【2022早慶戦インタビュー】「自分たちのバスケットをしっかり40分やろうとした」#12土家大輝(早稲田大・4年)/「この大規模な大会は、関わるすべての人のおかげで成り立っている」#4山下卓馬(慶應義塾大・4年・主将)

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46得点という大車輪の活躍でチームを牽引/#12土家大輝(早稲田大)

開始1本目のシュートを沈め、その後も次々とボールがネットに吸い込まれていった。34分の出場で46得点、11本のスリーポイントは早稲田大の応援席を歓喜させ、慶應義塾大の応援席には感嘆のため息をつかせ、エースとして、また4年生としての輝きを放った。
現4年生は有観客での早慶戦を経験した唯一の世代だ。しかも代々木での早慶戦は初体験でもある。この大舞台での活躍には本人も満足が伺えるが、すでにその先の秋シーズンも見据える。この活躍を弾みに、リーグ、インカレでのプレーぶりにも注目だ。

─有観客で代々木、満員の中での早慶戦でした。いかがでしたか。

有観客試合は1年のとき以来です。あのときの負けた悔しい気持ち、負けるとは思っていなかった試合で自分たちの徹底不足で負けた苦い思い出がありました。今回場所は代々木で(3年前は早稲田記念館で開催)違いますが、まずは自分たちのバスケットをしっかり40分間やろうと考えていました。それが体現できたのかなと思います。

─1年生だった3年前は、早慶戦自体も初めてで気持ち的にも難しかったのでしょうか。

早慶戦はどちらかが決めたらその応援席が盛り上がりますよね。そういう中でなかなか流れに乗れないところがありました。でも、早慶戦はそういった中でも、4年生の気持ちで左右される試合だということは毎年感じていました。だから今回は最初に4人、最上級生がコートに立ってガツンといこうとずっと話していたんです。そこの準備をちゃんとしていたので、気持ちの部分でも勝ったのかなと感じています。

─その中で、土家選手はかなりスリーも決まりましたし、気持ちが良かったのでは。

気持ちよかったです(笑)。あんなに当たるとは思っていなかったので。早慶戦の舞台だかたらこそ決めたときの声援もすごいし、自分の気持ちも高まりました。集中力が切れなかったのも、応援があったおかげだと思っています。

─Bリーグの特別指定などでも、大勢の観客がいる試合を体験していると思います。早慶戦での試合との違いは感じますか?

やっぱり早慶戦はお互いのプライドのぶつかり合いがすごいですよね。お互いに文武両道で、バスケットだけでもなく、勉強だけでもない。早稲田と慶應に入った選手たちがそのプライドを4年間、3年間、1年間というふうに積み上げていきます。そしてそれが早慶戦という、独特で、偉大な先輩たちが積み上げてきた伝統の戦いを形作っています。プライドのぶつかり合いというところで、気持ちの入り方も違うように思います。

─プライドや気持ち面ではどんな時も引けをとらないように、という感じですね。

自分たちは早慶戦をリーグ、インカレに向けての通過点というふうに捉えてはいますが、ただ勝てばいいという試合ではありません。自分たちがしっかり圧倒して勝つという目標をシーズンが始まる前から掲げていましたし、それを表現した試合にもなったかなと思います。

─この先、秋シーズンへと向かっていく訳ですが、抱負を聞かせてください。

有力な1年が入り、春先からやってきて、チームの特徴も個人の役割も明確になってきました。そこに対していかにチームのために一人一人が頑張れるか、プラス攻撃面で関東1部の留学生がいるチーム相手に、どう得点を作っていくか。そこが大事ですね。ボックスアウトとディフェンスの徹底が大事になってきますが、本当にそこを追求していくだけだと思います。リーグ戦に向けて頑張っていきたいと思います。

ディフェンスをはじめとする泥臭いプレーには実力差はない/#4山下卓馬(慶應義塾大・主将)

チームの立ち位置は1部と3部という開きはあるが、そこにとらわれずにどこまで懸命にやれるかが早慶戦の大きな見どころでもある。コツコツと地道なプレーでチームを支える大黒柱は、ディフェンスやリバウンドでチームを支えた。試合終盤には足に来たが、それでも最後はコートに戻り、早慶戦で主将として見せるべきものは見せた。
秋に向け、3部というチームの現在地からいかに浮上するかが次なる最大の目標となるが、この大舞台での経験を次に活かしたい。

─満員の代々木での早慶戦、いかがでしたか。

最初は早稲田が得点を決めましたが、耳鳴りなするような歓声でした。こんな会場で今までバスケットをしたことがなかったので、すごく独特な雰囲気だと身に沁みて感じました。

─緊張はありましたか?他にはない試合であり、貴重な場でもあったと思います。

正直にいうと結構緊張していました。でもこの大規模な大会が開催できたのは、学生スタッフはもちろん、運営事務局の方々、応援してくれる人がこれだけ入ってくれたからこそ成り立ったものです。日頃のぼくたちの練習も自分たちだけでやれている訳ではなく、社会人のスタッフの方々や、スタッフの一人一人が僕たちを支えてくれるからこそ、2月のチーム開始からここまで練習してくることができました。そこは本当に貴重な経験だし、感謝したいと思います。

─早慶戦でキャプテンとしてどのようなことをチームに表現しようと考えていましたか?

早慶戦は4年生の気持ちが強い方が勝つとよく言われます。まずはそこを意識しました。自分に何ができるかと考えたときに、うちには水谷(#7)と山本(#9)のダブルエースがいるので、点を取りにいくということはありますが、ディフェンス・リバウンド・ルーズボールといった泥臭いところは、実力差は関係ないと思っていたので、そこだけは一生懸命やろうと思っていました。体現できた部分はあるし、まだまだ詰められるところもあるなと感じています。そこは秋シーズンに向けてやるべきことをやっていきたいと思います。

リバウンドに負けじと飛びつく。

─1部の早稲田大と対戦したことも貴重な機会です。どのような気づきや秋に向けての課題が見つかったでしょうか。

大きく分けて2つあります。一つはシュート力の違いです。12番(土家)は本当にシュートが入っていましたし、他の選手もちょっとしたシュートは確実に決めていたので、そういったシュート力は秋シーズンの課題です。もう一つはディフェンスの一線の強さです。そこもまだまだ個人の力では負けてしまっていたので、チームに頼らなくても個でしっかり守れるように。その2つについて取り組んでいきたいと思います。

─キャプテンとして目指す像を教えてください。

自分ではこれまで、みんなの前で立って引っ張っていくという経験をこれまでしたことがありませんでした。コミュニケーションといった部分は大事にしなければならないんですが、誰よりも練習するとか、トレーニングとか食事のこととか、そういうことをしっかりやる、一生懸命なところを見せる、というのは自分にしかできない武器なのかなとも思っています。姿勢でしっかり示していくキャプテン像を残りのシーズンで見せていきたいと思っています。

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