互いにファウルトラブルとなるも、前半は東海大がリード
ベスト8を決める第1シード東海大と、関東8位の大東文化大の一戦は、リードしていた東海大が大東文化大に逆転されるところまで追い詰められ、最後は1点を争う展開になった。
1Q、大東文化大は開始2分も経たないうちに#34バトゥマニ(2年・C)が2ファウルでベンチへ。しかし東海大も#86八村(4年・C)も 開始4分で2ファウルとなり同様にベンチに下がる形になってしまう。しかし東海大は交代した#23佐土原 (4年・PF)が体の強さを発揮して得点を重ね、また#5河村(2年・PG)や#11大倉(4年・G)の得点で大きな影響を感じさせずにゲームを進行。東海大は#7高島(3年・SG)のシュートで付いていき、残り3分で再び#34バトゥマニを投入。しかし残り2分に3つ目のファウルを吹かれてしまう痛い手足となった1Qは、19-13で東海大リード。
2Q、#23佐土原で得点を重ねる東海大に対し、大東文化大はディフェンスを軸に#24向後(4年・C)の得点や#4菊池(2年・SG)のスティールなどを生み出す。#25山内(1年・SG・明成)のスリーポイントが決まると1点差となるが、#5河村がスリーを返し、さらに#4小玉のオフェンスリバウンド、#24松崎(3年・F)の得点も続いた。大東文化大はベンチテクニカルを吹かれる我慢の時間帯となり、引き離されて28-25で前半を終了。
4Q、#3星野のスリーで大東文化大が逆転、しかし東海大#11大倉のスリーが勝負を決める
3Q、さらに引き離されそうな展開になった大東文化大だが、#12中村(3年・PG)#3星野(4年・SG)#7高島などが立て続けに得点して流れを掴む。東海大はターンオーバーが続き、このクォーターは10得点。大東文化大は#34バトゥマニのダンク、そして#3星野のスリーポイントが沈んで48-44と4点差に縮めて最終クォーターに突入すると、 開始3分、 #3星野のスリーポイントでついに大東文化大が逆転。シーソーゲームとなった。東海大は ここでスタメンに戻して対応するが 勝負は一進一退に。大東文化大は#34バトゥマニがゴール下で3連続フリースローを獲得するが、1/6と確率を上げらない。それでも#1深渡瀬(4年・PF)のバスケットカウント、#12中村のスリーポイントで残り1分半の時点では2点のリードを保つ。
息詰まる緊張感の中、勝負の大きな決め手となったのは、東海大#11大倉のスリー。1:20にこれが決まると逆転に成功する。残り時間は東海大、大東文化大ともに必死の攻防でどちらに転んでもおかしくない状態となり、東海大が2点リードの状態で最後のオフェンスチャンスを得たのは大東文化大。スリーポイントのデザインもしつつ、「2ポイントでもいい」と#12中村を信頼し、託した西尾監督。時間がない中、#12中村の選択はゴール下へのドライブ。「ファウルをもらえるかどうか、ぎりぎりの賭けだったと思う」(西尾監督)というその切れ込みは、最後は東海大ディフェンスに阻まれエンド。65-63で東海大が我慢の試合を制した。
東海大は一時 10点以上のリードを得ながらも、自分たちの気の緩みでそれ以上引き離せず、「勝てたことが奇跡」(#11大倉)、「個人として今シーズン最悪の試合をしてしまった」(#86八村)と反省する試合となった。東海大をそういう状態に追い込んだ大東文化大のディフェンスからのバスケットは見事だったが、リーグ戦に続けての勝利はならず、ここで敗退。シーズンを終えることになった。
「うちはトーナメントでも東海に負けていたので、リーグ戦の勝ちはまぐれじゃなかったことを証明しよう」とチームの士気を高めたという大東文化大の西尾監督。「点数は離れたけど粘り強く諦めることなく、うちのディフェンスからというチームの一番の強みを出してくれた。僕がテクニカルを吹かれて流れを切ってしまったところも、よくカンバックしてフォローをしてくれた」と感謝し、チームが求めていたことをやってくれたことには「悔いはない」と語った。互角に持ち込んでからは「最後はどちらが勝ってもおかしくないゲームだった」状態で、#11大倉のスリーポイントが勝負を決めたが、互いのエースたちが決めあった末の結末となった。
東海大記者会見
陸川 章監督
◆試合を振り返って
相手にプレッシャーをかけたくて引き離そうよと言っていたら、逆になってしまいました。やはり疲れた中でのスリーポイントとかリバウンドといった基本のところ、それが要因かなと思います。今日勝てたというのは、選手は自信にしていいんじゃないかと、次につなげようという話はしました。次の中央さんはスリーポイントが入るし、アップテンポのチームです。今日はこちらのスリーポイントは課題だったので、修正したいと思います。あとは選手たちがやってくれると思います。
「本当に負けパターン、この勝ちは奇跡」#11大倉颯太
◆試合を振り返って
今日の試合はこのシーズンで最も東海らしくない試合だったというか、今ここに居る4人もそうですし、主要なメンバーで流れを作れなかったです。僕を含め、試合中にアジャストできずに、本当に何をやっているんだという感じでゲームが進んでしまいました。本当にここから学ばなきゃいけないですし、これは本当に負けのパターンだと思うので、この勝ちは奇跡だと思っています。次の試合に向けて気を引き締めさせていただいたたことには感謝だなという思いです。
◆点差が思った以上につかない印象、どのようにしたかったか
13点、15点ぐらいのところが最大リード。僕らはハーフタイムでもこれを早めに20点にしようということを言っていたんですが、僕たちがやらなければいけないことができませんでした。ちょっとサボったり、プレッシャーがなかったり、リバウンドを取られたり、ギャンブルしたり、ターンオーバーをしたりという僕たちのミスで、自分たちで崩れたと思っています。リードをもっと大きくしたいところを、僕らが崩れて相手に許してしまいました。
◆試合の終盤にかけてもその修正難しかったのか
こんなこと、絶対あってはダメなんですが、僕もちょっと集中力が切れていたし、確実に今シーズン最悪だと思うのは、コートにいる5人の集中力が切れていてセルフィッシュになったり、見ている方向がバラバラだったり疲れていたりで、終わってみるとよく勝てたなと思います。本当にそういう気の緩みでみんなが同じ方向に向けなかった時間帯に、相手は結束して追い上げてきました。その追い上げを止められなかったのもそうですけど、僕たちが僕たちのリズムでバスケットをできなかったことが、このゲームの悪かったところだと思います。
◆中央大戦に向けて
中央大学さんですが、リーグ戦も僕たちの弱みを突いてくるバスケットをしてきたので こちらは本当に、僕たちのリズムを崩さない東海のバスケを40分間して、コミュニケーションをとってつなげていきたいと思います。
「点差が離れて、気持ちが緩んでしまった」#23佐土原 遼
◆試合を振り返って
今日の前半の入りだったり、 1、2Qは本当にチームとして戦えたなというのが本当に印象的でした。少し点数が離れた時に、気持ち的にはちょっとうわついたじゃないですが、気が緩んでしまって、そのタイミングで大東さんにスリーポイントだったり、そういうものを決められて、リードがなくなってシーソーゲームになってしまいました。そういう時に出ている5人が常に気を緩めずに40分間東海がやるべきことをやり続ければ、あの点差はもっと20点30点と伸ばせたと思うので、そういう時こそ気を抜くことなくやりたいなと思います。
◆中央大戦に向けて
とにかく40分間、自分たちのバスケをする、そして決勝に行って聖芽(#60坂本)と一緒に喜びたいなと思います。
「あと3試合、切り替えてやらないといけない」#5河村勇輝
◆試合を振り返って
勝ったのは勝ったんですが、やはり自分たちが40分間やらないといけない、やるべき事を遂行することができずにこういうシーソーゲームになってしまいました。この課題をあと3試合で修正してやらないなといけないなと思いますし、勝ったことで満足するのではなくて、内容も含めて、相手を圧倒して優勝することが東海大学の目標でもあるので、今日の試合ではできなかったことは反省して、あと3試合、もう一度切り替えてやらないといけないなと感じた試合でした。
◆中央大戦に向けて
どこが相手でもやることは変わらないので、自分たちの東海大らしいバスケッを 40分間やることができれば、どんな相手にも勝つことができると思うので、そこを意識してやりたいなと思います。
「今季最悪の試合、4ファウルで迷惑をかけた」#86八村阿蓮
◆試合を振り返って
個人的には、今シーズンで一番悪い、最悪の試合をしてしまったなと。序盤で2つファウルをしてしまって、そこから自分的には波に乗れずにズルズルいって、4ファウルまでしてしまってチームに迷惑をかけたなと思っています。幸運なことに試合を勝てたので、次からの3連戦をしっかり勝ち切りたいなと思っています。
◆中央大戦に向けて
相手がどうというより、やはり自分たちのバスケをすることが大事だと思うので、聖芽の分までしっかり頑張りたいと思います。