【WUBS2025】高麗大学校がデ・ラサール大学に昨年の借りを返しWUBS初優勝(2025.8.11)

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世界各国から8つの大学チームが集ったWUBSは最終日。第1試合の5位決定戦から互いのシュートが決まるたびに会場が大声援に包まれた。試合の合間にはチーム代表者によるスリーポイントコンテストも開催されるなど、盛り上がる1日となった。

【大会結果】
優勝   高麗大学校
準優勝  デ・ラサール大学
3位   日本体育大学/NSSU
4位   日本学生選抜
5位   国立政治大学/NCCU
6位   シドニー大学
     フィリピン大学(順位なし)
     香港大学(順位なし)

NCCUが後半逆転で5位、シドニー大学は6位

5位決定戦、国立政治大学(NCCU/チャイニーズ・タイペイ)シドニー大学(オーストラリア)戦は、シドニー大学のリードから始まったが、2Qに入りNCCUがディフェンスから反撃。点差を縮めて37-44で前半終了。3Q残り6分、NCCUがついに追いつくと、ここからはシーソーゲームになったが、レイアップやスリーポイントが決まったNCCUが60-55と逆転した。4QもNCCUが強いゴール下で粘り、アウトサイドシュートでゲームを支配。残り5分には#10宋昕澔のスリーポイントが炸裂し、リードを11点に広げると、点差を守りきり77-67で試合終了となった。

NCCU#10宋昕澔が28点のチームハイ。大会を通じて活躍が目立った。

日本体育大学が日本学生選抜を下し3位に

3位決定戦は日本チーム同士の戦い。立ち上がりは日本学生選抜のスリーポイントが気持ちよく決まり先行。しかしインサイドの#8近が早々に2ファウル。日本体育大学は#7西部の速攻、#52小田のスリーポイントが決まり追い上げていく。それでも日本学生選抜はスリーポイントの好調さもあって23-20とリードした。2Q、日本体育大学は#6吉田のスリーポイントで逆転。ここからは競り合いになるが、シュートタッチが好調な日本学生選抜が47-40とリードして前半終了。

後半3Qも接戦が続く。日本体育大は#7西部が速攻をはじめ得点を引っ張って逆転。日本学生選抜はさまざまなメンバーを使い分けるが3Qはうまくはまらず、セカンドメンバーの奮闘が光った日本体育大学が57-65とリード。4Qも互いにリズムが行き来する展開となるが、日本学生選抜は決定的なシュートチャンスをなかなか得られない。日本体育大学は#10 早田のシュート、#21月岡のバスケットカウントなど、チームが盛り上がるプレーが出て72-86で試合終了。3位で大会を終えた。

日本体育大は#7西部が得点を牽引。らしい速攻など、持ち味を発揮。

日本体育大学はこのあと、今季新たに創設された大学生の国際大会、AUBLAsia University Basketball League白鷗大学とともに日本代表として出場する。今大会を終えて「国際試合に慣れることも含めて、突き詰めるために修正を考えていく」藤田HC。AUBLは1週間でグループリーグとトーナメントの合わせて5試合を戦うハードな内容だが、一回り成長した姿を8月末からの関東リーグ戦で見せてもらいたい。なお、WUBSに出場したチームでは他に香港大学NCCUが出場する。

日本学生選抜は4位で大会を終えた。7月の新人インカレで優勝した日本経済大学からは#3児玉が参加した。「自分が、というよりチームで出した結果で選ばれた」という中、緊張や不安で自分の持ち味を出す難しさを感じつつ、最終戦では「自分のプレーができた」と振り返る。海外チームの選手には「高さが一回り違ったり身長が大きいのはもちろん、身体を使ったプレーが上手」と実感。また、短期間ではあったが選抜チームでの練習は、コンディションの持っていき方や試合への準備など、試合以外で学ぶことが多かったという。「日経のチームに足りていないものがあってそれを学べたので、持ち帰って監督やトレーナーとも話をしたい」という部分を、秋のリーグ戦やインカレに向けてぜひ活かしてほしい。

日本学生選抜#3児玉は西尾HCからはディフェンスを求められたが、伸びやかな速攻も見せた。

鉄壁のディフェンスを武器に高麗大学校がデ・ラサール大学を圧倒

決勝戦、連覇を目指すデ・ラサール大学(フィリピン)と昨年の雪辱を期す高麗大学校(韓国)の戦いは立ち上がりから激しいフィジカルがぶつかりあった。先行したのは高麗大学校。ディフェンスで相手を押さえてデ・ラサール大学のゴールを防ぐ。オフェンスでは#1ユ・ミンスがペイントアタックで得点。#10ユン・キチャンのスリーポイントも決まった。デ・ラサール大学は持ち味の個人技を防御される展開が目立つ中、#13バクラーンの2本のスリーポイントで返すが16-31と差がつく出足となった。2Qも高麗大学校の勢いは止まらない。ディフェンスから繰り出す速攻、スリーポイントで差は開いていくと35-57で前半終了。

3Q、デ・ラサール大学は激しいディフェンスにゾーンも織り交ぜながら守っていくが、高麗大学校もポイントとなる選手を押さえて攻めさせない。追うデ・ラサール大学は#25フィリップスが守られながらもゴール下をねじ込んでいくが点差は開き51-75。4Q、デ・ラサール大学のディフェンスはさらに激しさを増し、ペイントへのアタックも続いて点差を感じさせない熱いプレーが続く。対する高麗大学校も#11イ・ドングンが負傷で一時ベンチへ下がるも、チームの士気は下がらず好プレーが続いた。高麗大学校は終盤ベンチメンバーもコートに送り出しつつ試合を進め、85-95で試合終了。WUBS初優勝を果たした。

決勝では高麗大学校#10ユン・キチャンが26点のチームハイ。スリーポイントも6本決まる大活躍だった。

持ち味をディフェンスとする高麗大学校。立ち上がりから激しく当たってデ・ラサール大学のポイントゲッターを押さえた。スティールは11、デ・ラサール大学に20のターンオーバーを与えたディフェンス力の高さは「防壁」の異名にふさわしい。また、準決勝では前半シュートに苦しんだが、決勝では立ち上がりからそれぞれの選手に当たりがきて、1Qで16-31。決勝に向けては「スリーポイントが重要になる」とHCは語っていたが、13/31と高確率で沈めて理想的な展開となった。

対するデ・ラサール大学は終始追う展開だったが、最終の4Qまでディフェンス・オフェンスとも諦めずに奮闘した。徹底マークされながらもエース#25フィリップスが30点12リバウンド。ゴール下での激しい競り合いには会場から何度もどよめきが起こった。

2度WUBSに出場し、力強いプレーと明るいキャラクターを印象づけたデ・ラサール大学の#25フィリップス「KOREAは強い。Very Good Team」と称えた。大勢のファンや関係者が応援に訪れてくれて最後まで声援を送ってくれたことには「幸せ。本当に疲れたけど(おかげで)戦えた」と感謝した。出場チームは全員が同じホテルに滞在しており、各国選手とSNSでつながったり、積極的にコミュニケーションを取るなど、滞在を楽しんでいた様子もうかがえる。こうした国際交流もこの大会の大きな価値だろう。日本でプレーするのを目標にするが、いつかBリーグで再び姿を見られるかもしれない。

激しいディフェンスを受けながらもゴールをねじ込んだデ・ラサール大学#25フィリップス。

MVPに輝いた高麗大学校#24ムン・ユヒョン「周りの選手もよくやってくれたのに自分がMVPで申し訳ない気持ちもある」と謙虚な感想だった。確かに彼のみならず、ドリブルからダンクまでマルチにプレーできる#11イ・ドングン、インサイドでファイトする#1ユ・ミンス、決勝でスリーポイント6本を沈めた#10ユン・キチャン、2ガード、3ガードのときには確実に役割を果たした#6パク・ジョンファンや#23ヤン・ジョンウンなど、チーム一丸となったプレーが勝利を引き寄せた。そしてその中でも#24ムン・ユヒョンが3試合にわたって輝きを放ったのは事実。チームにおける自分の存在の大きさを認識し、責任をしっかり果たした優勝になった。既にナショナルチームも経験しており、将来が期待されるが「この大会をきっかけにもっといい選手になりたい」という。「オファーがあればBリーグにも」と意欲を語った。

高麗大学校#24ムン・ユヒョンは3試合で63得点、スリーポイントは10本沈めた。
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