【2022インカレ・決勝の展望】2年連続同じ顔合わせの決勝は、やるべきことの遂行で連覇を狙う白鷗大VS王座奪還に意気込む東海大

2022インカレ

ディフェンス力が武器のチームは、課題のスリーポイントも猛特訓

リーグ1位・第1シードで臨んだ大会は、ライバルの大東文化大を撃破。ディフェンスの圧力を武器に、高い機動力、しぶといメンタリティを持つ。今や関東でディフェンスといえば、真っ先に名前が上がるチームの一つだ。白鷗大の強さはどんなチーム相手でも対応できる柔軟性にあり、苦手とするタイプがない。オフェンスではアウトサイドシュートがやや難ありだったが、インカレまでの間にはリーグ戦で課題の一つとなったスリーポイントを猛練習し、準決勝の大東文化大戦ではまさにそのスリーポイントシュートが勝利のきっかけを作った。

今年は#2脇がコート上のリーダーとして成長著しく、#78佐藤、#25ジョエルのルーキーは破壊力の高いプレーを見せる。#78佐藤は福岡第一の先輩である東海大#3ハーパーとの対決が見ものだろう。どちらも相手の隙をつく一瞬のプレーと熱いファイティングスピリットが見どころだ。一方で生きのいい後輩たちを輝かせているのが4年生たち。人望厚い主将#7ギバを筆頭に、ディフェンスに定評のある#33杉山、攻守で貢献する#35ミサカボら、ベンチに入るのは網野監督いわく「黒衣に徹することができる4年生」であり、チームのために働ける6名プラス、高い攻撃力を持ち、4年間をかけて大人のプレイヤーとして成長してきた#0関屋の7名。いずれも頼れる最上級生は、コート、ベンチ両方での働きに注目したい。

「2連覇のプレッシャーはぜんぜんない」という網野監督。関東リーグ王者だが、今年トップ5といわれた実力伯仲の5位までのチームにはすべて1回ずつ負け、最強でないことは自認している。ゆえに、外から見れば追われる立場だが、彼らも負けて失うものはなく、ただのチャレンジャーに過ぎない。2度目の頂点に向けてやるべきことをただ、遂行するだけだ。

「インカレの借りはインカレで返す」信じて作り上げたチームで挑む頂点奪取

昨インカレ決勝で破れ、勝てなかった春のどん底から、再びインカレの決勝まで1年をかけて戻ってきた。ごっそり主力が抜けた春は公式戦で結果が出ず、大学界で注視を浴びる存在だけに、周囲からも厳しい目で見られた。しかし主将の#24松崎「やってきたことを信じよう」と、外野の声を気にせず、自分たち自身に向き合うようにチームを導いてきた。そんな状態だったが、陸川監督からはチームを作り上げていく喜びがにじみ出ていた。王者と呼ばれるようになる前の、懸命に、ひたむきに、学生らしく努力する選手たちの姿に「私も勇気をもらっている。昔に戻ったようでワクワクしているんです」と、顔をほころばせた春だった。

結果が出はじめたのは秋。リーグ立ち上がりは春の悪さを引きずっていたが、天皇杯でB3のチームにあと一歩という試合を見せたあたりから、上向いていく。多くのチームが長期間のハードなリーグ戦に身体が悲鳴を上げていく中、陸川監督はそこで休まずにむしろ強度の高いトレーニングを積ませることで、心身の両方でタフさを積み増しさせた。そして昨年の主力の存在感が大きすぎ、試合経験を詰めなかった下級生たちが、ようやく試合慣れしてきてチームとして成長。それらを土台に、本来のアイデンティティであるディフェンスにもう一度フォーカスしたことで、いわゆる本来の東海大らしいスタイルでバスケットができるようになっていった。

今インカレ、ここまでの戦いは危ないシーンを何度もディフェンスから取り戻していった。怪我人の影響もあってスモールラインナップで挑むが、その分、高い機動力が生きている。「うちは誰が出ても変わらない」(#24松崎)といい、#24松崎、#15島谷の4年生が安定感の高いプレーを見せ、好調の#0黒川は得点とアシストで貢献。びっくり箱のようなプレーでチームを勢いづける#3ハーパー、リーグ戦からアウトサイドの高い精度を誇る#13金近はスリーポイント、ダンク、両方に注目だ。

「インカレの借りはインカレでしか返せない」その意気込みで決勝に臨む。

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