【2021インカレ/インタビュー】「日大に対するリーグ戦での30点差負けということを常に言い続けてきた」筑波大・仲澤翔大アシスタントコーチ

2021インカレ

強い筑波を取り戻すことが、チームのキーワード

現在の筑波大は吉田監督が女子の指揮も兼任しており、
2回戦は試合がかぶった関係で、仲澤アシスタントコーチが指揮を執った。
2018年に筑波大を卒業したあと、

大学院に進んだ時点からチームではアシスタントコーチとして在籍。
コーチングの勉強を重ねている。
優勝を重ねていた時期に現役を経験しているからこそ、

勝利に必要なものが何かを感覚で知っている。
選手に近い存在として、6位に終わったリーグ戦後にチームに求めてきたことを聞いた。

― 福岡大との試合を振り返って。

「福岡大は九州のチャンピオンチームということと、3年前のインカレの初戦ですごく苦戦をしたということが自分の記憶にあったので、油断してはダメだよと。相手をリスペクトすることは当然としながらも、体だったりサイズとトランジション、ディフェンスの強度というところがうちの武器なので、それで圧倒をしないと次はないよと、向こうの戦術の土俵に持ち込まれずに常に矢印を自分の方に向けようということを口酸っぱく言いながら試合に臨みました」

― 点差はつきましたが、あまり流れに乗れない時間帯には福岡大の良さが出ていたところもあったかと思います。

「ピック&ロールのディフェンスのところでトラブルが起こって、オープンのスリーポイントを打たれて、相手の12番(秋山)の素晴らしいハードワークでリバウンドを取られるというケースがたくさんありました。やはり日大戦を想定すると、そのスリーポイントが全部入ってくるということになるので、次がどこにしても、明日の準備で改善する必要があるかなと思っています」

― 吉田監督に代わっての指揮でしたが、気をつけていたことは。

「吉田先生と僕ではキャリアも知識の量も違いますので、同じようなコーチングをしても 絶対チームは乗ってこないなという風に思いました。僕は選手と距離が近い分、一緒に戦うという姿勢を示して、選手からの声を汲み取ったり、学生コーチからの声を汲み取ったりして、チームに、5人に還元するというところを意識しながら 吉田先生とは違った形の ヘッドコーチのあり方を心掛けながらやったつもりです」

―リーグが終盤連敗してよくない結果で終わり、その後の1ヶ月、チーム状態はいかがでしたか?

「強い筑波を取り戻そうということは、今のチームのキーワードとしてあります。勝っていた頃のチームがどうだったかなというのは、僕は見てきているし(2018年の4年次はAチーム在籍)、肌感覚もあるので、それを伝えることを心がけていました。今はやっぱり細かいところが曖昧になってしまって、怪我人が出たことを言い訳にしてハードワークしきれないということがあったので、そこを徹底しないとインカレ優勝はありません。日大に対するリーグ戦での30点差負け(84-50)ということを常に言い続けてきましたし、日大との対戦ということになれば、必ずやってくれると信じています」

―選手がハードワークしきれなかったのは、怪我だけが原因でしょうか。

「怪我が引き金になりましたが、それだけではなく、戦術的な部分じゃないところでチームになっていたかどうかというのを感じます。いい意味で感情が出やすくて、すごくハードワークする代ですが、うまくいかなかった時に引きずってしまうっていうところがありました。リーグ戦の後の最初のミーティングで、頑張ってたりとか、勝ちたいという気持ちがあるからこそ、モヤモヤしてイライラするというのは当然のこと。それをどうポジティブにつないでいくかというところを考え直さないでチームとしてどうなのかと、バスケット以前の話だよということは言いました。何かうまくいかないときがあっても建設的なボディランゲージは必要で、この先も必ず出てくる場面だと思うので、そこでの対応でチームとしての成長が見られるのかなと思います」

― それがチームにどのように響き、表現されるか次の試合が楽しみです。指揮自体はこの試合で終了ですか。

「この試合以降は吉田先生が指揮を取られるので、自分はアシスタントコーチとして吉田先生のサポートと、選手との間に入って日大を倒せるように。僕自身が現役のときは、あんな大差での負けは経験がありません。あの30点差を返せるように頑張りたいと思います」

試合終盤には吉田監督も別会場から駆けつけ、コーチングを見守っていた。

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