関東の社会人バスケットと大学生が対戦するオールスターゲーム、通称「クリスマスカップ」が今年も開催された。
社会人と大学生のオールスターは歴史が古く、かつては関東実業団と関東大学生で行われ、現在は関東社会人と関東大学生の交流戦として開催されている。シーズン公式戦を終えた直後の最後のイベントとなるが、社会人チームも関東大学の1部や2部で活躍していた選手が多く、近年は競り合うことも多い。チアも会場を彩りを添え、クリスマスムードを盛り上げた。
立ち上がりは社会人がリードし、大学生が後半にひっくり返す
男子戦は昨年、関東社会人チームが競り合いを制したが、今年も前半は社会人がリードする展開となった。1Q は奥住(横河電機)のスリーポイントが好調で、古村(黒田電気)もバスケットカウントやジャンパーを軽々と決めて一気に5-15と開く。関東学生はオフェンスがうまく展開できずにタイムアウトで流れを切ると、淺野(専修大・2年)やムトンボ(日本体育大・2年)、ドラマネ(白鷗大・3年)の連続シュートで追い上げるが、関東社会人も石井(日本無線)、杉野(横河電機)、小田桐(富士通)らが気持ちよく得点し、15-23。
2Q、関東学生は嘉数のスリーポイントで幕を開け、木林(筑波大・3年)のバスケットカウント、黒川(東海大・3年)のスリーポイント、神田(拓殖大・3年)のシュートが続くと、開始6分で逆転。しかし社会人もすぐさま返し、杉野のスリーポイントなどで再び6点のリードとなる。関東学生は残り2分から菊地(大東文化大・3年)を中心にフリースローで巻き返し、34-34の同点で前半終了。
後半3Q、木林のバスケットカウント、陳岡(日本大・3年)のスリーポイントが出ると再び大学生がリード。ディフェンスでも粘る。関東学生は陳岡のスリーポイントで残り4分にここまでの最大8点のリードとなるが、社会人は石井、田口(横河電機)のスリーポイントも決まり、61-57と4点差で4Qへ。
接戦の続く4Q、関東学生はフリースローを得ていき、追い上げられつつも、数点のリードを守っていく。残り5分からはムトンボの高さが生きて連続得点。10点のリードを得た。しかしここから社会人が追い上げる。関東学生が攻めあぐねる間に次々にシュートを決めていくと、残り1分半に後藤(新生紙パルプ商事)のスリーポイントが決まると78-75と3点差。さらに戸井(三井住友銀行)のフリースローで同点に追いついた。追い詰められた関東学生はここで淺野が奮起。ペイントにアタックし、こぼれたシュートのカバーなど、3連続のゴールを奪って勝負を決め、84-79で試合終了。大学生が競り合いを制して勝利した。
例年シーズン直後、事前練習を行う機会がない一発勝負で、連携が取れていないのがこの試合の難しさだ。ディフェンスの甘さやオフェンスのスタイルがはっきりせず、今年も立ち上がりに遅れを取った。勝負を決めた淺野は「同じ留学生でも同じチームのスティーブ(専修大)とムトンボは、ボールを欲しがるところも、プレースタイルも違うので、うまく活かせない難しさがありました。自分らしいプレーがなかなかできず、すごく大変でした」という。最後に思い切ったアタックが光ったが、「あそこでようやく自分らしいプレーができました」と、苦しい中での勝因を語った。
今後も大会は継続される予定だが、それぞれの良いプレーを見られる機会としてファンを楽しませて欲しい。
※同番号の選手が多いため、背番号は省略しています。