エキシビションマッチから一夜明け、WORLD UNIVERSITY BASKETBALL SERIES(以下WUBS)の本戦が開始した。初めての対戦となるチームもあり、やってみたなければわからない、そんな空気もただよう初日は、固さある試合も見られた。
今大会はトーナメント形式で開催。1回戦を勝ち上がったのは、国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ)、アテネオ・デ・マニラ大学(フィリピン)、ラドフォード大学(アメリカ)、そして白鷗大学(日本)。
敗退した東海大学(日本)、ペルバナス・インスティテュート(インドネシア)、高麗大学(韓国)、シドニー大学(オーストラリア)は順位決定戦に回った。
東海大は4Qに追い上げるも届かず国立政治大学が勝利
昨インカレチャンピオンとして出場権を得た東海大学は、チャイニーズ・タイペイ代表の国立政治大学(NationalChengchiUniversity=NCCU)と対戦。1QからNCCUのゾーンに苦しみ、たびたびターンオーバーを犯すと1Qで11点のビハインド。2Q後半から少し持ち直すが、前半で44-30となった。
3Qになるとディフェンスの足が動き始め、速攻につながるシーンも見えてくる。#0黒川(4年)が積極的なオフェンスをしかけていく。しかしNCCUも#23吳(2年)のスリーポイントが好調で22点差で4Qに入る。東海大はしかしここから諦めずに粘りを見せる。タフなディフェンスを起点に、相手を封じ、黒川の3連続得点に#16西田(4年)のスリーポイントも決まると、開始3分半で9点差に縮める。ブロック、リバウンドなどでも見せ、その後も#38御林()のスリー、#3ハーパー(3年)の早い展開からの得点などが続いて7点差までに迫った。しかしそこからはNCCUも追い上げさせず、81-73でタイムアップ。
東海大はNCCUの1-3-1等、慣れないゾーンに苦しんだ。後半は持ち味が出て一気に点差を詰める好きプレーが続いたが、前半の差が響いて順位決定戦へ。
「うちらしいディフェンスを発揮していくだけ」陸川章監督(東海大)
「海外の選手たちは手が長く、あそこまでバックチップされてターンオーバーになることは日本ではあまりありません。いい経験になったし、後半では修正できてあまりやられなかったので、学んで成長できている部分です。終盤持ち直せましたが、うちの圧のかかったプレッシャーディフェンスをしっかりかければ、海外の選手相手でもそう簡単にいいリズムは作らせないと思います。明日はそこに挑戦していきます。
今年は参加チームが増え、世界のチームが集まってきています。昨年とはイベント的にも違うし、学生にとってはうれしく、こんなチャンスはほかにありません。本当に盛り上がって欲しいし、今日も点差が離れても、見ている方々に応えるプレーをしようと、一生懸命にできました。本当にこの先も盛り上がって欲しいですね」
「機会をもらったのだから、頑張らないといけない」#0黒川虎徹(東海大・4年・主将)
◆22得点、スリーポイント5本の活躍
「直前までユニバに参加していましたが、自分が積極的に点を取りに行って打開しないとこの上のレベルではやっていけないとマインドチェンジして、それが後半に出たと思います。ユニバではコンディションが上がらず、そこまでプレータイムがありませんでしたが、WUBSという機会をもらえているのだから、自分が頑張らなければと思いました」
◆直前まで代表活動に参加
「チームを離れている時間が長かったので少し心配でしたが、西田(#16)、元田(#1)、江原(#25)ら4年が引っ張ってくれていて、連絡もくれていました。「雰囲気はいいし、やれることをやっているから大丈夫」と言ってもらえていたので、そこまで心配はなかったです」
白鷗大はインドネシアのペルバナス・インスティテュートを圧倒し、準決勝へ
初出場となる白鷗大の初戦の対戦相手はインドネシアのペルバナス・インスティテュート。「どんな相手だか情報がないので、最初から全力で」(網野監督)というように、立ち上がりに#71嘉数(4年)のシュートを皮切りに、強度の高いディフェンスから#88佐藤(2年)がたびたび速攻に走って5連続得点。一気に12-2とすると、そのあとはベンチメンバーをまんべんなく使いつつ97-49と相手を圧倒して準決勝へ進んだ。
「国際経験を積む貴重な機会」網野友雄監督(白鷗大)
「初めての経験なので正直肌感覚がわからないところはありましたが、国際経験を積む貴重な機会なので、一生懸命勝利を目指し、練習でやってきていることをやろうとしていました。物怖じせずに出だしから激しくプレーしてくれたことはすごく評価できる初戦でした。
私が8日までユニバに行っていたので、残ったチームとコミュニケーションをとるのが難しく、スカウティング自体は甘いのですが、ここまでの相手の試合を見て、伝えるべきことを伝えていきたいと思います。優勝を目指します」