【2022インカレ/レポート】第74回全日本大学バスケットボール選手権大会が開幕!/初出場の浜松学院大は接戦を制し初勝利(2022.12.3)

2022インカレ
初出場の浜松学院大。終盤の流れを呼び込むシュートに歓喜を見せる。

一部にグループステージ方式を取り入れた、新方式のインカレ

大学日本一を決める全日本大学バスケットボール選手権“インカレ”がまず男子で開幕を迎えた。

インカレは2004年から、各地区代表によるトーナメント戦を行ってきた(それ以前はトーナメントを行い、上位4校によるグループリーグにて優勝を決定)。今回は、その一部にグループステージを導入し、参加チームは40チームに拡大。そのうち24チームは3チームずつ8グループに分かれ、総当たりのリーグ戦を行い、勝ち上がった8チームが32チームで行うトーナメント戦に進むという方式に変更された。これは、今年度新設された1〜3年生対象の新人インカレと同じ形だ。これにより、グループステージに組み込まれた参加大学は最低2試合が確約され、全国の舞台で各地区の代表チームとの対戦をこなし、経験を積むことができるようになった。

トーナメント戦については、8つのシード校は優勝しても全4試合となり、これまでより1試合減ることになった。これは主力の負担は減る一方で、既に1試合をこなしたチームが相手になるため、初戦の固さを狙われる怖さはある。特に今年の関東1部出場校はほぼ実力差がない状態のため、有力チームも油断できない戦いが増えそうだ。

グループリーグは12月6日まで、トーナメント戦は12月7日〜12日まで開催される。

なお、今回のインカレの男子上位2位までは、2023年8月に開催予定のWorld University Basketball Series(WUBS)の出場権を得る。

江戸川大が100点ゲームで名古屋経済大を下し、幸先の良いスタートを切る

初日、男子は国立競技場代々木第二体育館でグループステージの4試合が行われた。開幕戦に登場したのは、今季2部リーグで優勝し、来季の1部参戦を決めた江戸川大と、東海地区4位で出場した名古屋経済大。試合は立ち上がりから#1ジャキテェ(3年・F)のダンクや#17大川(4年・G)のスリーポイントが気持ちよく決まり、一気に江戸川大が抜け出した。固いディフェンスを持ち味に相手からターンオーバーを奪うと、前半57-24の大差で、#17大川がスリーポイント5/6、24点とエースの貫禄を見せた。後半も点差を維持した江戸川大が103-56でまず1勝。勝ち点2を挙げた。

江戸川大#17大川が28得点。初戦を快勝。

「年間を通じても最高の入りができたゲーム」/粂川岳勤監督(江戸川大)

「リーグ戦22試合を含めても、このインカレ1回戦は、試合の入りも含めてベストゲームができたと思います。うちはそんなにスリーポイントの入る爆発的なチームではないですが、大川(#17)が気持ちよく得点していってくれました。リーグ後に明治大や中央大と練習試合をさせてもらい、1部リーグで揉まれてきたチーム相手に1勝1敗。この強度でやればいいんだということがわかったし、今日のゲームの入りが良かったのもそういうところからつかめたものが出たように思います。

うちのようなチームに、今回のグループリーグは非常にありがたいシステムです。コロナ禍であまり下級生の経験、特に公式戦が不足していたので。インカレは6年ぶりの出場となりますが、前回はわからなかった準備段階のこともつかみつつ、大会に入れました。挑戦する立場ですが、トーナメントに進出したら当たるのは中京大。強いチームですが勝ちを狙っていきます」

初出場の浜松学院大が新潟経営大を撃破

創部5年目でインカレ初出場の浜松学院大は、新潟経営大と熱い試合を展開した。立ち上がりは内外で得点が続き、一気に2-11とするいい立ち上がり。そこから新潟経営大も次第に落ち着いてくるとスリーポイントを中心に反撃に出る。しかし落ちたときにリバウンドが取れず、大きく差が縮められないで前半は28-37。

3Q、新潟経営大が10点ほどの差を#7荒木(4年・PF)のスリーポイントや#9桂澤(4年・PG)の得点で追い上げ、このQで51-54と迫ると、4Qも接戦が続いた。新潟経営大はディフェンスで粘り、ターンオーバーを奪っていくと、残り5分に#7荒木のフリースローでついにこの試合初の逆転。しかし山梨学院大は#23リバス(1年・C・桜丘)のオフェンスリバウンドをはじめ、こぼれ球の確保やスティールから速攻を出すなど3連続得点。残り約3分で再びリ5点のリードを奪い、流れを掴むと64-73で勝利。競り合いを制してインカレ初勝利をあげた。

浜松学院大は2019年にバスケットボール部を創部。OSGや三遠ネオフェニックスで活躍した大口真洋氏を監督に迎え、強化をはかってきた。初年度7名の部員からスタートし、一昨年はコロナ禍で2部優勝しながらも、1部に昇格できないといった不運を乗り越え、今回初出場で嬉しい1勝を挙げた。

浜松学院大・大口監督が「苦しい中で自分がやるんだという気持ちを見せてくれて、本当に助かった」という#5相馬(4年・SG)はチームハイの17点。リーグ戦中はコンディションが良くなく、現在はベンチスタートだが、「嬉しい誤算だった」という。

嬉しいインカレ初勝利は「4年生が意地を見せてくれた」/大口真洋監督(浜松学院大)

「新潟経営大学に楽に勝てるなんて思っていなかったので嬉しいです。ただ、学生自身がちゃんと準備をしてきたので、慌てないでいいかなという感じではありました。初出場で浮足立つようなところがあるかなと思いましたが、 しっかりと入ってくれたと感じています。練習の段階では少し緊張していましたが 、コートに入って自分たちで声を出したら吹っ切れたようで、いい状態で入ってくれたと思います。

まずは一対一が強い所、タッチシュート、スリーポイントがいい感じで入るチームだったので、そのリズムに乗せたたくないなと思っていました。 ただディフェンスは練習してきたつもりでも、慌ててくるとルールが崩壊してしまって、簡単に打たれたりという修正点がたくさんありました。でも4年生が踏ん張りました。創部して5年目ですが、今の 4年生は1年生の時からずっと中心でやってきた選手たちなので、 彼らには意地を見せろとずっと言っています。それを体現してくれたと思います」

その他、仙台大周南公立大(公立化により徳山大から改称)に4Q残り約7分に追いつかれ、シーソーゲームに。周南公立大はリードを奪われかけるところを何度も返すが、残り31.6秒に仙台大の合わせが決まり、2点のリード。周南公立大は最後のオフェンスを決めることができず、仙台大が71-69で勝利した。

九州産業大北陸大と対戦。10点ほどリードして試合を進め、3Qに一時追いつかれるが、その後しっかり引き離して81-59

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