10/24に行われた東海大VS大東文化大の一戦は、1部リーグ中盤戦のハイライトの一つとなった。既に3敗で苦しんでいた大東文化大が、無敗の東海大に対して攻守ともに素晴らしいパフォーマンスを見せ、金星を挙げた。昨年のオータムカップでは大差で破れた相手だっただけに、リーグ後半戦に向け、チームとしてもモチベーションの上がる勝利になっただろう。
前回のリーグ覇者である大東文化大だが、この2年でメンバーは大きく入れ替わった。昨年は試合経験のある選手が少なく、苦労する場面も見られたが、今年はベンチメンバーもそれぞれの役割を果たし、徐々に存在感を見せている。その中で、期待がかかる選手の一人が#7高島(3年・SG)だ。リーグ戦を通じ、欲しい場面でシュートを決めるシーンも増えてきた。また、ディフェンスでも長い手を活かして相手エースを抑えている。
「自分のポジションは他のチームだとエースみたいな選手が多いので、自分のところでやられたら点差が開いてしまいます。だからそこは自分も責任をもって、練習からも相手が誰であろうとやっています」
ディフェンスで確かな力を見せないと試合に出られないのが、大東文化大というチームであり、今や1部でもトップクラスのディフェンス力を誇る。高島もそこを常に強く意識しながらのプレーを続けているが、それはチーム全体にも共通しているという。
「監督の西尾さんはいつも言っていますが、ディフェンスをしないと試合には出られません。それは出ている全員が認識していると思います。だからディフェンスが駄目だったら相手が誰であろうと仲間でも指摘します。それがあっての大東だと思うので、それは本当にみんなで意識できていると思いますね。そこがディフェンスの形として出ていると思います。得点源としては自分の他にも点を取れる選手はたくさんいるので、まずは自分が攻めて点を取れればいいですし、相手が寄ってきたらさばけばいいという考えでやっています」
高島はオフの期間にB1大阪の特別指定選手としての活動を経験したが、そこで「それまで自分が見たことのない感覚とか世界を見られた」ことも、大きな刺激となり、プレーへの意識も上がっているという。同時に3年生となり、また、優勝経験をしている上級生となったことで、チームに貢献しなければという思いは強くなっている。
「優勝を知るのは4年と3年ですが、今のチームは下級生が多いので、練習の雰囲気だったり過ごし方っていうのを、上級生が中心になって伝えていかなくてはいけないと思っています。4年生はもちろんですし、3年だったら僕と中村(#12)が多く試合に出ているので、そこを中心に伝えます。よくミーティングでも話し合っています」
高島のそうした成長ぶりは楽しみだが、チームとしてはトーナメントではベスト8には入ったものの、結果は不本意なものだった。その分リーグ戦では巻き返したい思いは強い。ただ、リーグ戦自体は序盤戦で重い展開の試合が多く、負けた試合のあとは「チームもバラバラ」という感覚を味わった。しかし、それを乗り越えて無敗だった日本大、東海大を連続で撃破したことを、この先へとつなげなくてはいけない。
「負けた試合は、最初に勝っていても逆転されたりする内容でした。おかげで試合後の練習の雰囲気も良くなかったですね。でも負けから学んだこともあって、そういう時だからこそ、チームで固まって、個にならずに戦おうと言ってきました。日大戦、東海大戦ではそれが実現できたし、つながったという思いです」
「今日勝ってでも次負けたら同じ」
それは、試合後に西尾監督が語った言葉だというが、チーム全員もおそらく同じ思いだろう。残り4試合に向け、「もう一度上級生が中心になり、練習強度を上げていい過ごし方をしたい」という高島。次の試合でもその言葉を体現したプレーを見せて欲しい。