【第58回日本体育大学筑波大学定期戦】男子本戦は筑波大が高確率のスリーポイントやディフェンスで後半に差をつけ勝利(2023.4.23)

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代表的な定期戦の一つ、日本体育大学筑波大学の定期戦。コロナ禍以降は無観客で開催されてきたが、58回大会は久しぶりの有観客開催となった。男女のJrバーシティ戦(Bチーム戦)と本戦で計4試合、ハーフタイムには日本体育大の体操部やダブルダッチの演技が披露され、見せるパフォーマンスで観客を楽しませる1日となった。

女子本戦のハーフタイムには日本体育大の体操部が登場。しなやかな身体の表現と、アクロバットの演技で喝采を浴びた。

男子戦は筑波大が高い精度のシュートで競り合いから抜け出す

Jrバーシティ戦は男女、また女子本戦も日本体育大が勝利。そして、最終試合の男子本戦は、前半は競り合った。筑波大は#6副島(1年・C・福大大濠)、#7星川(1年・SF・洛南)のルーキーが欠場、また日本体育大はエースの小川麻斗(4年)がBリーグ入りしたこともあり、新チームは大黒柱の#23ムトンボ(3年・C)以外は下級生主体のフレッシュな布陣で臨んだ。

インサイドの攻防が一つの鍵だった。
#35ムトンボが勝った場面もあるが、筑波大はよく守り、リバウンドでも奮闘した。

開始早々、日本体育大は#41石川(2年・SG)、ルーキーの#4小澤(1年・中部第一)のスリーポイントが続き、一気に6-13と抜け出す。筑波大はややシュートに硬さがあり、#23ムトンボの高さにも阻まれるシーンが目立ったが、リバウンドから#34三谷(4年・F)が速攻に走って追い上げると、#31小川(3年・PG)から#28浅井(3年・PF)へのアシスト、#19間山(3年・PF/C)、#35平田(4年・G)のアウトサイドが決まり19-17で1Q終了。

日本体育大・ルーキーの#4小澤はスタメンで出場。積極的なアタックが見られた。

2Q、#19間山のスリーポイントで幕を開けると、その後も筑波大は#41大澤(2年・SG)ら、ベンチスタート選手のスリーポイントが続いた。日本体育大は#9大森(3年)が好調で、ジャンパー、ドライブ、スリーポイントと立て続けに得点して点差は離れない。しかし筑波大もシュートの好調さを維持してその後も#5岡川(2年・C)、#28浅井が決めていく。日本体育大は終了間際、#7西部(2年・SF)のブザービーターが決まり、37-35と食らいついて前半を終えた。

3Q開始序盤、#5岡川2本目のスリーポイントが決まると、ディフェンスからの速攻も出て筑波大が抜け出した。日本体育大は点が止まりがちとなり、#9大森、#7西部がつなぐが、56-46とこのQで10点差に。4Q、筑波大は#13岩下(2年・PG)が負傷退場するアクシデントがあったが、リードは維持。前半から好調だったスリーポイントも安定して決まり続け、82-67。最後はベンチメンバーも出場させて快勝を収めた。

#35ムトンボをかわしてレイアップを決めた#31小川。

今季は全員がスリーポイントを積極的に打つ筑波大だが、この日は主力がまんべんなく打って13本をイン。昨年は課題だったリバウンドも#23ムトンボ、ルーキーの#1コネ(1年・帝京長岡)という大学界では屈指の高さに対し、負けずにボールを確保するシーンが目立った。3月のKU CAMP、TSUKUBA LIVE!と試合をこなしてきたが、完成度の高まりを感じさせる一戦となった。

個性の輝く今年度の日本体育大は新戦力の台頭も見どころ

下級生主体の日本体育大は、ここからの成長を感じさせる試合となった。この定期戦でベンチ入りを果たした#9大森(3年)がポイントゲッターとしてこの試合では見せ、敢闘賞を獲得。また、ルーキーの#4小澤は189cmのサイズを活かした豪快なプレーでチームに勢いをもたらした。藤田監督も若いチームのこれからに期待する。

今季ロスター入りし、得点力を見せた#9大森。「明るくてチームにいいエネルギーを与えてくれるキャラクター」(藤田監督)という。

「小川麻斗が抜けたけれど、周りはいろいろ思ったかもしれませんが、選手たちはそんなに動揺もなく、みんながこのチームを良くしようとして動いてきて、その姿に私自身も感動しています。メンバーが大きく変わったわけじゃないけど、練習の雰囲気も昨年とはぜんぜん違っていますね。もちろん、良くなったところ、だめなところはあるけれど、目標を掲げている中でみんながそれを見ています。持ち前の明るさを出しつつ、個の力、個のキャラクターをうまく出せているチームです。それをいい方向に持っていけたら」

この日の試合は、筑波大のシュートが高確率だったこともあって引き離されたが、それも一つの勉強といえる。

「今日はシュートが入らないフラストレーションがこちらにありました。対する筑波大はスリーポイントが45%も入っている。こちらが弱さを見せたからこその結果です。ただ、その中で西部(#7)には責任を持たせたいし、彼が今後の勝ち負けを担っていく選手になると思うので、今日は長く働いてもらいました。彼にいろいろ考える時間を与えつつも、チーム全体としては去年より使う駒も増えているし、新戦力の小澤(#4)や今日は大森(#9)も良かった。新しくフレッシュなチームに期待をしています」

注目の#1コネは大学界で高い得点力を発揮できるか。

また、高校界では点取り屋として活躍してきたコネ(#1)がどんな存在感を放つかも見どころだ。得点源としてはもちろん、ムトンボ(#23)の負担も軽くできる。ただし、この日は筑波大のフィジカルに弾かれる場面もあり、大学の試合に慣れるのはこれからだろう。

「大学では日本人でも留学生を守る力は十分にあるので、高校のようにはいきません。今は彼に慣れろと言っている段階ですが、彼も自覚はしているので、これかやってくれると思います」

今季新しくなった日本体育大のユニホーム。番号変更もあり、小川の#23はムトンボがつける。
学校のカラーである青はよりさわやかに。色言葉で「ポジティブ」の意味を持つオレンジが差し色で入る。

いろんな意味でここからの成長が問われる、そんな一端を見られる試合となった。

なお、この両者は5月の関東大学トーナメントでも順当に勝ち上がればベスト8で対戦となる。今回の戦いからどのような修正がはかられるかが見どころになる。

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