【2021インカレ】ダブルオーバータイムの激闘は、日本大のリードから筑波大が逆転で制す・筑波大VS日本大レポート(準々決勝・12/10)

2021インカレ
勝利し、筑波大の面々が両手を掲げた。

前半は日本大の持ち味全開、筑波大は我慢の時間が続く

トーナメント優勝、リーグ準優勝の日本大と、実力と能力は充分ながらリーグ戦では6位に沈んだ筑波大の準々決勝は、どちらが勝ってもおかしくない試合となった。特に今年は5位以下の順位決定戦が行われないこともあり、負けたら引退となるこの一戦は多くの注目を集めた。

試合は3Qまでは日本大のペースだった。1Qから日本大は自分たちの得意な展開に持ち込んだ。インサイドの#12コンゴロー(1年・C・報徳学園)がディフェンスを交わして得点し、筑波大をファウルトラブルに追い込んでいく。またディフェンスからの速攻を出すなど、やりたいことをやりたいようにやって10-21。筑波大は#75井上(4年・C)が攻め気も見せるが2ファウルに追い込まれた。

2Qの立ち上がりは筑波大のディフェンスに阻まれ、やや日本大の得点がストップ。筑波大は#13二上(4年・SG)のドライブや#23半澤(4年・SF)の速攻も出て、点差を縮めるが、日本大は#1佐藤(3年・F)がリバウンドで粘り、#3米須(1年・PG・東山)のジャンパーや#22飯尾(3年・G)のシュート、#8陣岡(2年・PG)や#15鴇田(3年・G)のスリーポイントが連続し、再び筑波大を引き離す。前半は26-36の10点リードで終了した。

前半は日本大らしい良さが随所に表れた。

3Qの立ち上がりは再び筑波大のペース。リバウンドから#34三谷(2年・SG)の速攻が連続し、#92中田(3年・PG)のシュートで3点差に近づく。しかしここで再び日本大はシュートや速攻、インサイドでの得点など、持ち味を出していくと、残り1分で最大18点のリードに成功する。それでも筑波大は切れずに残り時間できちんと返して44-58で4Qに入った。

試合は息詰まるダブルオーバータイムへ

ここから筑波大の追い上げが始まる。日本大は足が止まってしまい、インサイドの勝負で筑波大にせり負けるようになると、筑波大は開始2分半で#75井上が4ファウルに追い込まれるが、一方で#13二上のドライブが面白いように決まっていく。その間、日本大は4分間ノーゴール。じわじわと差を縮められていった。残り39.6秒、日本大は#3米須がフリースローを1本落とし62-65の3点リード、筑波大は残り16.9秒に#75井上がスリーポイントを放った。リングにあたって垂直に高く、高く跳ね返上がったボールは、一度は会場から落胆の声が漏れたあと、ネットに吸い込まれ大歓声に変わる。65-65で試合は延長戦に入った。

「入れー!」と強く吉田監督も願ったという、筑波大#75井上のスリー。

延長戦の激しい攻防はまず筑波大が先行。しかし日本大も#1佐藤、#3米須で同点に戻していく。残り59.7秒で再び筑波大は#75井上のスリーポイントでリードするが、日本大は最後に#3米須がドライブを決めて72-72。勝負はダブルオーバータイムに入った。

続く5分、終始流れを掴んでいたのは筑波大だった。日本大は「米須、米須になっていたので逆にポイントを絞れた」(吉田監督)という形になる。そんな中でも#15鴇田がシュート沈め、日本大も最後まで追いすがるが、78-81。筑波大が死闘を制しベスト4へと名乗りを上げた。

筑波大は#13二上が何度も日本大のディフェンスを突いて得点。

◆吉田健司監督(筑波大)

「すごいゲーム。うちだけじゃなく、向こうも勝ちに対する執念というか執着というか、それが強かったと思います。今日は本当に勝利への執着ということをテーマにして、どんな状況でも勝つことを考えていました。そのためにはボールへの執着、とにかくボールを取る、奪われない、シュートへの執着、ゴール下はもうファウルしてもいいから必ずブロックに行けと。スリーポイントも遅れてもいいからブロックに行けと、とにかくイージーに向こうのプレーをやらせないということが大きなテーマでした。それを最後までやってくれて感謝しています。日大さんもトーナメントを勝ってリーグ戦は負けて、優勝への執着というのはあったと思います。本当にいいゲームだったと思います。その中で私も一緒にプレーできたのはよかったです。嬉しいです。

オフェンスでは米須から発信するオフェンスということで、コンゴローとの2人の線をいかに守るかということでした。とにかく向こうのフォーメーションをまずラインで守るということをできたと思います」

◆城間修平ヘッドコーチ(日本大)

「3Qまでは自分たちのやりたいことができていて、4Qのところでやはりちょっとのずれが修正できなくて、そこから突破口を開かれ、追いつかれて、という感じだったかなと思います。出ている子たちはまだまだ若いので、いい時はいいんですが、ダメになったときの修正力というところが、経験的にもできていなかったと思います。選手たちはダブルオーバータイムまで頑張ったので、こういう僅差を勝てないのは僕の責任。みんなには胸を張ってまた進んでいこう、という話をしました。

でも今年は本当に楽しかったと学生たちにも言いました。4年生が中心になって、練習もそうだけど、すべての事がよかったです。トーナメントで優勝したからとかそういうことではなくて、勝っても負けても、今年はこれからの日大のことを考えると良い年だったなと思います」

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