【2022早慶戦】記念すべき第80回の早慶戦開催!満席の大観衆の応援と熱気が早慶両校を後押し(2022.7.2)

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日本の大学バスケットボール界でも最古の部類、そして最大規模の大学対抗の定期戦、それが「早慶バスケットボール定期戦」だ。男子の第1回は1940年に始まる。戦時中の3年間を除き、コロナ禍でも途切れることなく連綿と開催されてきたこの大会が、遂に80回目の開催を迎えた。79回大会までの男子の戦績は早稲田大41勝・慶應義塾大38勝と大差はなく、互いのぶつかりあうプライドが過去に多くの名勝負を産んだ、まさに伝統の一戦だ。

80回目となる大会の舞台は、5年ぶりにバスケの聖地・国立競技場代々木第二体育館に戻り、100%の有観客開催を実施。チケットは完売し、3000名以上の観客が客席を埋め尽くす華やかな空間の中、男女の熱戦が繰り広げられた。

両校のエールが交わされる、荘厳な開会式で幕が上がる

開会式から特別な雰囲気が漂うのが、早慶戦。選手入場から整列ののち、互いの校歌が流される。そして慶應義塾大学応援指導部、早稲田大学応援部によるエール交換が開会式のハイライト。閉会式も同様にエール交換で大会は締めくくられるが、バスケットに限らず、あらゆる部活動における早慶戦で互いを鼓舞し、称え合う。こうした伝統がつながれていることが、両校の応援文化の根幹を支えていると、垣間見えるようなシーンといえる。また、ハーフタイムには両校のチアによる応援合戦も繰り広げられた。

両校エール交換では、巨大な旗が掲げられる。
華やかな両校チアのハーフタイムショー。

【女子戦】慶應義塾大が大健闘で前半は早稲田大に食らいつく

1957年開始の女子戦はここまで早稲田大39勝、慶應義塾大26勝。初期は慶應義塾が勝利する時期が続き、近年は長く早稲田大が連勝記録を伸ばしている。

試合は前半から慶應義塾大が健闘した。サイズ、能力では1部所属の早稲田大が上だが、前半はあまりシュート精度が良くなく、慶應義塾大はディフェンスで身体を張り、ターンオーバーから自分たちの攻撃につなげていった。1Qは12-16とあまり差がつかない状態で終わり、2Qも慶應義塾大が食らいつく。18-22で互いに得点がストップする膠着状態の時間帯もあったが、互いにスリーポイントで応酬するなど見せ場もあり、前半は28-33と早稲田大リードの5点差。

3Q、ここで早稲田大が本領発揮する。慶應義塾大に簡単にボールを運ばせず、高さ、速さを活かして次々とターンオーバーを奪い、速攻を生み出すと、このQ39得点。一方の慶應義塾大はシュートまで行けないシーンが続き、得点が一桁に終わってしまう。4Qはリードを得た早稲田大が試合を支配するが、慶應義塾大も最後まで食らいつき47-96。早稲田大が連勝記録を伸ばした。

女子戦から観客席は埋まり、それぞれのチームがいいプレーを出すと盛り上がった。

【男子戦】開始から早稲田大が好調、#12土家が46点と圧倒的なプレー

女子戦の中盤にはほぼ満席となった会場は、男子戦の頃にはボルテージも最高潮。音楽など派手な演出はなくとも、互いの動きに一喜一憂する、観客のうねりが絶えず発生する状態で男子戦がスタートした。

試合は立ち上がりから早稲田大のシュートが気持ちよく入った。#12土家(4年・PG)を皮切りに、#25宮川(4年・SG)ら4年生たちが幸先よくシュートを決め、チームを波に乗せる。慶應義塾大は動きに固さが見えるが、#9山本(3年・G)がアウトサイドを決め、次第に落ち着きを取り戻していった。だがこの日は#12土家が特に調子が良かった。1Qから次々にスリーポイントを決め、早稲田大は1Qで35得点の猛攻を見せる。2Q、慶應義塾大はエース#7水谷(4年・GF)がバスケットカウント、スリーポイントと奮起。じわじわと差を縮める。早稲田大は#12土家に加えてルーキー#堀(1年・GF・東山)が躍動。高い機動力を見せて得点に絡んでいく。また#12土家のシュートが止まらず、追い上げる慶應義塾大を振り切って前半は33-59。

慶應大のエース#7水谷は28得点。最後まで懸命に攻め続けた。

後半も早稲田大のペースは変わらず。#12土家を筆頭に#24細溪(3年・SF)、#25宮川など次々とスリーポイントが決まっていく。慶應義塾大はファウルが増えてきて苦しくなるが、#15高島(2年・PF)、#10熊野(3年・F)らも粘り得点。だが早稲田大の勢いはとどまらず、4Qには100点ゲームに。慶應義塾大はリバウンドに奮闘する#4山下(4年・F)が一時ベンチに下がるも、最後は気迫でコート復帰。そして大勢が見えた最後の時間帯は互いの4年生がコートに送り込まれ、これまで以上の応援を受けながらのプレーとなった。最後まで観客席からは大きな拍手やコールが送られ、盛り上がりを見せた試合は、77-119で幕。早稲田大が昨年に続き2連勝で、通算早稲田大の42勝・慶應義塾大の38勝とした。

早稲田大は主将の#1神田(4年・PG)を筆頭に4年生がチームを引っ張り、#12土家が圧巻の46得点、11本のスリーポイントを沈める活躍だった。慶應義塾大はハードなディフェンスに苦しみつつも#7水谷が28得点。インサイドで#15高島、司令塔の#9山本が2桁得点でそれに続く活躍を見せた。

シュートを決めた#25宮川に#12土屋が駆け寄る。早慶戦は4年生の晴れ舞台、シュートが決まると通常異常に盛り上がる。

【2022早慶戦インタビュー】「自分たちのバスケットをしっかり40分やろうとした」#12土家大輝(早稲田大・4年)/「この大規模な大会は、関わるすべての人のおかげで成り立っている」#4山下卓馬(慶應義塾大・4年・主将)

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