今インカレ、右下は“死のブロック”と言われる強豪が集中した。今季の関東のトップ5のうちの専修大、日本大に日本体育大が加わり、トーナメント序盤から一戦も見逃せない状態。そこを勝ち上がってベスト4に名乗りを上げた日本大は、リーグ戦とはうって変わった伸びやかさがあり、持ち味が存分に出た試合を見せた。準決勝の東海大戦では惜しくも競り負け、3位決定戦は大東文化大に破れたが、日本大らしい戦いぶりを十分見せた大会だった。
今シーズン、調子が上がらず悩んできたという主将が最後に気持ちを切り替えてらしさを見せた大会であり、チームになくてはならない活躍をしてきた4年生たちが最後にコートに立ち、戦う姿勢を見せたことも印象深い。今季躍進大きかった下級生も、意義ある1年を経験し、シーズンを終えた。
─最後のインカレを終え、今の心境は。
「3位決定戦は結構大差で負けてしまったんですが、4年生で最後までやろうと言っていて、そこに関しては本当に後悔がないプレーはできました。3Qまでしんどくて重いバスケットだったんですが、4Qではもうやるしかない状態だったので、思い切って攻めることもできたし、最後は楽しく大学バスケを終えることができました」
─今大会は一番厳しいとされるブロックで、日本体育大、専修大との激しい戦いのあと、さらにベスト4からの2試合(東海大・大東文化大戦)は非常に難しい試合だったと思います。
「その次の東海大戦はあそこまでハードワークしたんですが、負けてしまって(62-56)。そこでちょっと燃え尽きてしまったかなと思います。切り替えのために4年生が引っ張っていけなかったのが敗因かなと思います。でも死のブロックといわれたブロックでベスト4に入れたことが、チームにとって価値の大きいものだと思います」
─チーム全体で怪我の続いた1年でした。不安はありましたか?
「でも怪我をしたからといってガクッと落ちるメンバー層ではないのが日大です。下級生もいっぱい出てきてくれて、あまり気にせずプレーすることができました。周りからは米須(#3)がいないという声が多かったんですが、自分たちは彼だけのチームじゃない、と思っていました。インカレでベスト4に入り、それを証明することができたと思います」
─リーグ、インカレを通じて4年生を中心にいいプレーがたくさん見られました。下級生も多彩な活躍でした。昨年度の若林キャプテンが、代が変われば駄目になる可能性もあると引退時に語っていましたが、ちゃんと受け継いでチームに良いものを残せたのではないでしょうか。
「周りからそんな風に見られていたら、自分にとっても嬉しいことです。自分が若林キャプテンみたいなタイプじゃなく、自由奔放にやるタイプなので、本当にキャプテンとして成り立っているのか、というのは思っていたんですが…。でも周りの4年生や後輩たちにも支えられたので、こんなキャプテンですけれど少しはうまくいったかなと思います。来年は誰がキャプテンになるかわからないんですが、個性の強いメンバーがいっぱいいるので大変だと思います(笑)。そこは頑張って欲しいですね」
─このインカレでは城間監督は大事な場面を4年生に任せ、信頼も厚かったことを感じます。
「4年生はここまで一緒にやってきた仲間だったので、最後に一緒に出られて本当に嬉しかったです。最後の時間帯は4年生でやらせてもらって、自分たちも後悔のないように終われました。自分が点を取れなくても、矢澤(#20)や鴇田(#15)や佐藤(#1)が決めてくれるので、本当に、非常に頼りがいのある4年生で、良い仲間を持ったなと思っています」
─準決勝で足を痛めたコンゴロー選手(#12)も、インカレだけではなく、シーズンを通して非常によく頑張ったと思います。
「彼も体が痛い中、試合に出続けてくれました。リーグ戦は本当に彼のおかげで勝ったと言っても過言ではないので、本当に褒めてあげたいです。今朝は足の状態が悪くてちょっと出られないと言っていたんですが、4年生とは最後なので出たいということで、城間さんも起用したと思います。本当に感謝です」
─日本大での4年間はどうでしたか。
「いろんな経験をさせてもらったので、本当にいい時間でした。自分は高校では点取り屋のフォワードという感じでした。でも大学でガードをやらせてもらって、そこであまりうまくいかないことも多くて悩んだこともあります。でもやっていかないとプロになれないということで城間さんにやらせてもらって、そこは乗り越えられた壁でもあります。後は最後のリーグ戦もキャプテンとしてしんどかったし、うまくいかなかった事も多かったんですが、今日このインカレで少しキャプテンらしいところを見せられたかなと思います。そこは成長できたと思うので、日大に来て良かったと思います」
─後輩に向けて。
「下級生たちは今年、たくさんの経験が得られたと思います。個性が強いメンバーがいっぱいで、米須も戻ってきます。チームでアジャストして、リーグ戦もトーナメントもインカレも優勝してもらいたいなと思います」
準々決勝、悩みを吹っ切って勝利したときのコメントはこちら↓
【2022インカレ・REPORT】激闘が続いた準々決勝、ベスト4が決定!右ブロックは激闘の末に東海大、日本大が準決勝へ(準々決勝②/2022.12.9)
【2022インカレ・REPORT】大東文化大がリードして試合を進め3位、今大会最大の激戦区を勝ち抜いてきた日本大は4位で大会を終了【大東文化大VS日本大】(3位決定戦/2022.12.11)