【2024李相佰盃】日本女子、韓国男子が2連勝で優勝決定、男子戦は1点を争う攻防で日本が惜敗(2024.5.18)

その他の試合・イベント
日本女子は2連勝で優勝。試合後、声援に応える。

日韓の大学生代表が戦う李相佰盃2日目、週末の土曜日ということもあり、会場の国立競技場代々木第二体育館には多くの観客が訪れた。競り合いになった男子戦では、観客席から日本コールと大韓民国コールが巻き起こり、互いの奮闘を後押しした。

日本女子選抜は連日の100点ゲームで優勝

日本女子選抜は初戦に引き続き100点ゲームで快勝し、優勝を決めた。韓国女子選抜は前半から点差が開いたが、後半で崩れて加点できず。112-27で日本女子が勝利した。

日本女子選抜は終始積極的に攻め、快勝となった。

日本男子選抜は立ち上がりで出遅れるが競り合いに持ち込む

男子戦GAME2、韓国男子選抜はスタメンを入れ替え、#3イ ドングン(2年・F・高麗大学校)、GAME1はDNPだった#6パク ジョンファン(3年・G・高麗大学校)をイン。日本男子選抜も#7境(2年・C・白鷗大学)、#60武藤(2年・SF・明治大学)に変えてのスタートとなった。

日本男子選抜は立ち上がりに#28浅井(4年・PF・筑波大)が積極的にアタックを見せるが得点につながらず、初戦同様韓国男子選抜が速攻、スリーポイントと得意の形を連発する。1Qは4本のスリーポイントが決まった韓国男子選抜が10-18とした。2Q、日本男子選抜のギアが上がってくる。#3ハーパー(4年・PG・東海大学)の速攻や#28浅井のシュートが決まりはじめ、接戦に。韓国男子選抜はファウルやヴァイオレーションが続いて停滞する。日本男子選抜は1点差に迫るが、韓国男子選抜も譲らず逃げて30-34で前半終了。

「日本チームはガードが上手い」という評価で、2戦目は#3ハーパーへの守りも執拗だった。

ワンゴールを争う勝負は、韓国男子選抜に軍配が上がる

後半、激しいディフェンスを仕掛ける日本男子選抜は24秒オーバーを連続で奪い、#60武藤の得点で詰め寄る。しかし韓国男子選抜も#1ユ ミンス(2年・C・高麗大学校)のスリーポイント、#2カン ソンウク(2年・G・成均館大学校)のシュートが勝負強く決まる。日本男子選抜は#17星川(2年・SF・筑波大学)のシュートや#60武藤から#7境への合わせなどで迫り、42-44と2点差で4Qへ。

10点5リバウンドの日本男子選抜#17星川。

すると4Q、立ち上がりに#17星川のシュートで同点とした日本男子選抜。韓国男子選抜はファウルや、日本ディフェンスに阻まれ得点が伸びず、4分で2点しか奪えない。日本男子選抜は#3ハーパーのスリーポイントでこの試合初めて逆転に成功するが、韓国男子選抜も#1ユ ミンスが返し、試合はシーソー展開に。残り5分から攻防は一層激しくなり、1点を奪い合う時間が続く。残り2分半、#60武藤のシュートで日本男子選抜が1点リードとなるが、韓国男子選抜は#9チョ カンミン(3年・G・檀国大学校)のドライブで取り返す。韓国男子選抜はガードが外を打っていくが、残り46.6秒で#5イ ジュヨン(2年・G・韓国男子選抜)のスリーポイントが決まり、50-54。日本男子選抜は#88佐藤(3年・PG・白鷗大学)のフリースロー1本と#17星川のドライブで追う。残り3.9秒、韓国男子選抜は#2カン ソンウクのフリースローが1本決まり53-55。タイムアウトを挟んで、日本男子選抜は最後のオフェンス。ファーストオプションだった#3ハーパーにはボールが入らず、最後のショットは#60武藤に。しかしこれが決まらずタイムアップ。互いのプライドがぶつかり合う激しい攻防を韓国男子選抜が制し2連勝。優勝を決めた。

残り3.9秒からの#60武藤のシュートは惜しくも入らず。

2韓国男子選抜はこの試合スタメンに入った#3イ ドングンが15点11リバウンドとチームハイを記録。また、初戦からチームを牽引していた2人のガード、#2カン ソンウクはファウルトラブルに見舞われつつも8点6リバウンド。1戦目勝利の要だった#5イ ジェヨンはベンチスタートに回ったが、勝負どころで入れたスリーポイントが勝利を引き寄せた。

4Q残り46秒、韓国チームは#3イ ドンウンからのパスを受けた#5イ ジュヨンのスリーポイントが決まり、勝利を大きく引き寄せた。

日本男子選抜は#17星川、#60武藤が10点、#7境も8リバウンドで貢献。ディフェンスではタフさを見せ、ターンオーバーをたびたび奪った。1点差でのシーソーゲームの中で、相手のポイントゲッターにスリーポイントを簡単に打たせてしまい、そこは大きな課題だが、1戦目より動きや積極性は良かった。3戦目にさらに内容を高めたい。


【試合後コメント】韓国男子選抜 ソク スンホHC

「今日は競り合いで本当に血が止まりそうでした。日本は前線の選手が強いので、そこを注意して戦おうとしていました。自分が指導者をしながら1点差のゲームで一番重要なのは、選手を信じることです。それができたので勝つことができました。

全体的に年齢が若い選手なので、体力的な部分で課題があります。エントリーが12人なのに、(怪我人が出て)11人しか連れてきていません。体力面も考えて、スタメンも入れ替えました。明日も、今日あまり試合に出なかった子たちを積極的に使って、3、4クォーターに勝負することを考えたいと思います」


【試合後コメント】#3イ ドングン(2年・F・高麗大学校)

この日スタメンに入った#3イ ドンウンは1Qに連続スリーポイントを決める。15点11リバウンドのダブル・ダブルの活躍を見せた。

「今日はスタメンでしたが、このメンバーは誰がうまいとかはないので、いい選手たちを監督が選んでスタメンを決めたと思います。昨日勝利したので、今日は結構緊張していました。でも自分がやらなくてはいけないことをやった結果、チームハイの15点に繋がったと思います。監督はリバウンドやディフェンスをいつも強調しています。いい選手たちがリバウンドとかディフェンスを一生懸命頑張ることによって、自然と攻撃もいい方向につながっていくと思いました。連勝したので明日は気負わず、しなくてはいけないことをきっちりやって3連勝したいと思います。今日は韓国の応援も多く、日本ではないくらい声援をもらって、本当に気持ちが良かったし、力になりました。

李相佰盃自体に参加するのは、自分は今回が初めてです。ただ、去年のWUBSには参加しています。去年やった時に、日本の大学チームは最近のトレンドの速いバスケット、スリーポイントとか、中に入るとか、そういうことをしっかりやってくるチームで手強いチームだという印象を持っていました」

◆在籍する高麗大学校は8月に代々木で開催されるWUBSにも参加する。その抱負も聞いた。
「昨年は少し残念な結果になってしまいました。今年はしっかり準備して、学校の名前を海外のチームに轟かせられるように、そして自分の力を海外に対してしっかり示せるように頑張っていきたいし、去年よりも成績を伸ばしていきたいと思っています」。


【試合後コメント】日本男子選抜 網野 友雄HC

「昨日のゲームを踏まえて、受け身になってはだめだというところを意識していました。中でも、僕は浅井(#28)にこのチームを背負って成長してほしいというふうに思っているので、ファーストオプションを彼のところでアタックするよう指示し、今日は攻めてくれました。彼は本当にいいタレントを持っているので発揮して欲しいし、今日の積極性は評価できると思います。その一方で力も入りすぎていて決められるシュートが決められところが、最後に自分たちの首を絞めたなという印象です。ただ最後まで。ショットを狙いながらできたというところは昨日よりはよかったと思います。

韓国の5番に打たせてしまいましたが、ディフェンスでスイッチを使っていたんですが、ボールが離れたときに少し気が緩むという感じがあります。オフボールのスクリーンでそこが対応できていないという感じでした。そこはコミュニケーションが大事です。アンテナを張って、コミュニケーションをとってということをしなくてはいけないかというところだと思います。

今日スタメンに入れた武藤(#60)はいいタレントを持っているので、ディフェンスとリバウンドも貢献というのはものすごく大きいと思います。そこで期待して今日は長く使いました。最後のところはハーパー(#3)の所で得点を狙っていたんですが、ボールが入らなかったので、武藤が攻めてくれたという形になりました。

明日は勝ち越すことはもうできないんですが、見に来てくださっている方や大会を準備してくれた方々のために1勝して終わりたいと思います」


【試合後コメント】#17星川 開聖(2年・SF・筑波大学)

「今日は絶対勝つ、気持ちで負けないということをみんなで言って試合に入りました。昨日のフィードバックでよく守れていたところを確認して、そこをやろうというところをやっていたので、出足は悪かったですが、途中から立て直せたと思います。

オフェンスについては、相手の4番ポジションのプレイヤーはスキルがあるタイプで、どちらかというとスピードのミスマッチだったり、フットワークのミスマッチがあったのでプレッシャーはあまり感じていませんでした。でも普段は3番をやっていて、国内だとどちらかというと小さなプレイヤーにマークされることが多く、あまりないマッチアップでした。ブロックされたのはいい経験になったかと思います。

ポジションダウンしたことで少し慣れないというか、戸惑いは最初ありました。合宿では3番で練習してイメージは一応していたんですが、あまりうまくできていなかったなと思っています。でも国旗を背負っているので責任感を感じます。個人的にはアンダー18のアジア選手権で、決勝を韓国とやって負けています。韓国の選手は国を背負うと本当に気迫が違うことは言われているし、責任感をすごく感じます。自分も同じように責任を持って最後まで戦いたいと思います」


【試合後コメント】#60武藤 俊太朗(2年・SF・明治大学)

「昨日の1試合目で前半の強度が低いという課題が上がっていて、今日の前半は悪いところもあったんですが、昨日よりも強度をあげてやることができました。ディフェンスだったり合わせの部分はよかったかなと思っています。でも後半、最後に自分がシュートを外してしまって負けてしまったので、そこの責任は自分にあると思います。最初のオフェンスはジュニアさんのバックカットがファーストオプションでした。それがうまくいかず、自分も攻め気はあったので打ちましたが、自分の力不足だと思います。

昨日は少し固く入ってしまって、自分としても悔いが残る形だったので、今日は昨日よりはリラックスできてできました。国際試合の経験はありますが、日本のホームで国際大会をしたことがなかったので、ちょっとこれまでの経験とは違う緊張感がありました。今日の結果で負け越しは決まってしまったんですが、李相佰盃をいい形で終われるように、明日絶対勝って終わりたいと思います」


終盤はアウトサイドを打っていった#5イ ジュヨン。勝負どころのスリーポイントに感情が爆発。
韓国側にも応援が数多く駆けつけ「대한민국」コールで湧いた。
日本チームへは白鷗大の大応援団がコールで後押し。代々木が2つのコールで満たされた。
網野HCが「チームを背負う選手に」と発奮を期待する#28浅井。ブロックも浴びたが、果敢に攻めて7得点。
ゲーム終盤は互いに譲らない展開に、会場も熱気で満たされた。
タイトルとURLをコピーしました