【2022関東リーグ2部・INTERVIEW】「毎年レベルアップできた。悔しさはあるが後悔はない」3部から返り咲き、創部初の1部昇格を達成してシーズンに幕/#5後藤雅史(山梨学院大・4年・主将・PG)

2022関東リーグ

今季、春から関東大学界の話題をさらった山梨学院大。2部復帰初年度ながら3月の新人戦、5月のトーナメントでベスト8に入り、周囲から一躍マークされる存在になった。注目の2部リーグは初戦の東洋大戦を落とし、黒星スタート。しかし2戦目以降は高い攻撃力とディフェンス力で2部リーグを牽引し続けた。最終的には2位でシーズンを終えたが、コロナ禍を乗り越え、3年間で3部から1部へと躍進を果たした。
エース#67武内を筆頭に3年生が主体のチームだったが、数少ない4年生として重責を担った#5後藤の活躍もなくてはならないものだった。標的にされ、負けられないプレッシャーにさらされながらも、2ヶ月を戦い抜き、あとは後輩にバトンを渡す。

─1部昇格おめでとうございます。2巡目の首位決戦で江戸川大に負けたのは残念でしたが、1部行きを決めて今はどのような気持ちですか?

「そうですね、確かにあの負けは悔しかったです。2部1位が行けるインカレ出場権も自力では決められなくなり、モチベーションも落ちかけていたんですが、ミーティングを何度もやって、残りの試合は自分たちのやることをやりきろうと。そして試合をただこなすだけでは来年1部に上がったときに戦えないので、来年下級生たちが1部でやるために、試合の経験を積めるようにと考えて、残りの試合をやっていこうという状況になりました。古田さんも来年のことを考えて、ローテーションもまんべんなく15人ほど使って回しています。僕たち4年生のプレータイムは少し減ってしまいましたが、とにかく来年のためにやることをやっていきました」

─3年ぶりに総当りの2巡・全22試合が行われた2部リーグはどうでしたか?

「22試合を経験したのが1年生のとき以来ですが、その時の自分はそんなに試合に絡んでいたわけではなく、チーム内にも経験している人がほぼいない状況でした」

─リーグ初戦を落として(対東洋大72-65)、やはり2部は簡単ではないのかと思いましたが、そこからは持ち直して長く首位をキープしました。

「トーナメントと新人戦でいい結果を残したということもあって、2部でも優勝しないといけないと気負いがありましたし、正直不安もありました。毎試合絶対に勝たなければいけない試合で初戦を落としてしまって、どうなるか分からない状況でリーグが始まりましたが、そこから練習をし続けてチームも良い雰囲気で強くなっていったと思います」

─2部に戻ってきたばかりで、追われる立場だった苦しさもあったかと思います。

「それはめちゃくちゃありました!もう一度2部リーグ戦を一から同じ状況でやれ、と言われたらあまりやりたくないぐらいの気持ちです(笑)」

─そんな中で苦しい試合でも跳ね返した強さがありました。3年生が多いチームですが、4年生として後藤選手の存在感は大きかったと思います。素晴らしい活躍の試合もありました。

「駒澤戦(第10戦・延長戦で98-95)なんかは、自分の持ち味であるディフェンスやペイントアタックが決まってよかったです。その日はたまたまシュートが当たっていたのもありますが、そういう風に良い影響を与えられた試合もあったと思います」

9/25の第10戦、駒澤大学戦では後藤のシュートで延長戦に持ち込んだ。この試合27点と大活躍で、強敵の駒澤大を破った。

─この4年間、全敗で3部に落ち、苦しい時期を乗り越えての1部ですね

「1つ上の先輩たちは全敗して降格し、その翌年は3部で優勝しましたが、コロナ禍で昇格システム自体がありませんでした。でも古田さんが僕たちには1部の下位チームの力はあるとずっと言い続けてくれて、そこで切れずに翌年の3部で全勝して2部に戻ってきました。先輩たちはすごく悔しい思いをしていて、たまたま自分の代に2部でやれる機会を得られたので、その先輩たちの想いを勝手に背負うというか、そんな気持ちでやっていました。プレッシャーもめちゃくちゃありました」

─逆に言えば3部・2部・1部とずっと上がり続けた3年間でした

「毎年毎年、レベルアップできた4年間だったことは確かですね。3部に落ちた年は古田さんが7月にいらっしゃって、9月のリーグ戦まで2ヶ月ぐらいの間にチーム作りをしなければなりませんでした。そのため、結構厳しい状況でリーグが始まってしまい、うまくいかなかったのが大きいと思います」

後藤が2年だったときの2020年の3部オータムカップ。山梨学院大は3部で優勝するが、この年はコロナ禍で入れ替え戦が行われず、チームは3部にとどまった。

─そこから考えると、本当に素晴らしい結果を出し続けて来たことになります。

「古田さんは毎年僕らに基準を設定してくれました。最初の方から『1部の下位の力がある』ということはずっと言い続けてくれましたし、トーナメント大会では『ベスト8に行かないといけない』という基準がありました。そうやって常に基準を設定してくれていたので、そこに僕たちも合わせてやらないといけなくて、チーム内の競争も激しくなっていきました。本当にいろんなことがあった4年間でした。次は古田さんは来年に向けてベスト4という基準を設定してくれているので、後輩たちはそこに向けてもっと高いレベルで頑張って欲しいです」

─大学バスケの4年が終わります。後藤選手としてはやりきった感覚はありますか?

「少し悔しさはありますが、とりあえず後悔はありません。4年間大学で後悔したくないという気持ちで常にやってきたので、充分やりきったと思います」

4年生としてやるべきことはやった。来季は多く残る主力に託された。
#5後藤 雅史(ごとう まさし)/4年/PG/169cm/69kg/九産大九州

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