日韓の学生代表が戦い、日本と韓国が1年おきに会場となってきた李相佰盃。コロナ禍で一時中断したが、昨年より復活。2023年はソウルで開催し、2024年は日本がホスト国となり、国立競技場代々木第二体育館にて、5月17日(金)〜19日(日)で行われる。3戦制の戦いは、2戦した方が優勝となる。
初日は女子が106-52の大差で日本が、男子は57-64で韓国が勝利した。
前半の悪さが響いた日本選抜、韓国選抜はチームプレーが決まる
前半は日本チームに硬さが見えた。立ち上がりは韓国選抜#2カン ソンウク(成均館大学校・2年・G)、#5イ ジュヨン(延世大学校・2年・G)らガードが攻撃をリード。#21イ テギュン(東國大学校・4年・F)の速攻も決まり抜けだす。日本選抜はオフェンス・ディフェンスとも機能せずミスが目立ち、#88佐藤(白鷗大・3年・PG)のスリーポイントが決まったものの、1Q は11-21と出遅れた。2Qも韓国選抜がリードを広げる。#9チェ カンミン(壇國大学校・3年・G)の2本のスリーポイントなど、シュートがよく決まり、前半19-41と日本選抜は大きく引き離されて前半終了。
日本選抜はディフェンスから巻き返し、22点差から追い上げを見せる
後半、日本選抜のディフェンスの圧力が高まると、反撃が始まる。#3ハーパー(東海大・4年・PG)の高い機動力を活かした動きでディフェンスからシュート、速攻につなげると、#88佐藤、#28浅井(筑波大・4年・PF)、#7境(白鷗大・2年・C)とシュートが続く。一方の韓国選抜は4分半得点がストップ。日本選抜はその後も#60武藤(明治大・2年・SF)、#8陳岡(白鷗大・4年・SF)のシュートなどが続き、このQ で42-49まで巻き返した。
4Q、追いかける日本選抜に対し、韓国選抜は#5イ ジュヨンの得点で逃げる。互いにディフェンスが激しく、日本選抜はフリースローをもらっていく形になり、最小6点差まで詰め寄った。しかし韓国選抜は大事な場面で#5イ ジュヨンのスリーポイント、#2カン ソンウクのシュートが決まり、再び点差を2桁に。日本選抜は#3ハーパーを起点に最後まで粘るが57-64でタイムアップ。初戦は韓国選抜が取った。
【試合後囲み取材】韓国男子選抜 ソク スンホHC
「高学年の選手の怪我もあります。ディフェンスとリバウンドをしっかりやろうとしてきました。2年生が多く若いチームなので、プレータイムをたくさんあげることによってモチベーションを高めようと思っていました。また、チームスポーツなので、個人プレーではなく、チームプレーをみんなで意識してやろうということで準備をしてきました。
チームプレーをすることを重視してきたんですが、後半にチームプレーをしなくなってしまって、5人で動くということをおろそかにした点があります。明日は午前中にまたチームでプレーすることを強調して、試合に臨みたいと思います」
【試合後囲み取材】#5イ ジュヨン(延世大学校・2年・G)
「今は試合に勝ててすごく気分がいいです。試合に出ているメンバーもそうだし、ベンチにいるメンバーも自分のことを信じて任せてくれました。今回は(2年生の)自分たちが一番若いということもあるので、チームにエナジーを与えられるようなプレーをしようということで意識してプレーしています。
残りの2ゲームも全部勝つというと生意気な言葉になるかもしれませんが、自分たちがとにかく一歩一歩しっかり試合をやることと、韓国の方からも応援に来てくれている人たちもいるので、しっかりとしたプレーをして臨みたいなと思っています」
監督からはシュートたくさん打てと言われているけど、ゲームの途中で冷静に判断できなかった部分があるので。もう一度、自分がちゃんとしっかりやることをやりなさいということで、自分の感情をコントロールしてくれました」
【試合後囲み取材】日本男子選抜 網野友雄HC
「絶対受け身にならないということをミーティングでも伝えていましたが、前半はそれが真逆になってしまいました。消極的なプレーとか打つべきところで一つパスを出して、ターンオーバーで持っていかれてしまったり。ディフェンスもシンプルなことなんですが、ボールが移動したら自分のポジションが変わるということができていませんでした。そこでボールがスイングされた時にレイアップで割られてしまったら、誰もヘルプがいなくてノーマークでやられてしまうということが起きてしまいましたね。球際のところにプライドがあらわれるし、そのことも伝えて挑んでいるんですが、前半はそれが出せませんでした。
後半はやるべきことをできるメンバーにちょっと絞っていきましたが、そうするとディフェンスが機能しました。でも彼らが40分3試合やるわけにはいかないので、そこは明日以降、誰かが助けてくれるかどうかということに期待したいと思います。
韓国はやはり大きいなというのは感じます。日本の子たちよりも高さや幅があります。ただ、決して1対1で守れないとか、リバウンドを取りきれないということはないと思うので、そこの部分を明日以降は徹底してやっていきたいと思います。
勝敗とは別に、バスケ界はBリーグが盛り上がって、ワールドカップで勝って、代表がパリ五輪に行くという状況があるので、そこに自分たちも飛び込んでいくんだという意識だったりとか、自分の価値だったりを証明してほしいということは伝えています。思い切って自分の価値を上げなさいというところは言っているのだから、そこは彼らの責任の中で表現しなくてはいけないと思っています。それぞれは各チームの主力だけど、そういう選手たちが集まったら役割も変わるので、そういうことも覚えて、出しつくして、プライド捨ててがむしゃらにやるということが大事かなと思います」
【試合後囲み取材】ハーパー ジャン ローレンスJr(東海大・4年・PG)
「前半は相手の方が自分たちよりやるぞというこの気持ちの方が強かったのはあると思うし、一人だけがインテンシティを高めても駄目で、みんなのインテンシティが同じステージにいないと勝てないということが分かりました。でも前半で20点開いて、そこから自分たちの力でカムバックできたということはすごく自信になることだし、ここでカンバックできたので明日は大丈夫かなと思います。
キャプテンは大会間際に自分に決まりました。チームの勝利に貢献するためには何でもしようと思っていて、今日は前半からまとめきれなくて後半になったんですけど、そこしっかりし切り替えて、明日頑張っていきたいです。
自分と涼成(#88佐藤)のディフェンスは高校時代から同じ高校でしっかりやってきていて、それを発揮できました。でも今日の負けの理由は自分と涼成だとも思います。ガードがイージーミスをしたりするとチームが勝つわけがないし、ビッグマンがステップアップできるわけでもないので、しっかりガードがセットして背中でみんなで行くぞっていうのを伝えないといけないと思っています」