開催レポートに続き、初日に参加チームしていたチームから、主将の声をいくつか紹介する。
【東海大】「優勝から心を切り替え、誰も慢心はない」徹底した土台づくりから再び狙う日本一の座/#0黒川虎徹(4年・PG)
─ KU CAMP初日の手応えは。
「1試合目は点が入り、2試合目は逆に点が入らず、重たくなってしまいました。インカレ優勝という目標から逆算すると、そこに至るまでにこうやって起こる波をどれだけ減らしていけるかが大切です。それを今、直すように意識していかないといけないよ、それが大事だよ、と話し合っています。自分たちが相手を60点以下に抑えるバスケットするのを目指しています。ただ、この時期はミスが起きるものなので、どんどんチャレンジしつつ、自分たちがどういうチームなのか、ディフェンス・リバウンド・ルーズボールを徹底していくことを大事にして体現していく必要があります」
─ 今年度のキャプテンとして。
「自分たちがどういうチームかというのを、自分が本当に示さないといけないなと思っています。ボールプレッシャーだったり、声かけだったり、まだまだできていないんですけど、そこをシーズン通してやっていくことで、自ずとできていくのかな。同級生たちとはコミュニケーションをとれているし、各々リーダーシップもあるメンバーたちです。あとはどれだけ周囲を引き上げられるかというところを、自分としては意識してやっています」
─ 春のチーム作りについて。
「今季は1月6日に始動して、土台づくりを徹底的にできました。4年生は特別指定に行っていませんが、逆にそれがチームとして良い方向にいきました。去年インカレで優勝し、自分たちがどういうチームかというのをもう一度見直したかったし、そこで誰も慢心せず真面目に取り組む、いいオフシーズンを過ごせたと思います。やはり4年生がどれだけ残ってチームをまとめられるかは重要だと思えた期間でした」
─ 昨年はインカレ優勝という最高の締めくくりで終え、新シーズンに入ります。
「優勝したことでむしろ慢心することなく、今年もインカレ優勝するという原点回帰を目標に掲げています。自分たちのアイデンティティをしっかり確立していこうとしているし、去年の優勝からも既にもう切り替えはできています」
─ 東海大諏訪から入野貴之氏がアシスタントコーチとして加入されました。
「高校時代の恩師が今年からスタッフに加わってくれました。僕個人としては高校のときに日本一になれていません。だから大学で、自分が最高学年となる今年、陸さんと入野さんを日本一にして終わらせたいなというのを、一つのモチベーションとしてやっていきます」
【筑波大】人生初キャプテンに就任、リーダーとして「自分を出しすぎるほどに出していく」/#34三谷 桂司朗(4年・F)
─ 新チームの手応えは。
「新チームとなって実戦形式で試合をするのがこのキャンプが初めてですが、今後のビジョンがぼんやりとですが、見えてきた感触です。みんなも何をすればいいのか、だんだんわかってきたと思うので、いい機会になりました。特に、ここ数年は留学生のいるチームに対してなかなかアタックしきれず、シュートを決めきれないシーンが多くありました。でも今シーズンは全員がスリーポイントを打てる強みもあるので、それをうまく活かしてオフェンスをしていこうと考えています。まだ未完成ではありますが、そういう形が見える試合が、このキャンプでできました。1年生たちものびのびやってくれています」
─ キャプテンを務めるにあたって。
「今回、人生で初めてキャプテンを努めます。どうやっていけばいいのか、わからないことがたくさんあります。でも人それぞれのキャプテン像があると思うし、歴代のキャプテンを真似るのではなく、自分らしいキャプテンの姿をこの1年で見つけ出し、チームを作っていこうとしています。日々の練習からコミュニケーションを取って、リーダーシップを発揮していきたいですね」
─ 昨年から意識して変化したところは。
「昨年までは先輩に頼ってしまっている部分がたくさんありました。4年生になったというのもありますし、自分でも積極性を出さなければと感じています。頼って消極的だったというのは、特に昨年のインカレでは痛感しました。だから今年は自信をつけたいというところから始まって、いろんなワークアウトをしたり、試合映像をたくさん見たりしながら、自信を持つところからはじめました。そこが去年の負けから学んだことでもあります。
うちはどの選手もチームの中心になれる選手。そういう集まりの中で、いい意味で自我を出すことがなかなか難しい3年間でした。でも4年目はちょっとしつこいくらい自分を出していいんじゃないか、と吉田先生からも言われています。だからチームを信じて自分を出していくと決めています。それが一番大きな今年の変化になると思います」
【専修大】「噛み合えば面白いチームになる」下級生の成長にも期待/#11赤嶺有奎(4年・PG)
─ 新チームの目標は。
「昨年叶わなかったインカレ優勝が最大の目標です。春のトーナメントも秋のリーグ戦も、最後にあるインカレにつながる試合をしていこうと思っています。
チームとしては2月中旬くらいから本格的にスタートしましたが、今の段階では噛み合っていないところも多いし、まだまだです。でもこれからすごく面白いチームになっていくんじゃないかなと思うので、長い目で見てもらえたら(笑)。でもその中でもディフェンスとリバウンドという、チームで掲げているものに関しては、徹底しようと意識しています」
─ 今季のキャプテンとしての心構えは。
「自分が1年のときのキャプテンは重冨友希さん(現B2福岡からB3山口へ期限付き移籍中)、2年はキングさん(現B1横浜)、3年では喜志永さん(現B1富山へ特別指定加入)というすごい人たちでした。自分は全国で活躍したプレイヤーでもないし、彼らとは違います。でも自分が自信を持ってできるのは、声を出すことや、チームのために何でも全力でやること、ウエイトや練習、そういう細かいところでも声をかけて取り組むという姿勢の面では、この3人には負けていないと思います。そこで一生懸命頑張って、チームを鼓舞できたらいいと思っているので、1年を通してやっていきたいと思います」
─ 注目して欲しいところは。
「やはりスティーブ(#13クベマ)とケニー(#16淺野)。彼らはプロになるんだ、という強い意識でやっていますし、他の選手を蹴散らして欲しいと思っています。個人的には2年の#31松野(2年・SF)はポテンシャルが高いので注目です。今シーズンからプレータイムも増えていくと思うので、彼の活躍が鍵になるはずです。成長にものすごく期待しているので、能力をぜひ見て欲しいです。新留学生の#97ジョベ(1年・C・高知中央)はオフェンスで周りが見られるし、すごくいい子で真面目です。ディフェンスや走力を身につけて、成長して欲しいです。ぜひ専修を応援してください」
【神奈川大】掲げるのは「日本一」、高い目標を設定することで、意識も一段階高いところへ/#25向 奏瑠(4年・F)
─ KU CAMP初日の感触は。
「どの試合も入りが悪かったりしましたが、全体を通して見るとチームとしてディフェンスを我慢して得点も取れました。まだ力は足りませんが、結構よく仕上がってきていると思います。今のチームは走れるので、結構生き生きしていて、いい流れでバスケットができています」
─ 今年度の目標を。
「ずばり日本一です。去年と違う部分は、昨年の目標はインカレベスト4だったんです。でもその目標でやって、インカレではベスト8決めのところで東海と対戦して負けてしまい、勝った東海は日本一になりました。つまり、目標が中途半端だと、ある程度できたところで満足してしまうのではないかと。そこで今年は日本一に目標を決めて臨んでいます。これは監督も含め、副キャプテンの恭平(ナロン・4年・SG)や、永沼(3年・F)などと話し合って決めました。一番上を目指すことで、それにふさわしい練習ができると思います。だからこそ、日本一を掲げてやっていきます」
─ 昨年は1部昇格後、最高勝率を達成。手応えもあった年では。
「手応えを感じてはいるんですが、これで満足してしまうと、停滞してしまうし、それは衰退するのと同じだと思います。だからこそ、去年の成績からより上を目指したい。それはたぶんみんな感じて受け止めていると思います。去年とはまた違う危機感を持っているし、向上心も去年より出てきたかなと思います。シーズンが始まった頃と比べると、マインドセットもみんな良くなってきて、いいチームの雰囲気で活動できているので、この調子でやっていきたいと思います」
その他のチームたちもさまざまな選手を試す場になっていた。
【大東文化大】今回、大東文化大は主将の#4菊地(SG)、2021年度新人王の#21富山(PF)が欠場。しかし昨年度から経験を積んできた選手が多く、今年も層は厚い。
【中央大】大エースであった渡部、大黒柱の吉田が抜け、#2内尾(F)、#60蒔苗(F)、#0樋口(G)らが最終学年として主力となる。下級生の台頭が鍵になりそうだ。
【九州共立大】九州地区から今回唯一の参加となった。昨年から下級生主体で戦い、インカレではグループ1位で勝ち上がり、トーナメント初戦で神奈川大に惜敗。今年は関東越えなるか、地方で注目したいチームの一つだ。