第49回李相佰盃 日・韓大学代表バスケットボール競技大会はいよいよ最終日、ゲーム3を迎えた。週末の北ガスアリーナ札幌46には大勢の観客が訪れ、日韓両国の選手たちに声援を送った。
女子戦は最終日も日本女子選抜が勝利し、完全優勝。大会再開からは7年連続、それ以前も含めると2007年から続く優勝記録を「9連続」に伸ばし通算成績は67勝23敗3分となった。

男子は最終戦に勝利。勝者に送られる李相佰盃は2勝した韓国学生選抜が獲得し、通算23勝67敗3分で大会を終えた。

1Qからリードした日本学生選抜が最終戦を勝利
男子のゲーム3は1Qから日本学生選抜に勢いがあった。#21松本(早稲田大)が幸先よくスリーポイントを決め、#60武藤(明治大)がシュートをねじ込むと、#8近(大東文化大)がオフェンスリバウンドをはじめゴール下で好プレーを連発して勢いに乗る。1Qは24-13のリードとなり、2Qもリードを維持。#21松本のスリーポイントが好調で、Qの半ばには10点のリードに成功した。しかし韓国学生選抜もスリーポイントが乗ってきて2Qだけで6本を沈めると、44-41と追い上げて前半終了。

3Q、日本学生選抜は#60武藤がバスケットカウントやオフェンスリバウンドで見せ、#21松本の2本のスリーポイントで逃げる。中盤以降は互いにファウルやミスも続いて重くなるが、日本学生選抜は#0下山のドライブがきれいに決まり59-53とリードで4Qへ。
韓国学生選抜は4Q開始2分で2本のスリーポイントが決まり1点差に迫る。ここで日本学生選抜は#60武藤が3連続の得点に成功。#21松本の6本目のスリーポイントも決まると残り4分で8点リードとなった。韓国学生選抜はポイントゲッターの選手をコートに揃えて対応するが、残り3分間はディフェンスを踏ん張る日本学生選抜に阻まれ無得点に。日本学生選抜は#22内藤(白鷗大)のスリーポイント、そして残り1分には#33大舘(東海大九州)が#0下山のパスから相手ディフェンスをものともせず速攻でダンクを叩き込むとボルテージは最高潮に。最終スコア76-74で試合終了。日本学生選抜が最終戦を制した。

立ち上がりから日本学生選抜がリードを保ったものの、気を抜けばインサイドやスリーポイントで追い上げられる緊張感のある試合となった。その中でも#21松本や#60武藤といった点を取って欲しい選手が1Qから流れを作り、#8今の好プレーもチームを盛り上げた。ゲーム1からこうしたプレーを出したいところだったが、鍵といわれてきた初戦を落としたことは来年以降も克服課題となった。

こうした場で勝つためには多方面での成長が不可欠
3月から学生たちを指導してきた網野HCは試合後のミーティングでさらなる「成長」を選手たちに促し、「学生たちにはもっともっと自分の可能性を信じて欲しいという話をしました」という。
スキルもサイズも上がっている近年の学生世代だが、絶対に勝たなければならない一戦や勝負際のワンプレーを決めきるといった部分はもっと求められるところだ。そしてチームで勝つには個人の成長は必須であり、この経験を糧に自分の得意なことを増やしていくことや、これまで取り組みの浅かった部分へ幅を広げていって欲しいという。
「ディフェンスが嫌いだと思っている選手はもう一歩ディフェンスを一生懸命やるところに取り組まなければいけないし、声を出すことが苦手な選手は自分の殻を破ってチームのために声を出さなければいけない。人を巻き込む力も必要です」
こうした点は終始コートで声を出し続けることや、ハードに動いてディフェンスすることが国のスタイルとして根付いている韓国チームの方が上だった。
そしてもう一つ、他よりも抜きん出るという意識を求める。
「並走ではなく“このチームを自分が勝たせる”というような、一歩前に勇気を持って出ていくことが必要です。そのメンタリティを12名の選手が持つ必要があり、この経験を持って帰って欲しいと思います」
学生代表ともなればこの先はほとんどの選手がプロを目指すはずだ。その最終準備段階である大学時代は成功や失敗を繰り返しながら、網野HCのいう「可能性」を追求することが許される貴重な時間でもある。今回選ばれた12名はもちろん、候補に入った選手たち全員が強化合宿や大会を通して学んだことを、自身や自チームのために還元して成長を遂げることが求められる。それぞれが世代のリーダーとなって引っ張っていくことが、大学バスケ全体への底上げにもなっていくだろう。


