【2024WUBS】第3回のWUBSはフィリピンのデ・ラサール大学が高麗大学校を下し王者に輝く(2024.8.12)

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世界の大学バスケットボールチームが頂点をかけて戦うSun Chlorella Presents World University Basketball Series(通称WUBS)は、最終日の4試合が行われ、初出場のデ・ラサール大学(フィリピン)が優勝した。

【大会結果】
優勝  デ・ラサール大学(フィリピン)
準優勝 高麗大学校(韓国)
3位  国立政治大学/NCCU(チャイニーズ・タイペイ)
4位  シドニー大学(オーストラリア)
5位  日本体育大学/NSSU(日本)
6位  日本学生選抜/JUBF(日本)
7位  白鷗大学(日本)
8位  ペルバナス・インスティテュート(インドネシア)

【個人賞】
MVP #28ケビン・キンバオ(デ・ラサール大学)


ベストディフェンス賞 #24ムン・ユヒョン(高麗大学校)


日本勢は日本体育大学・5位、日本学生選抜・6位、白鷗大学・7位

白鷗大学は今大会本領発揮といかないまま迎えた最終戦で、ペルバナス・インスティテュート(インドネシア)と対戦。前半からリードを奪う試合運びでベンチメンバーも含め全員バスケで勝利し、7位。大会中に#20根本、#4佐伯らが接触等のアクシデントで欠場に追い込まれ、#25モンガも怪我明けで今季初公式戦となり、チームとしては苦戦の大会となったが、1勝を挙げて大会を終えた。

白鷗大学は最終戦で#34小畠スリーポイント3本の13得点。チームは55-95で勝利。

5位決定戦は日本勢同士の対決。日本体育大学日本学生選抜は立ち上がりから得点の取り合いになる。高さでアドバンテージのある日本体育大が強みを活かし、ゴール下、速攻も出すと試合を終始リード。日本学生選抜は2Q半ばまではシュートタッチもよく僅差で粘るが、日本体育大学はスリーポイントが当たってきて前半は50-36と14点の差をつけた。

後半3Qは、日本学生選抜が攻めては日本体育大が返す形で10点差程度の差がついて試合が進む。日本体育大は内外のオフェンスで日本学生選抜のディフェンスを翻弄。日本学生選抜は#8轟が連続スリーポイントやアシストで見せて10点差に縮めて4Qに入るが、日本体育大が#3土家のスリーポイントや#3小澤のシュートなど持ち味を随所に見せて引き離す。日本学生選抜は途中からオフェンスでのミスが続いて差が開くと、93-77でタイムアップとなった。

2戦目はミスの多かった日本体育大学#1コネも最終戦は修正し18点のチームハイ。

日本の大学チームは関東学連の公式戦が5月、その後は新人戦などが続いたため、全体チームでの公式戦は久し振り。大会初日はまだ固さが見える状態だった。日本体育大#3土家はWUBSに向けて準備はしてきたが、目前のリーグ戦に向けてもまだチームは「仕上がっている状態ではない」という。関東リーグの開幕は24日。この大会の経験をチームにとって良い材料にし、リーグ戦に向けてチームを整えたい。

関東学生選抜は勢いあふれるプレーで見せた3日間となった。最終戦は日本体育大の#23ムトンボや#1コネといったビッグマンを守りきれず、攻撃でも合わせのミスが出るなど短期間で作ったチームの難しさが見えた。しかし緒戦で高麗大学校を追い詰める戦いぶりを見せ、高麗大学校の司令塔#24ムン・ユヒョンは今大会で「日本学生選抜のガード選手のプレーが印象に残った」と語り、日本以外の選手にインパクトを残したのも事実。この経験を各々がチームに持ち帰り、レベルアップにつなげて欲しい。

日本学生選抜は#17横山(東海大学)が1Qに3本のスリーポイントを立て続けに決めて盛り上げた。

3位に輝いたのはNCCU、シドニー大学を前半から圧倒

昨夜の延長戦の死闘から一夜明け、敗戦から3位決定戦に臨んだのは国立政治大学NCCU)(チャイニーズ・タイペイ)とシドニー大学(オーストラリア)。NCCUは立ち上がりからスリーポイントを好調に決め、速攻も続く。シドニー大学も最初は外のシュートが決まったが、次第に確率が落ちてくると苦しくなった。NCCUはシュートタッチ、ディフェンスともに良く、総力を見せて試合を支配すると92-68で試合終了、3位フィニッシュ。

昨年優勝のNCCUは3位。惜しくも決勝進出はならなかったが、攻守のバランスの良さは昨年と変わらず、延長までもつれた準決勝の戦いぶりは記憶に残るものとなった。また、昨年初出場で全敗だったシドニー大学は4位で幕。準決勝では延長戦の粘り強さが光った。

大会を通じ、最も応援団が多かったのがNCCU。大声援の後押しで戦い続けた。

優勝のデ・ラサール大学は4Qで高麗大学校を圧倒し堂々の優勝

準決勝でともに延長戦を勝ち上がり、決勝に挑んだデ・ラサール大学(フィリピン)と高麗大学校(韓国)。1Qは互いに激しくオフェンスを仕掛けるが、確実性があったのはデ・ラサール大学。パスもよく回った。高麗大学校はシュートまではいくが相手のディフェンスの前に決めきれない惜しいシュートが続き、追う展開に。2Qになると高麗大学校のエンジンがかかりスリーポイントが入り始める。#24ムン・ユヒョンが鮮やかなフローターで相手の度肝を抜き、8点差から50-48の2点差に縮めて前半終了。

前半の最後にブザービーターを決めた高麗大学校#2シム・ジュオン。1年生ながら16得点、3本のスリーポイントを沈めた。

3Qも高麗大学校が攻める。#24ムン・ユヒョン、#3イ・ドングンなどの得点で逆転するシーンも見せた。一方のデ・ラサール大学も#28ケビン・キンバオが華麗なテクニックで得点を重ね、センターの#21ヘンリー・アグナンネが速攻からダンクを叩き込むなど豪快プレーで会場を沸かせてシーソーゲームに。最後は高麗大学校がスリーポイントに続いてブザーとともにゴールを押し込むが、77-73とデ・ラサール大学が4点リードで最終Qへ。

MVPで現役A代表の#28ケビン・キンバオ選手はベンチスタートで15点の活躍。高麗大学校のディフェンスを翻弄した。

粘る高麗大学校だが、次第にシュート確率が落ちてくる。その機を逃さずデ・ラサール大学が立て続けに速攻に走り、点差を開く。高麗大学校も攻めるが決定力がなく、差が開いていくと101-86でデ・ラサール大学が優勝を決めた。

デ・ラサール大学が初出場で初優勝

フィリピンチームの優勝は第1回のアテネオ・デ・マニラ大学に続き2チーム目になる。14得点を決めた#25マイク・フィリップス「簡単じゃないゲームでしたが、とてもハードにプレーして、みんなで頑張って勝利した」と笑顔を見せた。

初出場だが選手層は厚く、高さ、早さがあり、また細かいパスからの連携プレーも見事で、総合力は高い。学生ながらフィリピンA代表の選手でもある#28ケビン・キンバオも個人技の高さが光った。

#25マイク・フィリップスは初出場のWUBSに「日本で試合をしたのはとても楽しくて幸せでした。全部の選手にたくさんのエナジーがあり、ベリーナイス」と感想を語る。開催地の日本チームは決勝に進めなかったが、日本の会場で日本人の観客がいるのはもちろん、フィリピンと韓国というそれぞれの母国の応援も多く、「まさにダイバーシティ」な空間だったと感慨深く語った。フィリピンではもうすぐ次のシーズンが始まるため、この優勝からすぐ切り替える必要があるが、「また来年もここに帰ってきたい」と再びの来日を願って大会を終えた。

デ・ラサール大学の#24マイク・フィリップス選手は親日家で毎日のように日本のJ-POPを聞き、動画サイトで日本のバスケを見るといい、簡単な日本語も操れる。好きなアーティストはYOASOBIやロクデナシ。バスケ、サッカー、野球など日本のさまざまなスポーツシーンの盛り上がりをリスペクトしており、Bリーグでプレーする夢を語ってくれた。

高麗大学校は粘りを見せて準優勝に輝く

5月の李相栢杯は怪我で欠場した高麗大学校の#24ムン・ユヒョン選手だが、WUBSで大きな存在感を放った。

準優勝の高麗大学校は奮闘したが4Qで力尽きた。ベストディフェンス賞を受賞した#24ムン・ユヒョン「悔しい。もっと見せられるプレイヤーだと思っているので、来年もし機会があれば、もっといいプレーを皆さんの前で見せたい」と雪辱を誓う。

しかしライバルが少なく、韓国ではワンサイドゲームが多い中で、WUBSでの接戦や逆転ゲームは大きな糧になったと収穫を語る。3試合とも接戦で、決勝も一時は逆転する粘り強さを見せたが、その理由は「ワンチームになれたから。そしてワンチームになることの大切さも学べた」という。

WUBSは「いろんな国の選手と戦うので、その国の選手に合わせてプレースタイルを変えることを意識してやっている」といい、フィリピンチームはビッグマンが多かったことで、フローターを多用してチームハイの30点を稼いだ。まだ2年生であり、今回日本・オーストラリア・フィリピンチームと戦った経験が、彼をさらに成長させるのも楽しみだ。

決勝とは別に最も印象に残ったのは「日本学生選抜のガード陣」という。日本学生選抜戦はファウルアウトとなったが、「とにかくガードが早くて、ディフェンスもタイトでしたし、自分もそこで困惑してしまう部分が多かった。次にやる機会があれば準備していいプレーで対処したい。本当にいい選手が多かった」と賛辞を送ってくれた。


最後は出場チームの全員で記念撮影。さまざまな国がそれぞれの個性を見せ、今年も多様性を感じる大会となった。
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