【関東リーグ2023/1部(Aコート)】日本体育大が専修大に破れ2敗目、白鷗大が1敗の単独首位に、明治大は大逆転(第12節/2023.10.8)

2023関東リーグ
クラッチシュートを決めた専修大#30齋にベンチも笑顔に。

1部リーグは1巡目の残り3試合を3連戦。会場はアダストリアみとアリーナ。Bリーグ茨城ロボッツのホームアリーナで開催している。

Aコートの4試合は熱戦が相次いだ。

明治大は4Qに46点の猛攻で大逆転、拓殖大を破り3勝目

2勝の明治大と1勝の拓殖大は、ともに下位グループが既に決定。試合は前半からアグレッシブさが見えた拓殖大がリード。明治大は出だしが悪く、2Qも開始5分は無得点など、いいところがなく、3Q終了時は36-60とほぼ拓殖大の勝利が見えるような展開だった。しかし、ここから怒涛の逆転劇が始まる。拓殖大は4Qの出足でミスが続いてターンオーバーを頻発。その間に明治大が返していき、気がつくと差は10点ほどに。さらに明治大の勢いは途切れず、ディフェンスで拓殖大のミスを誘い、オフェンスにつなげるとスリーポイントやバスケットカウントを連発して、残り5分で逆転。拓殖大はこの明治大の勢いを止めきれず、自滅する形に。明治大はその後も得点を続け、82-74。4Qに46点を入れて試合をひっくり返した。

拓殖大は目の前に見えていた2勝目を悪い形で失ってしまった。

明治大は#91塚田のシュートも流れを持ってくるきっかけになった。

【INTERVIEW】「チームとして戦えるようになったことで良くなった」流れを変える2連勝で後半戦の活路を見出す/#21田邉太一(明治大・4年・SF・主将)

「本当に勝ったのか、よくわからなかった」
拓殖大戦はそんな風に言うほど無我夢中で、怒涛のような逆転劇だった。田邉は19点のチームハイ。バスケット・カウントなど流れを変えるプレーを見せてリズムを作った。周囲の選手たちも#13平松や#35越田、#91塚田らが2桁得点でそれに続く。最後まで集中を切らさなかったからこそつかんだ勝利は、前節の江戸川大戦に続く連勝で、3勝目。苦しんだ1巡目だが終盤にきて連勝できた。2巡目は近い実力同士のチームが集まるだけに、勝つも負けるも自分たち次第のところもある。この大きな勝利を後半戦につなげたい。

─大逆転で2連勝となりました。ここまで良くない試合もあったかと思いますが、どのような取り組みをしてきましたか?

「個人個人の能力だけでいえば、客観的に見てもうちは能力があって、1部でも戦えると思います。戦術的にも個人の能力も悪くなかったと思うんですけど、チームで戦うというところができていませんでした。誰かがミスをしたときに全員下を向いてしまったりして、うまくいかない、波に乗りきれないというとこリーグの前半はずっと続いてしまっていました。8節で山梨学院大戦に負けて下位リーグに行くことを決まってしまったんですけど、このままでは2部にも落ちてしまいかねません。チームのミーティングもして、練習に取り組んでいって、チームとして戦えるようになったことが、この連勝につながっていると思います」

─結果的にはコミュニケーションが足りていなかったということでしょうか?

「そうですね。戦術的なところは大きく変えたりということはしていませんが、ベンチで喋るとか、誰かがミスをした時に周りが声をかけてあげるとか、そういったところができていないところが話し合って見えました。それをやりはじめて、昨日と今日しっかり結果がついてきたという感じです。今日はタフな試合でしたが、勝ち切ることができました。ここまでは本当にチーム力が足りなかったと感じています」

─そして今日の拓殖大戦は本当に大逆転でした。4Qの46点は本当に驚きです。

「少し出来すぎなところはありますが。一人ひとりが能力を出せばこれくらいのゲームはできると思うので、それが出たと思います」

─田邉選手は基本、ベンチからの出場になっていますが、どのような意図がありますか?

「スタートで勢いのあるメンバーが出て、最初が良ければそのまま交代で出てやるし、流れが悪ければ4年生としてキャプテンとして、という感じです。試合経験もあるのでそこで中心になって落ち着かせてということで、今はベンチから出て行く形になっています」

─明治大は越田選手や平松選手が安定して活躍していて、能力の高い1年生もいいプレーを続けていますね。

「自分よりも能力のある選手たちが頑張ってくれています。彼らは調子の良い時は誰も止められないような選手なので、下級生たちを信頼していますし、どんどんやってほしいなあと思っています」

─今年はキャプテンを努めています。これまでの経験は?

「キャプテンは今年が初めてです。今までそういうポジションを避けてきたところがあって、でも大学では1年生から使ってもらっています。試合経験はチームの中ではあるので、4年生と話してキャプテンをやってほしいと言われて、決まりました。慣れないところもあるのでまとめられていないところもあるんですが、周りに助けられながらどうにかここまできているなという状態です」

─どのようなことを大事に考えていますか?

「去年までは4年生が空気が悪い時にしっかり盛り上げてくれて、自分たちはプレーに集中していける状態でした。今年からはプレーだけやっててもだめということで、練習中や試合中にみんなをまとめてしゃべって、チームとして戦うことを考えながらやっています。まだまだできてないところもあるし、まとめきれてないところがあるんですが、模索しながらやってきています」

─後半戦は下位グループですが、今度は実力的に似たチームだけのグループになりますね。

「自分たちは最終目標でインカレベスト4というのを掲げています。そのためにはリーグで6位入賞を目指したんですが、そこには届きませんでした。でも最終目標を達成するためには、下位リーグでも下を争うチームではいけないので、しっかり勝ちきって下位リーグの中でも一番上、全勝できるような形になると、インカレにもつながってくると思います。そこをしっかり勝ちきれるようにしたいです」

神奈川大が中央大に勝利、中央大は8位へ

第6節で筑波大に勝って以降、波に乗って好調を続けていた中央大。しかしこの日は神奈川大の勢いが勝った。1Qから神奈川大は28得点で神奈川大に10点近い差をつける。インサイドでは#21阿部(3年・C)、外からは#3山本愛哉(2年・PG)をはじめ、得点源が活躍。中央大は2Qに9点と失速してしまい、これが終盤まで響いた。神奈川大は4Qに追い上げられるが、ディフェンスで粘り切って79-72。11節の山梨学院大戦に続いて2連勝。

中央大は筑波大と同率で競り合い、7位をキープしてきたがこれで1勝差となり8位へ。上位グループ入りには最終戦の勝利が必須となった。

神奈川大は#21阿部が15点9リバウンド。ゴール下の存在感が大きかった。

3位の日本大は江戸川大に逆転勝利

前節、日本体育大との延長戦に惜しくも破れた日本大。12節は江戸川大相手に追う展開となった。江戸川大は前半からスリーポイントが好調で、11本を沈め、日本大のディフェンスを翻弄する。日本大は大きく離されはしないが、なかなか追いつききれない時間が長く続いた。3Q終了時は58-69。11点を追う日本大は4Qでじわじわ差を詰め#18宮城(3年・PF)のスリーポイントで逆転。そこから一気に10点ほどまでリードを広げるが、江戸川大も粘り強さを見せて差を縮め、残り5.2秒では#17河野(2年・SG)のバスケットカウントで2点差まで迫られた。しかし最後は抑えて82-80。危うい時間もあったが、逆転勝利を収めた。

苦しんだ日本大だが#18宮城のシュートで逆転。

専修大が前節から修正をはかり、日本体育大を破る

前節、中央大相手に苦い負けとなってしまった専修大は、勢いある日本体育大に、攻守で良さを見せた。立ち上がりは日本体育大らしさプレーが続き、#41石川や#7西部のスリーポイント、#23ムトンボ(3年・C)で加点。しかし専修大もこの日は内外バランスよく得点し、点差はつかない。1Qの25-23から、2Qは専修大のディフェンスの良さが出て、また#8介川(1年・PF・開志国際)が連続でスリーポイント、速攻と存在感を見せてこのQ34点。前半で48-57とリードを握った。

後半も専修大の集中が切れない。#13クベマ(4年・C)が3ファウルで一時ベンチに下がるも、#97ジョベ(1年・C・高知中央)が遜色ない働きを見せる。4Qは勝負どころで#31松野(2年・SG)のシュートが決まるなど、いい流れを維持して83-94。大きな1勝をあげた。

専修大は負ければ下位グループ転落の瀬戸際にも立つような状態。しかし、ゲームの立ち上がりから集中しており、またディフェンスが良かった。日本体育大も悪くない状態だったが、専修大の勢いを上回ることができず、2敗目。1巡目最終戦は1位の白鷗大との負けられない一戦になる。

全員が良かった専修大。#31松野の勝負どころのシュート力もチームを救った。

【INTERVIEW】「ディフェンスを軸にした専修大のバスケットを」ゲームキャプテンとして自らが体現しつつ、チームに伝える/#13クベマジョセフスティーブ(専修大・4年・C)

ムトンボ相手に25点12リバウンド、3ブロック。スリーポイントも2本決める万能ぶりを見せた。留学生同士のマッチアップでは互いに相殺し合い、スタッツが伸びないことが多いが、この日は数字で大きく上回る見事なプレーだった。
コートに立つ4年生が多くない今年、ゲームキャプテンを務める。専修大のベースであるディフェンスを軸に、チームを引っ張る意識は強い。

─すごい試合でした。まず、この前日の中央大戦の良くない負けもあったと思いますが。

「中央大との試合はすごく辛かったですね。負けてしまって。でもその後チームのミーティングをやって、チームで一つになって、ダメなところを今日の試合で直して日体大を倒すことができたのですごく良かったです。昨日も悪くはなかったんですが、ただシュートが入らなかったです。でも気持ちを切り替えて、今日はシュートも入ったし、ディフェンスを最後まで落ち着いてやって勝った試合だと思います」

─日本体育大のムトンボ選手(#23)とのマッチアップも見応えがありました。25得点で点数的にもとてもたくさん取っています。

ジャンピ(#23ムトンボ)は高校からやっていて、ジャンピの動きとか戦い方を、勝ったり負けたりしながら毎回経験してきました。今日はジャンピに勝って本当に良かったです。ジャンピには負けられないし、ジャンピだけでなくて、ほかの大学の留学生にも絶対に負けられない。まずはディフェンスの部分から体を張ってボックスアウトをして、リバウンドを取ってというプレーを徹底していました。ディフェンスからオフェンスを決めるっていうところは何よりも大事だし、自分の強みです」

#23ムトンボのシュートをブロック。会場が湧いた。

─今年はコートに出る4年生が少なく、スティーブ選手がゲームキャプテンを努めていますね。

「4年生は3人で、コートに出ている選手がだいたい2人、自分と赤嶺(#11)になります。もうひとりの4年生はプロにいてしまいましたが(米山・現B1富山)、彼の分も頑張ろうと思っていて、自分がゲームキャプテンとしてチームに引っ張っていって、絶対に負けられない。勝つ気持ちをいつも思って頑張りたいと思ってやっています」

─そのためにリーダーシップが重要ですが、どんなことをチームに伝えていますか?

「やはりディフェンスの部分ですね。どんなに厳しいときでもどんな相手でも、我慢することが大事。ディフェンスを我慢して我慢して自分のプレーできるところでオフェンスもやる。専修大学のバスケをちゃんとやってほしいなあと思っています。とにかく我慢することそして、専修大学のバスケットを、やることそれをやっていきましょうと伝えています」

─最終戦も強敵が相手ですね。

「最後は日大戦です頑張りたいです。どんな相手でもがんばって勝って、2巡目に入っていきたいです」

【第12節終了/勝敗】
1位 白鷗大学    11勝1敗
2位 日本体育大学  10勝2敗
3位 日本大学    10勝2敗
4位 大東文化大学  9勝3敗
5位 東海大学    8勝4敗
6位 専修大学    8勝4敗
7位 筑波大学    7勝5敗
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8位 中央大学    6勝6敗
9位 神奈川大学   5勝7敗
10位 山梨学院大学  3勝9敗
11位 明治大学    3勝9敗
12位 早稲田大学   2勝10敗
13位 拓殖大学    1勝11敗
14位 江戸川大学   1勝11敗

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