1年時より日本人ビッグマンとして活躍していた深澤。2mの長身に器用さも持ち合わせる、中央大のみならず日本バスケ界期待の星だった。しかし2年目のシーズンが始まった矢先、そんな彼を悲劇が襲う。練習中に負った怪我の大きさは医師も難しい顔をするほどで、本人も気持ちを保ち続けるのは簡単ではなかった。公式戦への復帰に要したのはおよそ1年半弱。長い時間をリハビリに費やし、仲間の「待っている」という声を頼りにしてこつこつと頑張ってきた。
リーグ戦では試合勘を取り戻しつつ、次第にプレータイムを伸ばしてきている。トレーニングでフィジカルも強化し、以前より厚みを増した身体はたくましい。今季の中央大はインサイドでカッターも好調で、高さの強みがチームにも勢いを与えている。怪我の状況や復帰までの道のりを聞いた。
復帰の手応えと、乗り越えてきた大怪我
─このリーグ戦から公式戦に復帰となりました。ここまでの戦いで自身の調子をどう感じていますか。
「まだ波があると感じています。良い日はとても良いのですが、うまくいかない日もあります。今日の日大戦では前半からつまずき、反省する場面が多くありました。復帰してプレーができていることだけで満足せず、以前から苦手としている部分を、これからしっかり克服していきたいです」
─怪我をした時期と、当時の状況を教えてください。
「忘れもしませんが、昨年の3月27日、練習中でした。1年生のときは主にセンターを務めていましたが、2年生になったので、幅を広げて4番のポジションにも挑戦しようと話していた矢先でした。午後の実戦形式の練習でリバウンドを取り、自分でボールを運ぼうとしたとき、左足で踏んだステップで変に力が入り、膝を痛めてしまったんです」

─かなり重い怪我だったと伺っています。
「前十字靭帯はじめ、脱臼など、膝のあらゆる部分がやられた感じで、医師からも、これまで見たことがない、この症例で論文が書けるような怪我だと言われました。最初に診察を受けたときはもう競技を続けられないかもしれない可能性があるとも言われたので、かなり気持ちもやばい状態で本当に落ち込みました…」
─それは本当につらかったですね…。
「でもなんとかなりそうだということもわかって、両親やスタッフの方々と話す中で、『みんな待っているから』というありがたい言葉をもらいました。待ってくれている人がいる分、自分も頑張ろうと思えるようになり、気持ちを立て直すことができました。ただ、仲間の試合を見るのはつらかったです。自分はプレーできないので、嫉妬するというか、うらやましい気持ちになってしまいました」

以前より強い身体を目指したリハビリ
─以前のようにプレーできるという手応えを得たのは、いつ頃ですか。清水テクニカルコーチに6月頃練習でダンクしている動画を見せていただいて、ここまで回復したんだと感動しました。
「今年の夏です。そこまでは苦しかったので、ようやくここまで動けるようになったことが、とてもうれしかったです」
─どのような瞬間に「やれる」と思いましたか?
「練習ではウォーミングアップや、その後のセットプレーの確認に参加しながら、徐々に動く量と強度を上げていきました。その中で、少しずつ以前のようにプレーできそうだという感触を得た感じです」
─リハビリ期間中の身体づくりでは、どのようなことを意識しましたか。
「怪我をした脚を使えなかったので筋肉量が減るのは仕方がなかったですが、怪我をする前よりどれだけ強い身体や脚をつくれるかを課題にして取り組みました。トレーニングが中心だった時期には、体重が118キロから120キロ近くまで増えました。ただ、実際に動いてみると重すぎて、思うように跳べませんでした。今は103キロほどになっています。これでもちょっと重く感じてはいますが、ここからベストのバランスを探っていく感じですね」

─今後は、身体の強さと動きやすさをどう両立させたいですか。
「怪我をする前は95キロほどで、その頃が一番俊敏に動けて、ぴょんぴょんよく跳べていたと思います。ただ、将来プロでプレーするのであれば、100キロくらいは必要なのではないかと思うので、大学の間はそのくらいの体重を保ちながら、十分に跳んで動ける状態にしていきたいです」
─現在、試合に出る際に心がけていることを教えてください。
「先発として出場する立場なので、試合の始めから気を緩めず、自分の仕事を全うすることを心がけています。まずはコーチの言うことを遂行することを考えています」
─中央大は昨年怪我人が多く苦しみましたが、今年は上位争いに加わっています。手応えはありますか。
「一つ上の学年は、新人インカレで優勝した代です。そのこともあり、彼らが4年目になった今年は僕たち下級生も試合をするたびにワクワクしています。今の4年生となら、必ず上位を狙えると思っています。試合を楽しみながら残りのシーズンで上を狙っていきたいです」

深澤桜太/ふかさわ おうた
200cm/103kg
土浦日大
(2026.10.10インタビュー)

