【2021インカレ】東海大が2年連続の決勝進出、専修大は執念のディフェンスで最後まで戦い抜く・東海大VS専修大レポート(準決勝11/11)

2021インカレ
試合最終盤、ダンクを決めた東海大#86八村が跳ねた。

第1シードの東海大と第4シードの専修大の準決勝は、東海大の激しいディフェンスの前に専修大が苦戦を強いられたが、気迫のこもったプレーをし続ける専修大が最後まで粘り続ける熱い試合となった。

東海大の圧力あるディフェンスが専修大に攻めさせず

立ち上がりは東海大が目のさめるようなあざやかな展開を見せた。開始早々#24松崎(3年・F)のジャンパーが決まると、その後は立て続けにチームで得点。ディフェンスでは起点となる#23キング(4年・PG)をはじめ、ポイントとなる部分をがっちりと守り、ボール運びも簡単にはさせず、また簡単にシュートを打たせない。専修大は外からのシュートが多くなり苦しいが#1山本(4年・SG)のスリーポイント、オフェンスリバウンドのカウントがあり、1Qは17-12。

2Q、専修大は#44米山(2年・PF)のスリーポイントや#23キング(4年・PG)からのアシストで#13スティーブ(2年・C)が決め、開始3分で1点差に。東海大はスタメンに戻してディフェンスの圧力を強め、再び専修大のオフェンスを封じていくが、専修大もファウルが続く中、#23キングの速攻が出るなど譲らない展開。しかし終盤にかけて#86八村(4年・C)のバスケットカウントや#5河村(2年・PG)のアシストによる#11大倉(4年・G)のシュートまた#11大倉のスリーポイント等、相手の勢いをくじくようなシュートが次々に決まり、前半は41-29と理想的な形で引き離して終了。

東海大は#3ハーパーが激しいディフェンスで専修大#23キングについた。

専修大は最後まで気迫のディフェンスを展開

3Qの立ち上がり、東海大はなおも勢いを切らさず得点を積み上げる。専修大は苦しい中でタフショットを強いられ、点差を縮めることができない。東海大は控えの時間帯もそれぞれが役割を果たし、最後は#15島谷(3年・PG)がブザーと共にスリーポイントを沈め58-44と14点リードで最終クォーターに入った。

4Q、専修大は得点を引っ張る#23キングが開始3分で相手の足に乗ってしまい、一時ベンチへ。しかしこの間もチームでディフェンスを粘り、#23キングはわずか1分半程でコートに復帰。チームに自分が諦めていない姿勢を示す。点差は相変わらず10点以上ある中で進むが、今度は残り3分にペイントにドライブした#13スティーブが脚を痛めてしまう。それでも専修大は#1山本のスリーポイントを皮切りに、残り3分を切ってから3連続得点。#5河村のスローインをチップし、ルーズボールに持ち込むなど気迫のディフェンスを見せ、点差を4にまで縮めた。なおも激しく上から当たっていくが、チームファウルがかさんでいる状態で東海大は得たフリースローを決めていき、最後は#86八村が豪快なダンクを決めて79-71。東海大学が2年連続の決勝進出を決めた。

専修大は4年生とともに#44米山が奮闘。スリーポイント、ディフェンスで最後まで粘った

東海大は1Qからディフェンスの圧力を発揮し、専修大のポイントとなる部分をすべて消していった。特に、前の2試合でやられたスリーポイントへの対応は徹底していた。控えでは怪我をした#60坂本(4年・PG)の代わりに出場機会を得ている#3ハーパー(1年・PG)が好ディフェンスでも良さを発揮、また#11大倉の試合の流れの中での絶妙なタイミングで得点は、この試合でも光った。この試合でもリードから追い上げられたが、前の2試合とは違い、そこで逆転されるような失策は犯さず相手の勢いを止めた。

専修大は強みであるインサイドとスリーポイント、その両方をディフェンスによって封じられた。しかしそれでもディフェンスから得たチャンスをなんとかものにしていき、2度、点差を縮める意地を見せた。足を痛めても最後までプレーし続けた#23キングを筆頭に、最後まで必死にプレーし続けた選手たちには、会場から去る際、大きな拍手が降り注いだ。

チームとして戦う姿勢を最後まで見せた専修大。会場を後にしたときの拍手は温かだった。

東海大学記者会見

陸川章監督「反省を活かしていい集中だった」

◆試合を振り返って
「今日のゲームは今までのゲームの反省を活かして、すごくいい集中で入りました。彼らも修正点がわかっていましたし、着実に浸透していました。しかしやはり専修大学さんは力があります。最後に追い上げられました。ただ少し違うのは、追い上げられた後、もう一度自分たちのペースにしたところが成長しているなと感じます。明日もう一度全員で頑張りたいと思います」

#11大倉颯太「集大成として明日もう一つ成長したい」

◆試合を振り返って
「陸さんもおっしゃられた通り、追い上げがあったんですけど、そこは専修さんの力というより、僕の犯したターンオーバーにあります。昨日、一昨日(2回戦、3回戦)から、少しチームとしての成長は見られるので、明日は集大成としてあともう一つ成長したいと思います。

◆ある程度開いたところから追い上げられるパターンが続いている
「今年はBリーグのチームを倒す目標と、学生でぶっちぎりで勝つという目標でやっていて、ぶっちぎりで勝たなきゃいけないからこそ、勝つことが簡単じゃない難しさというのを痛感しています。ただ、ぶそういうテーマでやってきたからこそ、こういう試合をものにしているというのはあると思います。インカレはリーグ戦では入っていないシュートも入る可能性があるし、僕たちのチームでちょっとした甘さが必ずあると思うので、そこで僕自身がどうアプローチしてチームを引き上げるかというところにフォーカスしてやっています」

#86八村阿蓮「ミスで相手が息を吹き返した。僕たちの甘さがある」

◆試合を振り返って
「自分たちのミスから向こうが息を吹き返しました。自分たちのリズムで気持ちよくシュートを打って入るというパターンだったので、大東文化大戦、中央大戦も同じパターンになってしまったので、そこはやはり僕たちの甘さ。明日はその甘さをなくして、ぶっちぎって優勝したいです」

◆ある程度開いたところから追い上げられるパターンが続いている
「結局自分たちのミスで流れを持っていかれているので、それが自分たちの甘さだと思うので、そこをなくしていかないといけない。明日も絶対そういう展開になると思うので、今日もう一度チームでミーティングをして、点差が開いたときに一瞬気を抜くということをしないで、20点差を25点差、30点にリード広げていけるように準備したいと思っています」

#23佐土原遼「明日勝って聖芽と喜びたい」

◆試合を振り返って
「とりあえず決勝に駒を進めたのは本当に嬉しいことなので、明日は(怪我をしている)聖芽(#60坂本)と一緒に喜んで勝ちたいと思います」

◆ある程度開いたところから追い上げられるパターンが続いている
「離れたときに、自分たちの甘さが出ています。向こうも本当に開き直ってどんな状態でもシュートを打ってきて、一発勝負というのがあって、15点開いたときこそ我慢して追いつかれないように。15点を20点にしたいですけれども、インカレの舞台なので15点をキープするようなプレーをしていきたいなと思います」

#5河村勇輝「自分のミスもある、明日はやれることを尽くして勝利に貢献したい」

◆試合を振り返って
「先輩たちが言うように、3試合とも自分たちで流れを作っているにもかかわらず、ポイントカードとして自分がコントロールできなかったり、簡単なミスを犯してしまって、相手に流れを持っていかれてしまうケースがありました。明日の試合はそこをしっかりなくして、甘さをなくして、東海のガードとしてやれることを尽くして、チームの勝利に貢献できるように頑張っていきたいと思います」

#3ハーパー ジャン ローレンス ジュニア「相手のミスを誘えるように頑張りたい」

◆試合を振り返って
「聖芽さんがいないので、自分がディフェンスなどでチームに貢献しないといけない。今日しっかりディフェンスで相手のミスを誘えたので、決勝もしっかりディフェンスからハードに当たって、今日みたいに相手のミスを誘えるように頑張っていきたいと思います」

専修大学記者会見

佐々木優一監督「最後までチーム全員がやろうとすることをやってくれた」

◆試合を振り返って
「今日のゲームに関しては、プランとしては頭からディフェンスをどれだけ我慢してリバウンドを確実に取っていくかということをあげていていました。やはり東海大学さんは同じようにディフェンスに対して本当に誇りを持って、強度を高くやってくるのは分かっていたので、オフェンスがうまくいかない時間帯が必ず来るけれども、そこに対してディフェンスでどれだけ我慢できるかというところ、選手たちには伝えていました。思った以上にタフなオフェンスを強いられて、最終的に勝ちにはつながらなかったんですが、最後までコートにいる選手、ベンチにいる選手、ベンチには入れなかった選手全員が、本当に同じ気持ちで最後までやるべきことをやろうと、私がずっと言い続けていたことを遂行しようと一生懸命努力をしてくれました。こういう結果になったんですが、私自身は最後まで戦ってくれた選手に対してすごく誇りに思います」

#23キング開「悔しいけれど素晴らしいチームでバスケができた」

◆試合を振り返って
「今日の試合は厳しい戦いになると話をしていて、東海大学さんはディフェンスのチームなので、自分たちのやりたいバスケはなかなかやらせてくれない40分間でした。自分もガードとしてコントロールができていない部分があり、たくさん反省点はあったけれども、最後まで我慢してディフェンスからブレイクを出そうとしました。チームを信じることが1番なので、その結果がああいう接戦になったと思っています。最後は勝ちきれなかったので悔しいんですが、チームでやりきった感は自分の中で感じていて、素晴らしいチームでバスケができました。明日はチームの力をコート上で表現できたら最後まであきらめない姿を見せられたらと思います」

#46寺澤大夢「チームの雰囲気は上がっていたが、相手が思った以上にタフだった」

◆試合を振り返って
「この2試合でチームの雰囲気がすごく上がっていて、試合をするたびにいいチームになっているのを感じて、今日挑んだんですが、相手のディフェンスが思ったよりタフで簡単にシュートを決められず、ディフェンスに関しても、インサイド、アウトサイドのシュートを確率良く決められました。簡単に勝てる相手ではないと思ったんですが、少し離されてしまいましたが、自分たちは話しあって我慢して、途中に追いついてでもまた3Qに話されてしまって4Q前にみんなで話し合って、まだ諦めるなってキャプテンの開(#23キング)の声、監督の指示をしっかり聞いて、全力でプレーしました。でもこういう結果になったのは足りないものがあったのかなと思います」

#1山本翔太「いいチームになったと思う」

◆試合を振り返って
「試合の入りに監督から『ブザーがなるまではディフェンスをやり続けよう』とチームでやることを言われて、それをチームとして40分間やり切ることができたから、離された点差でもしっかり我慢して付いていけたのかなと。いいチームになったと思います。オフェンスの面に関しては相手のディナイが強かったりして、自分たちがもらいたい位置でボールがもらえなかったり、簡単にスティールされてしまったりしました。東海大学さんのディフェンスが厳しかったです。でも明日も試合ができるということで、悔いのないように楽しんで全員で頑張りたいと思います」

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