2部リーグは中盤から終盤戦に入ろうとしている。まだリーグ参戦間もないチームもある中、10月9日の7勝0敗の国士舘大と5勝0敗で首位を争う明治大の激突は、最後まで目が離せない一戦となった。
両者の持ち味はやや異なり、どちらかといえばオフェンスが目立ち、ハイスコアゲームで勝ち進んできたのが国士舘大、ディフェンスに力を入れ、現在2部リーグでは最も失点が少ないのが明治大だ。共通点は、下級生もまんべんなく起用されて活躍しているというところだろう。
試合は立ち上がりに国士舘大が勢いの良さを見せたが、すぐに明治大も対処し、接戦のまま進んだ。1Qに国士舘大オフェンスの流れを断ち切るプレーを見せたのは、ベンチスタートの#9塚本(4年・PG)だ。国士舘大が速攻を出したすぐあと、スリーポイント2本を含む3連続得点を決め、その後はチームメイトを活かすパスワークでも見せた。
「シックスマンとして、流れが悪いときにコートに出て、チームを助けるのが自分の役目です。シュートは決まったけれど、自分のプレースタイルはあくまで仲間を活かすこと。チームのことを考え、いい流れに持ち込むためにはシュートが必要で、それが最初に決まりました」
その言葉通り、連続シュートの後は味方を活かす動きが続いた。アシスト数は6。終盤にかけて下級生がのびのび動いて得点に絡んでいったが、そこには塚本の働きが欠かせなかった。国士舘大は終盤まで食い下がったが、リバウンドを抑えた明治大が得点を重ね、79-74の5点差で大事な一戦を制した。
「パスでみんなを活かすのが自分としては理想です。シューター陣に気持ちよくシュートを打たせるために、自分のところに引きつけてパスを出したら決めてくれました。下級生は今年のうちの強みの一つですが、この試合でも活躍してくれましたね。そうやって底上げできていけば、もっと強くなると思います。下級生とは練習中からもよくコミュニケーションを取るようにしています」
こうして6連勝で首位に立ったが、明治大の今年の良さはディフェンスにある。2部リーグにおける失点は6試合を終えて一試合平均58.1。他のチームはいずれも70点を超えており、際立って低い。国士舘大戦は点を取り合う面もあったが、相手の強みの一つであるペイント内で勝負をさせず、外からのシュートを多く打たせていた。
「今年の明治はディフェンスをやるチームです。全部ハードショーで守るのではなく、相手のカラーに合わせて自分たちのディフェンスを変えていくようにしています。2部リーグでのこの失点の少なさは大きな武器ですね。全員でディフェンスをいかにやるかが大切で、意識を統一して守りに集中しようとしています。国士舘大にもそういうチームの強みを出せました」
波に乗る明治大だが、消化した試合は6試合とようやく半分を超えた。明治大も延期・振替試合が発生しており、翌10日は交通機関の麻痺によりさらにスケジュールが狂った。難しいシーズンとなっているが、そこをいかに乗り越えるかも問われる。「プレーでは下級生には気持ちよくさせ、勝負の場面を4年が決めていきたい」というが、変則的なリーグ戦をどう乗り越えていくか、試合ではない部分でも4年生の存在感や働きは大事だろう。
「今年は4年生ががっちり一つかというとそうでもなく、意見が食い違うこともあります。でもそれも一つのコミュニケーションなんですよね」という塚本。率直に互いが言い合い、それを繰り返すことでチームは磨かれていく。残りの戦いもそうやっていい意味でぶつかり合いながら、目指す「全勝優勝」を叶えられるか、今後も注目だ。