【第3回新人インカレ/2025】日本経済大と白鷗大が決勝進出/明治大と京都産業大は3位決定戦へ(2025.7.12)

2025新人インカレ
白鷗大はルーキー#32内田も今大会で登場。いい活躍にチームも沸いた。

大会は残り4チームの戦いに絞られた。国立競技場代々木第二体育館に場所を移した準決勝では東海大を倒して勝ち上がった日本経済大、関東2位から初の新人王者を目指す白鷗大が勝利し、決勝へと駒を進めた。どちらが勝っても優勝は初であり、注目の一戦といえる。

日本経済大が攻守の良さを見せて京都産業大を下す

準決勝の第一試合は関東を倒した九州と関西のチームが激突した。

ともに器用な留学生と得点力のある選手を擁する日本経済大京都産業大。立ち上がりから京都産業大#77ソロモン(1年・C・京都精華学園)と#35ボディアン(1年・PF・柳ヶ浦)のやり合いが見られたが、京都産業大が日本経済大の好ディフェンスに攻めあぐね、一方でスリーポイントやディフェンスからの速攻などが続いた日本経済大が一気に12-0と抜け出し、その後もリードを保った。2Qになると#77ソロモンの奮闘で点差が縮まり一時は逆転するが、日本経済大もすぐさま逆転すると前半は43-37と6点のリード。後半、#86是久(2年・PF)が内外で得点を重ねていくと差が広がっていく。京都産業大はここまで調子の良かったガード陣の得点が伸びず71-53。日本経済大が決勝進出を決めた。

日本経済大は#35ボディアンが京都産業大#77ソロモンとやりあった。

日本経済大はディフェンスの良さで勝ち上がってきたが、準決勝でもスタメンが安定して2桁得点と、得点面でも穴がない。この試合では#86是久が36点15リバウンドで圧倒した。キャリアハイともいえるパフォーマンスだったが、基本は「ディフェンスからブレイクに持っていくのがチームの方針です。監督からもシュートは水物といわれているし、シュートよりディフェンスをやった結果」と、チームとしてやるべきことの徹底が得点につながったと強調する。187cmのパワーフォワードは大きいとはいえないサイズだが、ゴール下でのプレーは当たり負けせず、「フィジカルでは負けない」という手応えも今大会を勝ち上がる中で得たようだ。準決勝ではスリーポイントも高確率で決まっており、決勝ではディフェンスの強い白鷗大相手にどのようなプレーを見せるかが楽しみだ。

日本経済大は全員がいいプレーをする中で、毎試合誰かが爆発している。準決勝では#86是久が内外で輝いた。

「打倒関東」を掲げてきたと日本経済大の片桐監督。というのも、昨インカレでは優勝した日本大とは終盤まで接戦を繰り広げ、残り3分では同点という互角の勝負を繰り広げたからだ。そして今回の新人インカレで関東の新人王者・東海大を倒して目標をクリアした。最後の壁は「全国優勝」だ。関東の強者・白鷗大との戦いに注目が集まる。

明治大の追い上げをかわし白鷗大が決勝進出

関東同士の対決となった準決勝第2試合、1Qは互いに相手ディフェンスを攻めあぐね、白鷗大にファウルが続くが、明治大も得点が伸びない。1Qは10-15とロースコアな立ち上がりとなった。2Qになると白鷗大のオフェンスが決まりはじめ、#15小川(2年・SG)や#37南澤(2年・PG)のスリーポイントで一気に10点以上引き離して27-40。

後半も3Qは白鷗大がリードを握り、一時は20点近い点差となった。明治大は#99石川(2年・PF)のバスケットカウントや#13湧川(1年・G・福大大濠)のドライブで点差を縮めて4Qに入ると、#25千保(1年・SF・開志国際)のスリーポイントで9点差と差を一桁に。白鷗大は簡単に攻め入られる展開が続くが、#32内田(1年・PF・延岡学園)のスリーポイントや#99ロイ(2年・SF)の内外の好プレーが続いた。それでも明治大は最後まで精度の高いシュートを#13湧川、#99石井が決め続け、残り1分を切って6点差に。白鷗大は守りでアンスポーツマンライクファウルを吹かれるなど、明治大を止めきれない部分もあったが73-81で逃げ切り、決勝へと駒を進めた。

明治大は個々の能力が高いが、中でも#99石川が強いフィジカルと確実性の高いシュートで得点を牽引。

明治大は#99石川が25点、#13湧川が21点と、ここまで得点面でチームを引っ張ってきた選手たちが最後まで攻め続けた。リバウンドでは高さのある白鷗大に軍配が上がったが、平均的に能力の高い面々がディフェンスのいい白鷗大から71点を奪取する試合だった。

白鷗大は今大会の大黒柱である#99ロイが25点14リバウンドのダブル・ダブル。本来ならファーストオプションである#42ウィリアムスは代表活動で不在であり、インサイドの要のみならず得点源としても活躍している。チームを牽引するプレーを続けるが、エースの自覚というよりは「自分だけでは絶対に勝てない。だからみんなを活かすためのプレー」という意識が強い。自分自身も頑張りつつ、自分が攻めることでディフェンスが引きつけられれば周囲にも余裕が生まれ、全体として結果がついてくる。いい相乗効果を導き出すプレーを決勝でも見せて欲しい。

トーナメントに引き続き、#99ロイの存在がチームに勢いを与えている。

また、白鷗大はウィリアム・ジョーンズカップのHCとしてチームを離れている網野監督に代わり、今大会は石井Aコーチが指揮をとっている。昨年も同様のスタイルで新人インカレに出場したが、東海に敗れてベスト8での敗退。今回ついに決勝にこぎつけた。「昨年は最後の最後に東海さんに負けてしまい、自分自身がゲームを壊した感覚がある」という。集中しすぎて視野が狭まったことも原因と、現在は一歩引いて俯瞰してゲームを見るようにしているそうだが、学生コーチのサポートがあり、何より主役である選手たちが輝くように状況判断するのが、持ち味であり心がけだ。グループステージで接戦となった天理大戦でも終始落ち着き、ときに選手を冷静に叱咤激励していた。

チームとしてはベンチが賑やかで、一体感がある。今大会は「どこが相手でも負けないこと。そして決勝までいって優勝するというのが、選手たちが決めた目標」であり、それの全力サポートをするのみ。日本経済大とは練習試合の機会があり、相手の強さも把握しているという。東海大を倒して勢いに乗るチーム相手に、受けずにチームの良さを発揮できるかが鍵を握りそうだ。

近年、大学界の上位に位置する白鷗大だが、意外にも新人戦は関東、新人インカレとも決勝進出は初で、優勝はまだない。初戴冠なるかに注目だ。

ルーズボールでベンチに突っ込んだ#9村を押し出すベンチ。いつも以上にベンチは賑やかで、ベンチも一体となって戦っているのが伝わる。

タイトルとURLをコピーしました