改めて確認しながら、試合も近いので細かいところまで突き詰めてやっている状況です。今年のチームのいいところは全員がスリーポイントを打てることと、4番ポジションがスモールになるセットもあるので、そこの機動力だったりシュート力が強みだと思います。課題についていえば、メンバーの組み合わせによってはサイズがスモールになってしまうところがあるので、そこのリバウンドだったり、相手のビッグマンとポストのところだったりでやられないよう対処することが必要です」

─韓国代表チームは昨年とはガラッとメンバーが異なるようですね。
「昨年入っているメンバーが2人ぐらいしかいないようです。スカウティングをしてもらい、僕らも相手がどんな特徴なのかビデオをもらって見ています。明治大でも高麗大と定期戦をやっていますが、韓国の選手たち全般の印象は強度が高くて、ビッグサイズでも柔らかいシュートタッチを持っていることです。そこに注意したいです」
─情報収集はできているんですね。初めて対戦する選手だと怖さもありますが、逆にそこでこちらは勢いを出さないといけないですね。
「だからこそ第1ゲームが一番大事です。それはみんなわかっていると思います。それにこのチームは何度も代表に入っているメンバーが多いですし、自分はアリーム(境)とは高校時代から7年目、その他にも瑛次郎(小川)ともアンダー16からはじまって3×3なども一緒だし、仲が良くて互いによくわかっているメンバーが多いです。そういう部分で連携なども強みとして出していけたらと思っています」






【大会概要】
2026年度第49回李相佰盃日・韓大学代表バスケットボール大会
2026年5月15日(金)~17日(日)
会場:北ガスアリーナ札幌46(北海道札幌市中央区北4条東6丁目2)
Game1 女子15時/男子17時
Game2 女子14時/男子16時
Game3 女子12時/男子14時
主催
公益財団法人日本バスケットボール協会
一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟
大韓民國籠球協會
韓國大學籠球聯盟
主管
一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟
一般社団法人北海道大学バスケットボール連盟
【配信】Jスポーツ

