【その他の試合・東京六大学リーグ】3年ぶりの開催となった第16回東京六大学バスケットボールリーグは、早稲田大が優勝(2022.3.21)

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最終戦は上位2チームの早稲田大と明治大が対戦。

2年連続中止となっていた東京六大学によるリーグ戦が、3年ぶりに開催のはこびとなった。東京六大学が総当りで対戦するこの大会は、チームによっては4月に入学する新1年生もメンバーに加えて参戦する、プレシーズンゲームの一つ。まだ以前のように気兼ねなくゲームができる状況ではない今は、貴重な機会になる。大会の期間中、棄権となるチームもなく、全チームが5試合を戦い抜いた。

早稲田大が全勝で2大会連続の優勝を決める

3日間の日程はダブルヘッダーの日もあり、また各チームともなるべく多くのメンバーに経験を積ませようとする大会でもある。最終日、全5試合のうち4試合を終えた時点でトップに立ったのが、無敗の早稲田大と明治大。この2チームが最終戦で対決した。

1Qは互いに乗り切れない中、早稲田大は#15兪(3年・F)の高さとフィジカルが活き、またルーキーの#5堀(1年・G・東山)が抜群の機動力で試合をかき回した。一方の明治大はペイント内での勝負になかなか行けないが、#24勝山(4年・SF)、#46井上(4年・SG)らの外のシュートで食い下がり、18-16と僅差の出足。しかし2Qになると攻撃が回らず、一気に突き放されてしまう。早稲田大は流れを掴んで前半で41-24とすると、後半は余裕こそあったが、明治大が粘って10点差前後まで追い上げる。最後は早稲田大が逃げ切り75-67。5試合全勝で優勝を決めた。早稲田大は#12土家(4年・G)、#13星川(3年・F)といったスタメンが欠場するが、新1年生がのびのびとプレーし、チームに勢いをもたらした。2022年度は1部復帰となる明治大は、前回大会に引き続き準優勝となった。

早稲田大は#5堀(東山)が抱負な運動量で貢献。ほかにも#18岩屋(洛南)、#3高田(洛南)、#堀田(東山)、#21石水(國學院久我山)ら、今季は抱負なルーキーに期待が大きい。

3位に食い込んだのは慶應義塾大。新1年生は含まないチームで挑み、最終日は東京大、法政大とのダブルヘッダーを2勝し、3勝2敗。最終試合の法政大戦は、前半に20点近い差をつけられるも後半に奮起。法政大が下級生主体となったところを、ディフェンスから走って追い上げた。最後は1点を争う展開となるが、残り時間1.8秒で#11藤島(3年・G)が攻め込んでフリースローを獲得。これを2本決めて80-79。最終戦で大きな勝利を挙げた。法政大はこの日、1試合目の対立教大戦は終盤の競り合いを制したが、2試合目の慶應義塾大戦は僅差で落とし、4位で大会を終えた。

慶應義塾大は法政大戦で#9山本が33得点で追い上げに貢献。

【最終結果】

優勝       早稲田大学          5勝0敗
準優勝   明治大学              4勝1敗
3位       慶應義塾大学       3勝2敗
4位       法政大学              2勝3敗
5位       立教大学              1勝4敗
6位       東京大学              0勝5敗

今大会より新たに大会トロフィーが制作され、ボールとともに優勝した早稲田大に送られた。

【INTERVIEW】新シーズン、目指すのは「優勝させられるキャプテン」#1神田誠仁/早稲田大・4年・主将

2022年、新シーズンは主将を務める。
早稲田大のバスケットボール部は来季創立100周年を迎えるが、節目の年にふさわしいチームの土台を作り上げるのが、今年成すべきことだと強く意識する。リーダーとしての目標は、「優勝」させられるキャプテンになることだ。昨今の早稲田大は優勝を争うポジションの少し手前にいるという状態が続く。その段階を抜け、優勝争いに絡めるチームを作れるか否かは、新年度だけではなくその先のチームの行く末にとっても重要だ。勝つチームとしてのDNAを残せるかどうか、大事な1年がここからはじまる。

─優勝を果たしましたが、3年ぶりの大会を終えて。

自分たちは1部の上位を狙っているチームなので、優勝しなければいけないと言ってきました。その中でも内容にこだわるということをやり続けています。新チームが始まってからまだ間もないのですが、まずディフェンスやリバウンドというところを大事にしようとしていて、それができなかったシーンが多くありました。最終戦の明治さんにも前半はあれだけリードしていたにもかかわらず、後半は接戦のゲームになってしまったのは課題が残るかなと思います。

─ 主力が数名抜けている状態での大会でした。

堅信(#13星川)と大輝(#12土家)はBリーグの特別指定から戻ってきたばかりで、調整できていないので、今大会は出場しませんでした。それでも新1年生が入ってきて、メンバーもいたので勝たなければいけないと話していました。

─ 反省もあるようですが、この大会での収穫を挙げるなら。

新入生の活躍というのは、大きいものがあったのかなと思っています。特にスタートで出ていた3人は特に活躍してくれて、ベンチからは3番の高田(1年・G・洛南)も活躍してくれました。そうした新入生の活躍があって、上級生もコートに立つためには何ができるのかということを、普段の練習から考えさせられる環境になってきています。それはよいことだと思います。

─ 神田選手は新シーズンを迎えるにあたり、どのようなキャプテン像を描いていますか?

「優勝させられるキャプテン」ですね。これだけメンバーがいて、倉石さんというヘッドコーチがいて、たくさん教えを頂ける状態になっています。この先、コロナの状況がどう出るかはわかりませんが、必ずインカレで最後は優勝させられる、そんなキャプテンになりたいと思っています。

─ そのために必要なことは何でしょうか。

今の段階では、チームの核となる3つのことがあります。それはリバウンド、ディフェンスの中でも、オールコートで前から当たり続けるディフェンス、そしてトランジションで点数を取り続けるところです。この3つが核となるので、今の時期はその核をより大きくできるようにやり続けることが大事だと思います。僕らは例年ベスト8や16で負けてきた状況があります。一人ひとりが能力のある選手という訳ではないので、より強固なディフェンス、そしてつながりを作るという意味で、コミュニケーションの強化が大切です。昨年から変えなくていいところは残し、また変えるべきところは変えて新たなシーズンに挑んでいきたいと思います。

※新1年生が加わっているため、この大会は2022年度の学年で表記しています。

【2019年】第15回は早稲田大学が優勝

【2018年】第14回は陸前高田市(岩手県)で開催し、地元の子どもたちへのクリニックや、車いすバスケのパラアスリートとのエキシビションマッチも開催

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