【2021インカレ】4Qに白鴎大が逆転勝利して初の決勝戦へ、筑波大は準々決勝で見せた勝利への執着が不発に・白鴎大VS筑波大レポート(準決勝11/11)

2021インカレ
白鴎大はディフェンスとチーム力で逆転勝利。

4Q怒涛の追い上げで白鴎大が波に乗り、初の決勝へ

第3シードの白鴎大は、第2シードの日本大学を劇的なダブルオーバータイムで破った筑波大を準決勝の相手に迎えた。1Qは全員が緊張感を感じ、硬い動きになると、筑波大のディフェンスを破ることができずに立ち上がりが遅れて13-13。2Qはさらに得点が伸ばせず、6点に終わってしまう。筑波大もオフェンスが好調とはいえない状態ながら、前半は19-27のりードで終了した。

3Q、ようやく緊張感がほぐれてきたのか、白鴎大がディフェンスの動きも良くなり、ドライブ、バスケットカウントなどで得点を獲得していく。逆に筑波大の方が得点が続かず単発になり、じわじわと追い上げられる形となる。白鴎大はあと少しが追いつききれないという状態ながら、#0関屋(3年・G)のドライブや#66松下(4年・G)から#52ブラ(4年・C)への弓なりのパスが通るなど、いい形を持続して40-43の3点差にして3Qを終了。

筑波大は#34三谷が14得点と唯一の二桁。

4Q、筑波大は立て続けにファールを犯してしまい、得点がストップ。白鴎大は#33杉山(3年・SF)のドライブや#25角田(4年・SG)のジャンパーなど、僅差で追いかける。あと数点が足りない中で流れを変えたのが、#66松下。飛び込みのオフェンスリバウンドからのシュートが決まると、応援席のボルテージは最高潮。観客席とも一体になった手拍子が沸き起こる。これに続けて#25角田が3ポイントファールを獲得してこれをすべて沈めると残り4分半でついに白鴎大が逆転する。ここからは完全に白鴎大のペースとなる。#2脇(2年・F)や#25角田のドライブ、#52ブラのバスケットカウントで筑波大を引き離していき、62-51で勝利。白鴎大が創部初のインカレの決勝進出を決めた。

前半、緊張感からか自分たちの動きができていなかったという白鴎大。ディフェンスチームゆえにやや立ち上がりはゆるやかな傾向にあるが、自分たちのディフェンスを信じぬき、激しくボールに執着した姿は筑波大の吉田監督がまさに昨日の日本大の勝利の際、自チームに求めたもの。今度はそれを相手チームに返される形となり、選手たちは「消極的になってしまった」と敗因を述べた。

先輩たちとは反対に「緊張は一切しなかったと16得点の白鴎大#2脇。若さと勢いでチームに活力を与えた。

白鴎大学記者会見

網野友雄監督「後半勝負だと送り出して、選手たちが応えてくれた」

◆試合を振り返って
「創部初の決勝の舞台に立てたので、チームの歴史を変えられたということを素直に喜びたいなと思います。今日のゲームに関しては、固かったです。前半はすごく緊張感もありましたし、選手たちの気負いをベンチから見てもすごく感じて、イージーシュートは力み過ぎているのかなというのは、前半ありました。ただインカレを通して粘り強い姿勢というところは見せられていたので、後半勝負だよと。あとは自分たちの持ち味のディフェンスのところをきちんとやるところをもう一度意識して、後半に送り出して、選手たちがそれに対して答えてくれました。自分たちらしい戦い方、勝ち方だなというふうに思っています」

◆リーグ戦では東海大と僅差で敗退した。そこから成長したと感じる部分は
「チームディフェンスに関しては、どこのチームと戦っても60点台ぐらいでいけるんじゃないかという自信は、リーグ戦とインカレを通してついてきているのかなと思います。リーグ戦ではオフェンスの部分で少し課題があり、イージーショットのミス、フリースローなど、自分たちで解決できるようなところが課題だったので、そこの部分はリーグ戦と比較すると少し良くなっているのかなと。あとは自分たちからあんまり落ちないです。プレーが悪くても、ディフェンスを守ればいいよというメンタリティーがチームに芽生えているのかなと思います」

#66松下裕汰「後半から粘り強いディフェンスで流れを持って来られた」

◆試合を振り返って
「入りは結構緊張して固かったんですが、後半から粘り強いディフェンスで流れを持って来られたので、そこは明日の決勝でも継続して続けることが大事だと思います。今日はチームで戦うことができたので、明日ももう一度チームで戦って優勝したいと思います」

◆リーグ戦では東海大と僅差で敗退した。そこから成長したと感じる部分は
「リーグ戦の時から自分たちの軸であるディフェンスを継続して、インカレでは出していこうとやっていたので、それは今までの試合ではできています。チーム力に関してはリーグ戦の時からずっとついてきて、今もベンチからの声や、みんなで鼓舞しあいながらできているので、もっとそこできるようにしていきたいです」

#25角田太輝「チーム力を上げることができている」

◆試合を振り返って
「前半は全員が勝たなきゃ勝たなきゃと、固くなってしまって、前半は点数が伸びませんでした。ハーフタイムに網野監督や石井アシスタントコーチから我慢する事を言われたので、それを後半表現することができたかなと思います。明日はやっぱり今日みたいなゲーム展開で、チームで勝ちにいきたいと思います」

◆リーグ戦では東海大と僅差で敗退した。そこから成長したと感じる部分は
「リーグ戦では序盤、個人的なことなんですが、シュートが入らなくてメンタル的にも思い切ってシュートが打てないという時期があったんです。そこで網野さんやチームのみんなが声をかけてくれて、後半は持ち直すことができました。それが自分的にも成長です。チーム力というのもトーナメントのときに比べて、プラスの声かけが多くて、ミスしても1人じゃなくてみんなでカバーしあってできていたのがリーグ戦でした。インカレもそれ以上にチーム力を上げることができて、今日の試合につながったかなと思います」

#56小室昴大「チームメイト同士で鼓舞しあった」

◆試合を振り返って
「前半は網野さんたちもおっしゃっていたように、少し固い展開になってしまったんですけど、後半が始まる前にチームメイト同士で鼓舞しあって、気持ちの面ではコミュニケーションの部分で緊張が少しほぐれて、そういうところで強気な姿勢がだんだん出てくるようになったのかなと思いました。チームで戦うということはリーグ戦からずっととうしてやってきていて、明日の決勝は1年の総まとめで、そういうところしっかりつなげて突き詰めてやれるといいかなと思います」

◆リーグ戦では東海大と僅差で敗退した。そこから成長したと感じる部分は
「個人個人の役割を徹底する力は、意識がとても強くなっている気がします。個人個人みんなの勝ちたい欲、話す力ということがとても増えました。話す内容もミスしてしまったときにネガティブではなくポジティブスタンスでお互い一人一人が声をかけているところで、チーム力につながっていると思います」

筑波大学記者会見

吉田健司監督「後半に対応できなくなってしまった。執着は向こうの方が上」

◆試合を振り返って
「出だしはうちがやろうとしていたことはできて、オフェンスの問題はありましたが前半はやろうとしていたディフェンスをやっていました。しかし後半になってなぜかまったくそれができなくなりました。もう一つ、コーナーのところの対応は事前に言っていたんですが、あそこのプレーで12点か14点取られてたのは大きな誤算でした。全体的に向こうの方が上かなというのは、ボールに対する執着ですね。相手はファウルになってもOKで、それが40分間続いていました。うちもそれは要求したし頑張ったんですが、それ以上に白鴎さんの方が上回っていました」

#13二上燿「消極的になってゴールに向かえなかった」

◆試合を振り返って
「自分たちのやりたいバスケというのが前半はできていたと思うけれど、後半にかけてできなくなっていきました。自分たちがゴールに向かえていない、向かう気持ちがなかったというか、消極的なプレーをしてしまったというのが、チーム全体としてあったなと思います。そういう部分が点数にも出てこなかったし、ディフェンスでもプレッシャーをかけようとしていたのに、ボールマンプレッシャーだったりがぜんぜんできていませんでした。そこが敗因だったと思う。個人では、オフェンスは自分が気持ち的にも消極的になっていました。白鴎のディフェンスもあって、自分のやりたいプレーをさせてもらえませんでした」

#75井上宗一郎「前半はリズムを作れていたが、後半消極的になってしまった」

◆試合を振り返って
「前半は自分たちの理想の形で入れて、リズムを作れていたんですが、リードした時に点数を離しきれないというところで、10点以上の点差が空かない状態がずっと続いていました。それで最後に相手の方に持っていかれて、ルーズボールもやられて、相手は気持ちよくシュートを打っていました。自分たちは消極的なプレーになっていたので、最後はあんな形になってしまいました」

#23半澤凌太「相手にアジャストできなかった」

◆試合を振り返って
「前半は自分たちのバスケットができたけれど、それを後半まで遂行できませんでした。相手が得点を取れているプレーにアジャストして守れなかったのが敗因です。試合を通して気持ちも、ボールに対する気持ちも相手が強かったかなと思います」

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