大学チームが戦う3x3大会、「3×3 Next College Monsters Festival 2022」は、駒澤大学が接戦を勝ち上がり優勝!

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優勝は駒澤大。左から齋藤、千田、諸橋、松本。

大学生世代の3x3(スリー・エックス・スリー)の競技者拡大に向け、日本バスケットボール協会が主催するテストイベント大会が、女子2月19日(土)、男子20日(日)の2日間にわたり、国立競技場代々木第二体育館にて行われた。大学生に限定した3x3大会の開催は初となる。参加対象のなったのは、2021年度において関東大学バスケットボール連盟の1部から2部に所属する1〜3年生。男子は新人戦がすぐ間近に控えるため、3年生主体のチームが多数を占めたが、1、2年をメンバーに組み込んだ大学もあった。

男子は棄権チームもある中、やや変則的な対戦となったが、全17チームでA〜Eプールに分かれて予選を行い、勝ち上がったチームがトーナメントでクォーターファイナル、セミファイナル、ファイナルへと進んだ。決勝は高さと攻撃力を併せ持つ専修大と、接戦を制して勝ち上がった駒澤大が対戦。どちらも譲らない勝負となったが、駒澤大が残りわずかの時間から抜け出して優勝した。

専修大は準優勝。左から菊池、遠藤、新田、ケイタ。

プール予選ではノックアウト勝利が続出、最後までわからない3x3の世界

3x3は4名のチーム構成で監督はおかず、選手交代もタイムアウトも選手たちが決める。ボールは大きさが6号球サイズ(重さは7号球と同じ)で、通常のシュートは1点、スリーポイントラインからのシュートは2点で、10分間で勝敗を決する。あるいは、21点先取すれば、ノックアウトで試合終了だ。ショットクロックが12秒と短いため、短時間で判断して動く能力も必要になる。

プール予選ではノックアウト勝利が続出。大差がつく試合は少なく、ぎりぎりまでわからないスリリングな展開が多かった。あと1点、2点で足踏みする時間帯や、相手チームが2点狙いで決めきれない中、巻き返して競り合いになるというのは、3x3らしい面白さといえる。

そんな中でもインサイド・アウトサイドともに安定感が見えた専修大、白鴎大、駒澤大などが予選を勝ち上がっていった。また中央大、法政大、といった個人技の高い選手を揃えたチームも良さが光り、トーナメントを勝ち上がった。クォーターファイナル以上のトーナメントに入ると、ノックアウトは少なくなり、拮抗した戦いに。決勝の専修大と駒澤大の戦いは、互いに譲らない戦いで白熱した。

明治大は伊藤、平松、田邉、越田で参加。プールEを2勝1敗。
拓殖大は2チームが参加。Aチームは益子、小村、鈴木雄馬、隈元。益子の得点力が盛り上げた。

決勝は専修大VS駒澤大・1点を争う展開から駒澤大が抜け出し優勝を果たす

決勝に進んだのは専修大駒澤大。専修大はプール予選とクォーターファイナルの3試合をノックアウトで勝ち上がり、セミファイナルではこちらも力を示した白鴎大を19-16で下した。メンバーは#0ケイタ(3年)、#8菊池(3年)、#21遠藤(3年)、#24新田(3年)で、平均身長191cmの高さと攻撃力が予選から際立った。一方、駒澤大もプール予選3戦をすべてノックアウトで下し、セミファイナルでは激闘の末に20-18で中央大に勝利。内外でプレーできる器用なビッグマン#41松本(3年)や、シュートタッチが良かった#14千田(3年)、バランスよく貢献した#9齋藤、#15諸橋(3年)と、サイズは専修大には劣るが内外でバランス良さが光る。

専修大は遠藤のドライブや新田のシュート、長い手足を生かしたディフェンスも良かった。

立ち上がりは駒澤大が積極的に中に仕掛け、#41松本の連続得点で先行。そこから専修大は#0ケイタが返し、#21遠藤のオフェンスリバウンドで追いつく。駒澤大は#14千田の2点シュートが連続して逃げるが、#24遠藤がタップで押し込んだ専修大も譲らず、開始5分を過ぎて取られたら取り返す1点を争うゲームとなった。残り1分、駒澤大はルーズボール争いに勝利して1点先行。専修大はタイムアウトを請求したあと、#0ケイタがフリースローを獲得して残り43.8秒で14-14の同点にする。最後の攻防は互いに激しくボールに食らいつく中、#41松本がゴールへアタックし、14-15。これが決勝点となり駒澤大が頂点に輝いた。

今大会はテストイベントとしての開催となったが、今後も継続的な開催を目指すという。大学生世代の3x3は西野曜(専修大→現B1渋谷)や、松脇圭志(日本大→現B1三遠)、杉本天昇(日本大→現B1群馬)、中村太地(法政大→現KBL原州DBプロミ)など、在学中からオフシーズンなどを利用して3x3で活躍する選手もいた。また、プライベートで仲間を募り、オープン大会に出場している選手もいる。しかしまだまだ盛り上がっていきたい分野でもある。また、今回は無観客開催となったが、音楽が流れ、MCが実況で盛り上げる試合は、5対5の公式戦とは異なるエンターテイメント性もある。次回はぜひ観客も一体となって盛り上がれる大会開催と、これまでの名選手たちに続くような“ネクストモンスター”の誕生を期待したい。

専修大・ケイタと駒澤大・齋藤のリバウンド争い。

「メンバーがそれぞれの役割を果たしたからこその、優勝」#14千田 蓮(駒澤大)

高校時代に3x3経験があったという千田。大会情報を知り、ぜひ出たいとチームでメンバーを集め、参加した。
攻撃力の高い明治大、中央大などを破って勝ち進んだが、セミファイナルの対中央大戦では劣勢をひっくり返すなど、勢いがあった。進んだ決勝でも強敵の専修大を撃破。千田の得意な2点シュートでも大いに試合を盛り上げた。

─優勝おめでとうございます。勝因はどこだったでしょうか。

「めちゃくちゃうれしいです。決勝は集中力が切れませんでした。準決勝の中央大戦もそうでしたが、差をつけられても負けないという気持ちとか、集中力が続いていました」

─今大会はキャプテンとして臨まれましたが、参加の経緯などを教えてください。

「この大会が開催されると聞いて、自分は四3x3の経験があったので、とにかく出たいという気持ちがありました。1、2年は新人戦があるので、3年生たちで出場しようという事になり、そこでメンバーを厳選しました。松本(#41)と自分が3x3の経験がありますが、ほかの2人は未経験のメンバーです」

─ 今日はどのようなところが良かったですか?

「みんながそれぞれ、自分の役割をしっかり果たしていたと思います。2ポイントが入る人は2ポイントを狙いにいって、ディフェンスをする人はディフェンスをする、リバウンドを取る人はリバウンドを取る、という役割を個々にこなすことができたと思います」

─ 決勝は松本選手のシュートや、千田選手の2点シュートがかなり勢いをつけましたね。

「それは気持ちですね。絶対に優勝してやろうと思っていたので、気持ちをプレーに出しました」

─3x3で大事なところはどういうところだと思っていますか?

「シュートの決定率です。1点と2点があって、2点だと単純に2倍の得点なので、そこをいかに決められるかというところが大事かなと思っています。だから決勝も自分が2点を取ってやろうという気持ちでやれたし、それが入って良かったです」

─個人的に3x3の楽しいところは?

「3対3なのでボールも5対5より自分に回ってくるし、個人技を出せます。自分の得意なスリーポイント(2点シュート)を発揮できるところが好きですね。自分には3x3の方が合ってるかな?と思うところもあります。でもどっちも好きです。駒澤自体も個々のレベルが高いので、3x3に合っている人も多いかなと思います」

─棄権チームもあって、短時間にこなす試合数も多い大会となりました。

「前日に組み合わせが変わり、試合数も増えました。でもやれてよかったです。4人で一日中試合するのはかなりきついですが、優勝できて本当に嬉しいです」

優勝し、肩を組む駒澤大。

HIGHLIGHT PHOTO

2021年の五輪で使われた、3×3のゴールを使用。
シュート力で見せた駒澤大・千田。
内外の器用さを持つ駒澤大・松本。
駒澤大のガード・諸橋。
クォーターファイナルの専修大戦VS関東学院大A戦では、ケイタ シェイクとケイタ カンディオーラのケイタ対決が見どころに。
ドライブを仕掛ける専修大・菊池。
専修大・新田。専修大はアグレッシブな攻撃が目立った。
安定感のあった白鴎大。惜しくもセミファイナルで破れた。
白鴎大はギバのゴール下の強さも際立った。
合計4チームが出場した日本体育大。古橋や青木といった主力も出場した。
中央大・濱野。惜しくもセミファイナルで敗退。
法政大は個人技のある澁谷ら、メンバーが積極的にシュートを放っていた。
東海大・江原は次第に動きが良くなった。プール予選は1勝1敗。

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