大会5日目、インカレはトーナメントステージに突入した。出場チームの力が一段上がった上での一発勝負は、緊張感に満ち、競り合いも多く見られた。この日は8試合を行い、ベスト16を決定した。
翌、大会6日目にはいよいよ8シードのチームが登場し、今日勝ち上がったチームとベスト8をかけて戦う。
初出場同士の戦いは神戸医療未来大が浜松学院大を下す/龍谷大は#21高橋が41得点を稼ぐも名古屋学院大が逆転
左上ブロック、創部9年の神戸医療未来大と、創部5年の浜松学院大、初出場同士のチームがトーナメント初戦でぶつかった。互いに留学生を擁するインサイドに対し、立ち上がりから両者なかなかゴールが割れずに鈍い出足となるが、#36田中(2年・SG)のシュートを皮切りにリズムを掴んだ神戸医療未来大が抜け出し19-6で1Qを終える。浜松学院大はこの1Qの差が最後まで響いた。2Q以降は互角の展開となり、3Qの半ばには#23リバス(1年・C・桜丘)のダンクで2点差まで追い上げるが、そこから再び神戸医療未来大に決め返され、引き離される。浜松学院大は最後まで諦めず、食らい付くが85-74。神戸医療未来大がベスト16へ進出した。
関西4位の龍谷大とグループステージ勝ち上がりの名古屋学院大は、途中まで龍谷大がリードをしていたが、最後に名古屋学院大がひっくり返した。前半から関西得点王#21高橋(4年・SG)が得点を重ねた龍谷大だが、終始僅差でついていっていた4Qに名古屋学院大が逆転すると、そこから龍谷大は覆すことができずに88-78。
中京大は劇的なブザービーターで江戸川大に逆転勝利/拓殖大は大阪産業大を3Qに突き放す
左下ブロック、新人インカレで準優勝し、東海地区1位の中京大は、関東13位の江戸川大と終盤までシーソーゲームとなった。中京大は1Qに#36カミソコ(2年・C)が2ファウルに。ディフェンスがやや後手になって2Qもファウルが続いてしまうが、その江戸川大も次第に#1ジャキテェ(3年・F)がファウルトラブルになり、勝負がわからなくなった。
互いに点差がつかず63-62で入った4Q、中京大は#36カミソコの高さでリードを握るが、江戸川大は#10坂本(3年・PG)の突破や#55井上(2年・PF)のスリーポイントなどで逆転。しかし残り6分半、#1ジャキテェが痛恨のファウルアウト。それでも#13大出(2年・SG)のシュートなども決まって残り3分半では7点のリードに成功する。しかし中京大は#13中野(2年・SG)のこの試合1本目のスリーポイントが決まり、#12高村(2年・SG)のシュート、#36カミソコへのゴール下にボールがわたるなどして、残り約2分で同点に。残り42.8秒、江戸川大は#21中村(3年・SG)のジャンパーで4点のリード。しかしここから中京大は#12高村がスリーポイントを沈め1差に迫る。続く江戸川大のオフェンス、#17大川(4年・G)が残り8.5秒で放ったスリーポイントは決まらず。リバウンドを押さえた#36カミソコから#13中野を中継し、前線に走った#28渡邊(2年・SF)のレイアップがブザーとともに決まると、86-85。中京大が劇的な逆転で初戦を突破。
「対策してきたけれど、やられてしまった」松藤貴秋監督(中京大)
「あと1秒遅く最後のシュートを打たれていたら、間に合いませんでした。そこで助けられました。相手の17番を始め、全部チェックしていたのに、やりたいことをやらせてしまって、こんなゲームになってしまいました。やはり一番嫌だったのは17番で、困ったら17番に来るなと。そこの守り方を準備してやってきて、#1ジャキテェの方は結構うまく守れました。ただそれ以外のところに飛び込まれたり、10番のプッシュもやられました。70点以下に抑えたかったんですが、80点以上取られてしまいました。
高橋(三遠ネオフェニックスに加入)が抜けましたが、選手たちには『あいつがいなくなったから弱くなったねと言われたら嫌だよねと。居なくても居ないなりのバスケットをやろう』と伝えています。次は筑波戦。一戦一戦やるしかありません。今日は初戦で固く、足が動きませんでしたが、明日の方がもう少し開き直ってやれると思います」
拓殖大は早稲田大に勝利した大阪産業大と対戦。前半からファウルが続いた大阪産業大はリズムに乗れず。3Qに17-34とダブルスコアにされてしまうと、そこから盛り返すことができずに68-87。拓殖大は昨年天理大に初戦負けを喫したが、それを乗り越え、次はベスト8をかけて大東文化大と対戦する。
終盤に逆転した神奈川大が粘る九州共立大を振り切る/京都産業大は余裕を見せて東海大九州を下す
右上ブロック、神奈川大はグループステージを勝ち上がった九州共立大とシーソーゲームに。互いに激しいディフェンスを展開し、立ち上がりから終盤まで1点を争う展開が続いた。取られたら取り返す形の展開は、3Qに#18大庭(2年・PG)や#44藏本(2年・SF)のスリーポイントが決まった九州共立大が3点リードで4Qに入る。神奈川大はオフェンスリバウンドで粘り、#4鈴木(4年・PG)、#24中島(2年・SG)のスリーポイントが続くと、残り5分で逆転。九州共立大#18大庭がスリーポイントで返すも、神奈川大は#4鈴木のレイアップ、#21阿部(2年・C)のオフェンスリバウンドなど、残り5分に流れを掴んで最後に抜け出し66-59。
九州共立大は最後にもう一度チャンスをつかみかけたがミスが出て盛り返せず。しかし神奈川大に劣らない激しいディフェンスで、40分間神奈川大と競り合った。下級生主体のメンバーがほぼ残る来年は、さらにレベルアップを予感させるチームだった。
「これが九州共立大というチームだと見せられた。来年も挑戦」川面 剛監督(九州共立大)
「選手5人だけでなくて、チーム一丸となって関東のチームにここまでいいゲームをできたことをすごく嬉しく思います。ただしやはり勝つためにやってきたので、勝ちきれなかったということは、私の責任かなというところです。もう少し勉強していかないといけないなと思います。
現在は下級生主体のチームですが、ここまでのチームができたのは、今の4年生がサポートしてくれているおかげです。2年生は能力があるかもしれませんが、4年生が支えてくれたからこそ、こういういいチームが作れていると思います。去年から今のメンバーが主力で、今年は新人インカレがあったからこそ、下級生はこういった舞台でも落ち着いてプレーできたと思います。あの経験はとても大きかったです。今回もグループステージがあるということは、私たち地方のチームにとっては本当にありがたいことで収穫も大きいです。そしてうちのチームはこういうカラーのチームだよ、ということを見せられたことには本当に良かったと思っています。来年もこのメンバーが主力なので、もう一段階レベルアップしてまた挑戦したいと思います」
京都産業大は1Qで東海大九州を7-31と圧倒すると、あとは余裕の展開となって55-94。東海大九州はリバウンドが取れず、持ち味の足を使ったプレーへとつなげることができなかった。京都産業大は次戦、中央大と対戦する。
明治大は日本経済大を逆転/日本体育大はダブルスコアで初戦突破
右下ブロック、明治大は1Q、日本経済大の高さと走力に押され、10-21と出遅れるが、次第にディフェンスから盛り返し、シュートが当たり始めると追いつき、3Qで逆転。後半はリバウンドを押さえて69-52で勝利した。次は関東2位・専修大と戦う。
日本体育大はグループステージを勝ち上がった九州産業大に対して全員出場で120-54のダブルスコア。次の相手は日本大だが、この右下のグループは今大会最大の激戦ブロックで、トーナメント序盤で最も注目となるカード。見逃せない。